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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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205話 救援戦

タウロが『気配察知』で魔物と戦闘状態になってる一団が少しずつこっちに近づいている事をチームに知らせた。


「ラグーネ、大丈夫?まだ、回復してないならポーションを飲んでおいて。」


そう言うとタウロがラグーネにポーションを渡した。


「ありがとう、そうする。」


ラグーネは受け取るとポーションを飲み干す。


「じゃあ、こっちに後退して来てる一団の救援に向かうね。とりあえず、一番厄介なハーピーを優先して仕留めるよ。」


ハーピーとは、上半身が女性で下半身が鳥の醜い姿をした魔物だ。


「ハーピーが混ざってるのか。それは確かに最初に仕留めとかないと、戦いづらそうだな。」


アンクが嫌がるのも仕方がない。


頭上のハーピーを気にしながら敵と戦うのはとても難易度が高く厄介以外の何物でもない。


「一応、僕がハーピーは担当するけど、エアリスも魔法で警戒しておいて。出きれば先手を取って仕留めたい。」


タウロがエアリスにお願いした。


「わかったわ。ラグーネも大丈夫?」


エアリスも頷くとラグーネに声をかける。


「大丈夫だ、問題ない。」


そう答えるとラグーネも頷いた。


「よし、それじゃあ、みんな行こう。」


タウロがそう言うと一同は救援に向かうのだった。




「──くそっ!あのハーピーが厄介過ぎるぞ!」


領兵を率いている隊長が盾を頭上にかざし、隊を後退させながら正面から襲い来るオークの攻撃を凌いでいた。


「負傷者はポーションを惜しむな。今、使わないと死ぬぞ!」


「もう、そのポーションがありません!」


「くっ!誰か手を貸してやれ、ハーピーに狙われるから頭上には気をつけろ!」


隊長が目の前のオークのこん棒による攻撃を盾で防ぎながら言うと、オークに反撃をしようとしたその時だった。


目線が正面に向いて頭上が疎かになった。


ハーピーがそれをチャンスと見逃さず、隊長に襲いかかった。


他の隊員が、


「隊長危ない!」


と、警告を発した時だった。


隊員たちの頭上を風を割く鋭い音と共に一本の矢が隊長を襲う寸前だったハーピーの首を射抜いた。


さらにもう一体の頭上を飛ぶハーピーも、魔法の火の矢で翼を焼かれて落下した。


隊員達は驚き、振り返るとそこには冒険者と思われる一団がいた。


弓を手にしていた子供の冒険者が負傷者達にポーションを投げかける。


そして、その脇を獣人族の女戦士と大剣を持った戦士が走り抜けて行き、隊長達が相手しているオーク達に斬りかかっていった。


「君達は!?」


隊員の一人が少年達に問いただす。


「それは、後でお願いします。」


子供はそう簡潔に応対すると弓を引き絞り、回り込んで負傷者を襲おうとしたオークの頭を射抜いた。


少女の魔法使い?も、戦闘中の背後で構えているひと際大きい体躯を持つ醜悪な容姿の怪力で知られるトロールに向けて雷魔法を落とした。


トロールは真っ黒コゲになって煙を上げ膝をつく。


エアリスは仕留めたかと思ったが、見る見るうちに回復していく。


トロールにはこれがあるのだ。


頭は基本悪く怪力頼りなのだが、厄介なのはこの回復再生能力だ。


斬り落とされた手足も繋いで治す事も出来るという。


倒すには回復する前に攻撃側の強力な火力で仕留める必要がある。


オークも一撃で仕留めたエアリスの雷魔法もトロールを仕留めるまでは行かなかった様だ。


ただ、動きが止まっているところを見るとそれなりにダメージを与えた様だ。

その間にアンクが大剣でオークの首を飛ばし、ラグーネが同じくオークを槍で突き殺した。


エアリスは、二人の攻撃力上昇魔法を唱える事に切り替えた。


自分の火力ではトロールは仕留められないと判断したのだ。


そこへタウロがトロールに追い討ちをかけた。


高火力の光の矢だ。


すると野生の勘だろうか?


トロールは側にいたオークを掴んで盾にして、タウロが放った光の矢の威力を殺した。

光の矢は盾にされたオークを貫通したが、普通の矢に戻り、トロールの肩に深々と刺さった。

トロールはすぐその矢を引っこ抜くと傷は再生していく。


だが、深手は負わせられたので回復に時間がかかってる間に、タウロもオークを倒す事を優先するのだった。


領兵の一団も持ち直し、反撃に転じた。

タウロがポーションで負傷者を回復したので、数的有利でオーク達はあっという間に倒されていくのだが、その中でもアンクとラグーネは大活躍だった。

その大剣での高火力のアンクと、正確な攻撃力、俊敏性、耐久性と総合力に優れるラグーネの二人は領兵に強いインパクトを残した。


残るは巨漢のトロールのみだ。


領兵達はここが見せ場と取り囲んでトロールを仕留めにかかるのだが、決め手となる攻撃力に欠けた。


一応、領兵達のメンツを立てて静観しようとしたタウロ達だったが、トロールの振り回す大きなこん棒に領兵数名が吹き飛ばされたのを見てアンクが飛び出してトロールのこん棒を持ったその太い右腕を大剣で斬り落とす。


そこに、タウロが二本の矢を弓につがえて放つとトロールの両目を同時に射抜いて潰した。


痛みに暴れるトロールにエアリスが雷魔法で再度攻撃して膝をつかせた。


止めはラグーネの正確無比で鋭い槍の一突きで心臓を貫き、トロールを無事倒すのであった。

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