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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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207話 昇格審査

冒険者ギルドダンサス支部長クロエと、副支部長シロイは悩んでいた。


それは、今回、期間限定のフリークエストで驚異的な戦果を上げたチーム『黒金の翼』についてだった。

他のチームも十分な戦果を上げているチームはいるが、それはランクに相応しいもので、Eランク帯の『黒金の翼』が「格上」を、大量に仕留めるというものはダンサス支部に於いて前例がない活躍と言ってよかった。


「とりあえず、このラグーネは、FランクからEランクに一気に上げた方がいいですね。ギルドとしてはこの才能は早々に上げて活躍させる方が得です。」


「そうね…。アンクさんも実力的にも戦績からもE-からE+に上げるとして…。問題はタウロ君とエアリスちゃんね…。チーム戦績を考えると十分Dランク帯への昇格資格はあるのだけど、ラグーネちゃんとアンクさんの活躍が凄すぎて霞んじゃうのよね…。うーん、私の理想では、4人一緒にDランク帯に上げた方がバランスが取れていいとは思うのだけど…。」


「それでは、本人達から不満が出るでしょう。前衛二人の活躍が凄いとはいえ、それは後衛二人のサポートがあってこそという自負はあるでしょうし。本人達も今回のチームの戦績でDランク帯が見えたと意識してると思いますよ。」


「…そうね。あの子達無理しない様に見えて、かなり危険な事するから心配だけど…、タウロ君とエアリスちゃんはD-ランクに昇格しましょう。」


支部長クロエは、検討に検討を重ねた結果、異例の昇格を決定するのであった。




クロエはその翌日、朝からギルドにやってきたタウロ達1人1人に昇格を伝えた。


「私が、Eランクでいいのか!?そんなに評価して貰えるとは…。くっ殺…、じゃない、ありがとうございます!」


今回一番の戦果を上げたラグーネは不穏な事を一瞬口走ったのが気になるが喜んでいる様だ。


「2つもランクアップかい?そりゃまた、大サービスだな!わはは!」


アンクも喜んでいるが、どこかどうでもいい様な反応にも見える。

実感が無いのかもしれない。


そして、タウロとエアリスの二人。


「「あ、それは、まだいいです。」」


一番悩みに悩んで決定した二人の昇格が一番反応が薄く、あっさりと断られた。


「え?せっかくの昇格よ!?」


クロエは驚いて聞いた。


「みんなと一緒に上がりたいので。僕とエアリスは二人の昇格時に一緒でお願いします。」


「あ、でも、アンクもE+になったのなら、ラグーネがE+になる頃にはアンク1人上がる可能性もあるわね。」


「アンクは大丈夫だよ。ランクにこだわりなさそうだもの。それにラグーネとは仲がいいから一緒に待ってくれるよ。」


「確かにそうね。」


二人のやり取りをみていて、クロエは自分達が夜中に悩みに悩んだ決定は杞憂だった事を知るのだった。


「これ以上言うのもなんだけど、ラグーネちゃんとアンクさんは異例の昇格だから、こういう事は2度とないから、今後は無理しない様にね。通常は格上狙いは評価されないものだから。」


クロエはダンサス支部長として、釘を刺す事を忘れなかった。

今回の様に自分達のランクより格上を狙って大量に狩ろうとするチームが出てこられては困る。

そうなれば、すぐ、死人が出るのは目に見えていた。


ダレーダー支部の判断とはいえ、このフリークエストは2度と出さない様に意見書を出しておこう。


「はい。でも、このフリークエスト、あと5日ありますよね?その間に戦果を出した場合は…。」


タウロが、怖い事を言った。


クロエは慌てると、


「ちょ、ちょっと、タウロ君!これは、一度っきりよ!もう、このクエストを持って来ても手続きしないからね?これで最後よ!もう2度と、無茶しちゃ駄目よ?」


と、腕を交差させてバツを表現し、拒否する姿勢を取った。


「ははは!わかりました。残念ですがラグーネが大きく昇格する事が目標だったのでもう、無茶は2度とやりませんよ。」


タウロは、笑うとクロエの心配を察して安心させるのであった。


その背後で、二人で話していたラグーネとアンクが、話に入ってきた。


「タウロはスパルタだからな。私も、連日あれをやれと言われたら考えるな。」


ラグーネは真剣な顔をして頷く。


「おいおい、ラグーネ。リーダーとエアリスが上手い事お前がトドメをさせる様に後方で調整してくれてたんだぞ?あれはスパルタとは言わんよ。わはは!」


アンクは前衛でありながら後ろもよく見えている。

やはり、元傭兵、乱戦に慣れていて周りに注意を常に払っているのだろう。


「じゃあ、二人とも昇格した事だし、4人で初めてのEランククエストを受けようか?」


タウロが提案すると、みんながそれに賛同するのだった。

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