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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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228話 竜人族の村(4)

日が傾き夕陽が竜人族の村に影を落とす。


「おや?もうこんな時間ですか。どうですか、今日はうちに泊まっていかれませんか?」


族長リュウガが、滞在を打診した。


「いえ、お言葉に甘えるわけにはいきません。それに、空間転移ですぐに帰れますので…。また、改めてこちらを訪れてもいいでしょうか?」


タウロは再訪問の許可を族長リュウガに確認した。


「もちろんです!私達はいつでもタウロ殿とそのお仲間を歓迎します。それに私もタウロ殿にお願いがありますから、また、早いお越しをお待ちしております」


族長リュウガはそう言うと席を立ってお辞儀をする。


タウロ達もそれに応じる様に席を立つと、深々とお辞儀をすると族長屋敷を後にした。


ラグーネの家までの道のりを、守備隊長に伴われながら帰る事にした。


「…タウロ。ラグーネを『黒金の翼』に入れた事で、竜人族の悲願であるダンジョン攻略の夢を邪魔した事になるのかな?」


エアリスはダンジョン攻略にラグーネの『次元回廊』が必要だった事を族長リュウガが漏らした事を気にかけていた。


「そうだね。ラグーネは今、竜人族の慣習に従わなくていい立場にしたの僕らだからそういう事になるかも…。多分、族長が言ってた僕へのお願いはその辺りの事かな」


「ああ、タウロの『空間転移』でダンジョン攻略組を下に運ぶって事ね」


エアリスは、合点がいったという感じで指摘した。


「もし、族長のお願いがそうならば、聞いて貰えると私も助かる。『空間転移』が言い伝えの通りなら、過去に数か月かけて潜った最下層まで到達するのがあっという間という事になる。それが実現すれば、攻略組の負担はぐっと下がるからな。私も流行り病がなければ今頃、攻略組の一員としてダンジョンに潜って攻略組のサポートをするはずだったのだ」


ラグーネは二人の会話に入ると自分の予定されていた人生について語った。


「ラグーネにお願いされたら断れないな。じゃあ、ダンジョン攻略組の準備が出来たらその時は協力するよ」


タウロはそう答えるとマジック収納から魔力回復ポーションを出して飲んだ。


竜人族の村に来た時に魔力を沢山消費していたから、回復の為だ。


「これだけ強者が多そうな、竜人族でも攻略がまだ出来てないダンジョンってのは、とんでもないな」


アンクが同行する守備隊の隊員達を見ながら、呆れてみせた。


「ダンジョン攻略組は我々守備隊よりもさらに優れた力を持つ精鋭ですが、ダンジョンはその精鋭達を苦戦させる魔物や、罠、仕掛け、深さがあるんですよ。自分も過去に一度潜った事がありますが、過去の攻略組が潜った最下層まで辿り着けず、引き返した事があります」


守備隊長がアンクの言葉に反応して答えた。


「あんたもかなり強そうだが、そんなにかい!?」


アンクはこの守備隊長の実力がかなりのものであると推し量っていたので驚いた。


「自分はその時サポート組で、攻略組との実力差は雲泥の差がありましたよ。ははは!」


守備隊長は笑って答えると続けた。


「この村にも一応、冒険者ギルドは存在するのでランクで表現するならば、攻略組の実力はSランク帯だと思います」


守備隊長の何気なく例えた内容にタウロやエアリスはギョッとした。


Sランク帯と言えば、伝説級を意味する。

最上位系スキルを持ち、それの能力限界値も最上位を位置し、血がにじむ様な努力でそれを昇華させ、さらに運にも恵まれてないと成れないと言われるSランク帯だ。


正直、冒険者ギルドの過去の最上位系スキル持ちはAランク帯でも最高評価扱いされている。


同じ冒険者に対して身内贔屓かもしれないが、それくらい竜人族の攻略組は凄いという事だろう。


「言える範囲で良いですが、ちなみにどんなスキル持ちの人達がいるんですか?」


タウロが興味をそそられて質問した。


「スキル?ああ、攻略組のスキルには、大勇者、大賢者、真聖女、極武人、天意魔導士、天翔竜騎士などがいるかな」


…聞いた事がある希少なスキルの最初に何か「大」とか「真」とか「極」とか「天」とか付いてるんだけど…?全て聞いた事がある様で聞いた事が無いです…!


竜人族の桁違いのレベルに、聞かない方が良かった気がしてきたタウロであった。


「…ははは。私、結構優秀なスキル持ちだと思ってたけど、竜人族は遥かにその上を行ってるわ…」


エアリスもレベルが違い過ぎる事に呆れて笑うしかなかった。


「竜人族の村でも精鋭組のスキルは貴重な部類だから。私も竜騎士の限界を超えて『天翔竜騎士』になれるといいのだがまだまだ先の話だな」


「え?固定スキルって成長するの!?」


エアリスが驚いてラグーネに聞いた。


「え?絶対ではないが、限界を越えられれば成長する事はあるらしいぞ?攻略組はその限界を超えた者達だ。まあ、竜人族は長命な種族だから人には大変かもしれないな」


国の研究機関に発表したら大発見として大騒ぎになりそうな事をラグーネはさらりと答えるのだった。

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