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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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229話 使者の訪問

タウロ達一行は、竜人族の村での見聞きする全ての事に驚き、新たな発見をした。


そんな収穫の多い中、ラグーネの家に到着すると、空は夕陽が沈んでオレンジの色合いから夜を迎えて闇に染まろうとしていた。


「それではみなさん、またのお越しをお待ちしています」


守備隊長が守備隊を代表して挨拶すると、仕事の為に見回りに戻って行くのだった。


家にはラグーネの兄ドラゴが待っていた。


この時、ラグーネの家は兄と二人で住むには大きく広い事を帰って来て気づくタウロだった。

もしかしたら、両親と住んでいるのかもしれない。

今はいない様なので、何か事情があるのだろうか。


「みなさん、お帰りなさい。今日はうちに泊まりますか?それとも、このままお帰りになりますか?」


ドラゴは、この大切な客人を歓迎する為、タウロ達一行が族長宅に赴いてる間に泊まれるよう準備をしていた様だ。


「いえ、今日は突然でしたし、おとなしく帰ろうと思います。お騒がせしてすみませんでした」


タウロがチームを代表してお礼を言うと、お辞儀する。


「ではみんな、『次元回廊』の出入り口は私の部屋だから入ろう」


ラグーネが家の扉を開けてみんなを招き入れる。


兄ドラゴも先頭に立つとラグーネの部屋まで案内するのだった。



こうして『空間転移』と『次元回廊』を組み合わせた実験は成功して、竜人族の村の訪問に成功し、歓迎され、その日の内にダンサスの村に帰っていったのだった。


ラグーネがタウロ達の移動の確認後、自分もダンサスの村に戻ろうすると、兄ドラゴが声をかける。


「ラグーネ、また、改めてタウロ殿達を連れてきてくれよ。こんな日帰りではなく、ゆっくりとこの村で歓迎したいからな」


「分かった兄上。私達にも予定があるから、すぐかどうかはわからないけど、タウロに話しておくよ」


妹はそう答えると『次元回廊』で、ダンサスの村に帰っていくのであった。


「…外の世界にはあんな人達がいるのか。俺も、行きたくなるな」


ドラゴは、妹のラグーネを羨ましいと思った事はなかったが、この時は初めて羨ましいと思うのであった。




竜人族の村への緊急訪問の二日後の朝。


タウロとアンク、そして朝食を取りに訪れていたエアリスとラグーネはダレーダーの街からやって来た使者に応対していた。


「我が主ダレーダー伯は、タウロ殿には伯爵家に客人としてお迎えしたいと申しております。もちろん、強制ではありません。ダレーダー伯はただただ、命の恩人であり、リバーシの師であるタウロ殿にまたお会いしたいと思っておりまして…」


「お言葉は嬉しいのですが…、僕はもちろん、チーム『黒金の翼』は、冒険者として依頼主の依頼をこなしただけで、伯爵を助ける事になったのは偶然です。なので客人として歓迎されるような事はしていません。それにお礼はすでにして貰っています。これ以上は過分なのでお引き取り下さい」


「お、お待ちを!私は主から直接言われてきたので簡単に引き返すわけにもいかないのです。我が主と一目会うだけでもお願いできないでしょうか?」


「…うーん。僕達は冒険者です。仕事の依頼でなら引き受けますが、その場合は冒険者ギルドを通して貰えないでしょうか?」


タウロは同情を誘う使者に頑として頷かなかった。


「…わ、わかりました。それでは主にはそう伝えます」


使者はがっかりしてうな垂れると、タウロ宅を後にしてダレーダーの街まで帰っていくのだった。


「会うくらいならして上げればいいのに」


エアリスが疑問を口にする。


「ダレーダー伯爵がどんな人かよく知らないからね。会って仕えろとか言われたら嫌だし、トラブルの元にしかならないと思ったから…。今回はあっちが恩に感じてくれていて、断っても無理は言われないだろうから、それを利用して一定の距離は取って置きたいかなと思ったんだよ」


「だから、冒険者ギルドを間に入れる様な事を言ったのだな」


ラグーネが納得したという顔をした。


「私が知る限りでは、ダレーダー伯爵は温和な性格らしいから大丈夫よ。先日の使者は感じ悪かったけどね」


エアリスはタウロの身元を保証する為に使者と話した事を思い出してあの時の感想を漏らした。


「僕もその印象があるんだけどね。刺客に狙われたばっかりだからピリピリしてるだろうし、一応慎重にしておくよ」


「貴族って奴は腹芸は当たり前にするからな。慎重なくらいで丁度いいさ。わはは!」


アンクがタウロを支持すると笑ってその場の雰囲気を一新させるのであった。

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