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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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230話 調査クエスト

ダレーダー伯爵の使者に丁重に帰って貰ったその日。


タウロ達はいつも通り、冒険者ギルドに赴いてクエストをチェックしていると緊急と書かれたEランク帯クエストが貼り出してあった。


「調査クエスト?…内容は、『1週間近隣と連絡のつかない村の安否確認とその調査。村に繋がる橋が落ちてる為、一般人は近づく事が出来ない。もし事件性がある場合、原因の究明と報告を。なお、解決できる場合はその方向で。』か」


「緊急の割には、報酬が少ないね。別途追加される感じかな?」


タウロが選ぶべきか少し迷った。


「依頼主が行商人ぽいな。きっとこの村と取引してるんだろう」


アンクが、タウロの頭上から依頼書を覗き込むと依頼主の名前を確認して言った。


「緊急なら私達でやりましょうよ。橋が落ちてるならロープを渡さないといけないけどタウロならそれも簡単でしょ?」


エアリスが、タウロの能力でなら解決できると提案した。


「確かに安全にロープを渡すのが出来るのは僕だね。でも、これ調査依頼だし、依頼主は事件性も疑ってるからその点も注視しないと」


タウロは論点がずれそうなので、注意した。


「私はエアリスに賛同する。困ってる人がいるのだ、やろう」


ラグーネはエアリスに頷くと賛同した。


「…だから橋を渡すのは依頼じゃないのだけど…。アンクはどう?」


「詳しくは依頼主に聞くしかないわな。地図で見たらこの村、ダレーダー伯爵領と隣領の境にあるみたいだが、名前が載ってないな。かなりの田舎みたいだ。こりゃ行くだけでも大変そうだが、あとはリーダーに任せるよ」


アンクの言う通り、依頼主に詳しく聞くしかない様だ。

受付で鑑定士持ちのカンヌに依頼主の居場所を聞くと、『小人の宿屋』に滞在してるという事なので会いに行く事にするのだった。




『小人の宿屋』の食堂。


「依頼を受けてくれる冒険者のみなさんですか!」


行商人と思われる依頼人は大きなリュックを自分の横に置いている。


「どこか行かれるのですか?」


タウロは依頼人の恰好に気づいた。


「ええ。私は行商人をしてるのですが、ここには依頼に立ち寄っただけなので。こちらは同じ行商仲間だったマーチェスの領域なので自分の領域に戻るんです。また、数日後にこちらに様子を窺いによる予定でしたが、すぐに見つかって良かったです」


目の前の子供冒険者であるタウロに驚く事なく話すと依頼人は安堵した。


「詳しく依頼内容を聞きたいのですがいいですか?地図には村の名前も載っていないですし、行った事が無い場所なので様子を伺えると助かります」


タウロが確認する。


「ああ、私は、子供村と呼んでいるのですが、小さい村ですが子供の多いところです。外からに対して閉鎖的な雰囲気がありますので、接触する際はその辺りを気を付けて下さい。あと、道は途中から険しくて、落ちた橋から先は山道も険しいです」


「子供村ですか…?」


「ええ。大人は10人ほど、子供は30人近くいると思います。自給自足しているので、私は主に雑貨類や、塩などの調味料、刃物などの鉄の道具なんかも売りに行ってました。橋が落ちる事も過去にはあり、すぐに村の子達がロープを渡していたので今回も大丈夫だと思ってたのですが、一週間経ってもその様子がないので、心配になって依頼しました」


依頼主は子供達が心配なのだろう、わざわざ赤の他人にも関わらず、少ない稼ぎから依頼料を捻出したのだ。


「わかりました。我々は様子を見に行き報告する事が基本で、何かあった場合は、それを解決して貰えたら助かるという事ですね。もし解決できない場合はすぐに戻ってきますがいいですか?」


「もちろんです。そちらの判断にお任せします」


「わかりました、では、僕達は準備をして明日の朝一番で向かいます」


「お願いします。自分もこれから取引のある村に行かなくてはいけないので失礼します」


依頼人はタウロ達にお辞儀すると『小人の宿屋』を後にするのだった。



「…30人近いとかやけに子供が多い村だな」


アンクは依頼内容よりもそこに引っ掛かった様だ。


「そうね。孤児を引き取ってるのかしら?」


エアリスが可能性を指摘した。


「人が寄り付かない場所で子供を引き取って育てるとは、竜人族の村なら戦士育成の修行をする『竜の穴』を想像させるな」


ラグーネが自分の村に例えて言った。


「ラグーネの言う『竜の穴』の存在も気になるけど、その指摘で、もしかして何かの教育施設という可能性も考えられるよね。…いや、流石に無いか。ははは。それよりみんな明日朝一番に出発だから準備をしておいてね」


ともかく調査をして報告をする。

それが自分達の引き受けた依頼である事を言い聞かせるタウロであった。

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