表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

184/694

184話 いつものトラブル

タウロとエアリスが冒険者ギルドに到着すると、丁度ギルドから冒険者が一組出てくるところだった。


よく見るとタウロ達『黒金の翼』の対抗意識を強く持つ『漆黒の剣』のリーダーでナイト持ちのナシルス、同じくナイト持ちのイラツーク、盗賊職の上位スキルである追跡者持ちの紅一点ビチナだった。


そこに、後からルメヤとシンの彼女のレンとユウが付いて出てきた。


「…なんかまた、厄介な組み合わせだね…。」


タウロがちょっと呆れてエアリスにぼやいた。


どうやら、『漆黒の剣』と一緒にクエストをやるようだ。

意気投合してるようなので、そこがまた怖い。


「関わらないようにしましょ。」


エアリスもタウロと同じ事を思った様だ。


「──だから、…うん?これはこれは、『黒金の翼』のリーダーさんじゃないですか!このダンサスの村を数か月留守にしてる間に、我々、『漆黒の剣』はE-ランクに昇格しました。追い越すのもすぐですよ。」


リーダーのナシルスが金色の前髪をかき上げながら早速、タウロ達に気づいて絡んできた。


この絡みは『漆黒の剣』がこの村にいついてからずっとだったので、タウロはスルーする事を身に付けている。


「良かったね。」


と、言うとそのまま、エアリスとギルドに入ろうとする。


「ちょっと待て!君らが留守にしてる間に黒金に入ってたこの二人を追い出したそうじゃないか、最低だな!前衛の連中も不満らしいじゃないか!」


イラツークが、言う機会を伺っていたのだろう、勢いよく噛みついてきた。


「そうよそうよ!仲間の彼女である女性二人を自分達の都合で、住んでいた家からも追い出すとか最低だわ!」


紅一点だったビチナが追い打ちをかける。


レンとユウは被害者とばかりに、泣く演技をしている。


なるほど、この二人の筋書きでは、そういう事になっているらしい。


形だけでは、微妙に合っているだけに、タウロも否定する気にはなれなかったが、ここまで言われて放置してると冒険者ギルド内で聞き耳を立てている他の冒険者達に誤解を与えかねないので反論する事にした。


「そもそもそっちの二人組が、僕達が戻る間だけ家を借りていただけだよ?戻ったから移動して貰った、それだけなんだけど?なぜその話が拗れて君達の耳に入ったのかは追求しないけど一方的に、片方の意見だけを鵜呑みにして他人の問題に口を出すのは感心しないよ?」


「そうよ!それにそこの二人組は勝手に『黒金の翼』のマークを使用し、リーダーのタウロの許可なく名乗っていた時点でどっちが正しいかなんてはっきりしてるじゃない!…まあ、放置してたシンとルメヤにも責任の一端はあるけど…。」


タウロの正論とエアリスの尻すぼみな追い討ちで、『漆黒の剣』は何も言えなくなった。


レンとユウも旗色が悪いと思ったのか黙って反論しない。


「じゃあ、この問題は解決でいいかな。勘違いしてたみたいだから、僕達もこれ以上は君達を責める気はないよ。」


いつも都合よく解釈するナシルスもこう言われると、言い返せないらしく黙り込んで、これから一緒にクエストをする二人組に視線を送る。

レンとユウはその向けられた視線から目を逸らすのだった。


「じゃあ、クエスト頑張ってね。」


タウロは『漆黒の剣』にそう言うとギルドに入って行くのだった。



ギルド内に入ると、冒険者達が突如ざわざわし始めた。


やはり聞き耳を立てていたらしい。


「みなさん、お騒がせしました。今日からまた、『黒金の翼』をよろしくお願いします。」


タウロが頭を下げると、エアリスも慌てて頭を下げる。


「おう!お帰りな!てっきり、チームを抜けたのかと勘違いしてたぜ!」


「本当そうだぜ!」


「戻った早々、災難だったな!がははは!」


「俺は二人がよその国に逃避行したと聞いてたんだが違うのか?」


「馬鹿、それ、酒の席での冗談じゃねぇか!」


「俺は、夜逃げだって聞いてたぞ?」


「それ、『嘘つきのソウ』の奴のでまかせだよ!」


どうやら、留守の間に冒険者の間で酒の肴にされていた様だ。


あの時は急いでたからこうなる事は予想のしようもなかったが、こうなるまでシンとルメヤは放置してたのかとちょっと呆れた。


そう言えば、たまに送っていた手紙はどうしたんだろう?この感じだと読んでいなかったのだろうな、と思うタウロであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ