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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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235話 支部長室での会議

 タウロ達は冒険者ギルドでの相談と報告後、1日の休養を取った。


 休養と言っても、タウロ達は冒険者ギルドの支部長室にBランク帯二チームと支部長クロエを交えての作戦会議が行われた。


 タウロ達の報告を聞いたBランク帯チーム「白夜」と「絶影」の一行は大きなため息を吐いた。


「そんな呪法初めて聞いた…。確かに、知らずに作戦を実施して、敵拠点に突入したら全滅もあり得るな…」


 チーム「白夜」のリーダーが冷や汗を浮かべて安堵の言葉を漏らす。


 このBランクのチーム「白夜」は、過去にもタウロ達「黒金の翼」とはボブ達の救出作戦でも一緒しているので顔見知りだ。


「…驚いた。『黒金』はよく巻き込まれずに助かったな。運が付いてるのは良い事だ。いくら実力があっても運が無けりゃ簡単に死ぬ世界だからな」


 B-ランクチーム「絶影」のリーダーが感心する。

 ちなみに、タウロがその時『即死』した事は伏せてあった。


「他の支部の冒険者やダレーダー伯の精鋭部隊との合流後の作戦会議でこの話をするのはいいが、あちらはもう、ある程度作戦の骨子自体は、決まってるだろうから俺達Bランク帯チームは、その呪法の処置には動けない可能性があるな。そうなるとお前達「黒金の翼」に動いて貰う事になるが大丈夫か?」


「白夜」のリーダーが、タウロを見、その後ろに立つエアリス、アンク、ラグーネに視線をやると確認した。


「『結界師』のスキルを持つ魔法使いは珍しいですからエアリス以外の人を急遽用意するのは難しいと思います。それに僕達はあれを経験してるので使いそうな場所を特定するのに役に立てると思います。特定出来たらエアリスがそこを中心に最小限に被害が出ない範囲に結界を張る、そして、僕達三人はそれを守る。無理ではないと思います」


「そうなると、あまり素早く敵拠点を壊滅に追い込むと自爆される恐れがあるな。いや、作戦は素早く行おうとするだろうから、それ以上に『黒金』には動いて貰うしかないのか?」


『絶影』のリーダーがまだ、聞かされていない作戦を想像して頭をひねった。


「一応、緊急の情報がある事はこちらから人を走らせて連絡しているけど、Eランク帯である『黒金の翼』が作戦会議で孤立しない様に二チームはサポートして上げてね?」


「もちろんだ。『黒金』の持ち帰った情報は作戦成功の上で重要なカギだからな。会議ではタウロがこの情報を話す機会が与えられる様に動くさ」


『白夜』のリーダーは自分達の命に関わる事なのでサポートを約束した。


「俺達二チームは前回のトロールキング討伐戦で結構活躍出来たからあちらの信用は得ているはず、だから大丈夫だと思う」


『絶影』のリーダーも強く頷いた。


「それでは三チームとも、作戦を成功させて無事戻ってきなさいね」


 クロエが三チームにエールを送ると、全員が「もちろん!」と返事をして解散するのだった。



「作戦ってどんな感じかしら?」


 エアリスが早速緊張してきたのか冒険者ギルドを出るとやっと口を開いた。


「基本、包囲しての奇襲作戦だと思う。被害を最小限に敵を倒すには奇襲して敵を分断、それを各個撃破し、殲滅する感じじゃないかな?」


「それだと敵は逃げられないからあれを使いそうよね?」


「だろうね。追い詰められた敵は最後の切り札であれを使うと思う」


「おいおい。それじゃ、こっちも全滅しちまうぞ?どうするんだリーダー?」


 アンクが、話に入ってきた。


「私は耐性が多少あるが、あの村での威力を見る限り、タウロも即死したのだから、私が助かる確率も低いだろうな。どうするのだタウロ?」


 ラグーネも聞いて来た。


 耐性があるって、その為にどんな修行をしてたのラグーネ…。


 と、内心呆れるタウロであったが、それにはツッコまず答えた。


「作戦の司令官次第だろうけど、もし、有用な案が出ない場合は僕に少し良い考えがあるからそれを試してみたいと思う」


 タウロは、思いついた事があったが、今は口にせず、勿体ぶるのであった。


「まあ、リーダーに良い考えがあるなら、任せよう。じゃあ、明日の為に準備でもするか」


 アンクはそう言うと『憩い亭』に足を向ける。


「ちょっと、アンク!準備ってまさか」


「飲み溜めておかないとな!わはは!」


 そういうとアンクは店内に入って行く。


 店内からはいらっしゃいませーという声が聞こえてくる。


「では、私も腹ごしらえに、ここのところ我慢していたとんかつを食べてくる事にしよう」


 そういうとラグーネは『小人の宿屋』に向かうのであった。


「…二人とも緊張感が無いわね」


 重要な役割であるエアリスは二人の様にはいかない。

 自分が的確に結界を張り、あの黒い靄が広がらない様にしないと沢山の死人が出るのだ、責任重大だった。


「大丈夫、僕に任せて。それに明日出発とはいえ、集合して作戦会議をして実行するのには数日かかるはずだよ?今から緊張してたら持たないよ。ははは」


 タウロは笑ってエアリスの緊張を解そうとするのであった。

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