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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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203話 お引越し

クエストを完了し、森から戻る一行であったが、タウロはアンクに質問した。


「アンクは、今、どこを寝床にしてるの?」


「俺か?今は、『小人の宿屋』に泊まってるぞ。」


「良かったら、今、貸家が二件あるので僕と一緒にシェアしますか?」


「タウロは今、エアリスと一緒ではないか。私がアンクと一緒で構わないぞ?」


ラグーネが、当然の様に提案してきた。


「いやいや、ラグーネ。流石に成人した男女を一つ屋根の下、一緒にするのは問題でしょ。」


「そうか?アンクは私に手を出すつもりなのか?違うだろう。ならば問題あるまい。」


「おいおいラグーネ。いくら仲間になったからと言って、いきなりどこまで信用してるんだ。俺が自制を振り切ってお前を襲う事態があるかもしれんだろ?」


「そうなのか?…確かに、お酒が入ったりすると自制が緩む事はあるのかもしれんが、その時は殴っていいのだろう?竜人族ではそれで正気に戻るのだが人間は刺すくらいした方が良いのかな?」


竜人族は鉄拳制裁なのね…。


タウロはラグーネの反応に苦笑いだったが、ラグーネ程の美女と一つ屋根の下は、いい大人のアンクにはちょっときついのではないだろうか?


「その気は今のところないが、ラグーネ。自分の容姿について自覚を持て。お前は良い女だぞ。男はそれで充分惑わされるからな。わはは!」


アンクはラグーネの反応がおかしかったのか、そう言うと大笑いした。


タウロはこの二人を見ていると、間違いも起きない気はしたが流石にリーダーとして分別のある所は示しておきたい。


「エアリスはどう思う?」


タウロは取り敢えず、女性の意見を聞く事にした。


「…仕方ないわね。私がラグーネとシェアするからタウロはアンクと住んで頂戴。」


意外にあっさりエアリスはタウロとのシェアを放棄すると判断した。


「よいのか?エアリス。私は本当にアンクとで構わないのだが…。」


「いいの。ラグーネの様な美人、一つ屋根の下で手を出さない男の方がおかしいのだから。アンクがまともな大人だと信じると代わるしかないじゃない。」


「わはは!俺の常識がまともかどうかは俺にもわからんが、リーダーの決定に従おう。どうだリーダー?」


「じゃあ、引っ越しで。僕が現在のラグーネのところに行くのでラグーネは僕のいた部屋へ──」


タウロが言いかけると、エアリスが遮った。


「それじゃ二度手間じゃない。私がラグーネのところに行けば済む話よ。あ、引っ越しは手伝ってね?」


エアリスは文句をいう事なく、部屋を移る事を同意したのであった。




ギルドでクエストの完了手続きを終えると早速、アンクには荷物を纏めさせ、家に案内した。


「これは驚いたな…。ただの一軒家かと思ったら、トイレは貴族の屋敷にある様なのだし、お風呂も備え付け、井戸は…、あの上に付いてるのなんだ?」


アンクは見慣れないものが多い家に、興味津々の様子だった。


タウロがひとつひとつ説明すると素直に驚く。


「これはみな、リーダーが作ったのか!?何もんだよリーダー!あっちの家もこれと同じものがあるのか?すげぇな!貴族の家より便利じゃねぇか。これは、『黒金の翼』に入れて良かったな。わはは!」


アンクが、手放しで引っ越し先の便利さに喜んでいると、


「タウロ、荷物よろしく。」


と、エアリスの声がした。


「了解。じゃあ、アンク、荷解きしていて下さい。エアリスを手伝ってくるので。」


タウロは、アンクにそう答えると走って行った。


「うちのリーダーは万能だな。」


ただただ感心するアンクであった。



エアリスの荷物はタウロがまとめてマジック収納に入れるとそのまま、ラグーネの家に一緒に向かう事にした。


「…本当に良かったの?」


タウロがエアリスに再確認した。


「これが最良の選択じゃない?まあ、朝からタウロの手料理食べれないのは残念だけど。」


エアリスはため息をつく。


「うちにラグーネと二人食べにきなよ。みんなで食べる方が楽しいよ?」


「そうね。ラグーネも仲間と認めてくれたし、その方が楽しいわね。…そう言えばラグーネの言ってた仲間の印?の血の盟約って何かしら?」


「そう言えば言ってたね。エアリスから聞いといてよ。」


「わかったわ。聞いてみる。でも想像通りなら…、ポーションいるわね。」


エアリスは、自分のポーションを入れているポシェットを軽く叩いた。


「え?やっぱりそっち系かな?」


タウロが、ちょっと嫌な顔をする。


「血の盟約だからそうじゃない?私も痛いのは嫌だけど、ラグーネとの仲間の印なら、我慢するわ。」


エアリスの決断にタウロも頷くと、そのタイミングでラグーネの家に到着するのだった。

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