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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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128話 尻尾を捕まえる

タウロ達は詰め所からとても離れている貧民区まで最短距離で向かった。

怪しい裏通りもあったが、タウロの『気配察知』でそこは避けながら、シンとルメヤもいたので絡まれる事なく貧民区の入り口付近にまで辿り着いた。


この辺りになると人の気配も少ないので距離を取って見張る事にした。

タウロとシン、エアリスとルメヤの二交代制だ。


タウロが見張っていると二人の剣を下げた男達が慌てて貧民区に走り込んでいく姿が見られたのだが、その数分後にはその二人を引き連れてルヒが貧民区から出てきて急ぎ足でどこかへ向かった。

エアリスとルメヤにここの見張りを頼むとタウロとシンはルヒ達をつける事にした。

タウロは『気配遮断』を使い、シンには少し距離を取って自分を追って来る様に指示した。

これなら、自分がみつからない限り、相手はシンの気配に気づく事は無い。

相手に『索敵』系能力があってシンが引っ掛かっても、自分達をつけてないのは動きでわかるだろう。

シンはタウロを追いかけているのだからわかるはずがない。


ルヒと手下の3人は周囲をかなり警戒しながら歩を進めていたがタウロの尾行には気付く事が出来ず、商業区の一角に入っていくと、一軒の商会に裏から入っていった。


「…ここが雇い主の家かな?」


建物自体は大きくその造りから表側は長い歴史を感じさせたが、その建物の裏側は修繕も行き届かないボロボロな部分もあり、ちぐはぐな印象を受けた。


シンには距離を置いて待って貰い、タウロだけが裏から建物に近づいて壁越しに耳を澄ました。

時折、声が聞こえる。


「─が警備兵にバレた!?」


「─手下が──て、バラした──。」


「ホンマ最悪やで!今晩にも船に積んで──に売り払え!」


「───った。」


聞き取れた内容は不十分だったが、タウロにはこの商会が雇い主だと確認できただけで十分だった。

あとは誘拐された子供達を救出するだけだ。


タウロは早々に建物から離れるとシンと合流してエアリス達の元に戻った。

戻ると、エアリスとルメヤの他に、4人の知らない男達がいた。


「…どちら様ですか?」


警備兵には見えなかったのでタウロは聞いた。


「この人達は冒険者ギルドオサーカス支部のランクC+チームの『ナニワーズ』だ。」


何でもルメヤがギルドに援護を頼みに駆け込んだらしい。

聞けばルヒは賞金首らしく、この『ナニワーズ』が、不定期クエストで追っていたらしい。


「兄ちゃん達感謝やで。聞けばルヒの野郎、人攫いをやってるんやろ?こっちとしてはそんな地元の恥は、早々に捕まえて警備兵に突き出さんとな。」


『ナニワーズ』のリーダーが力強く答えた。


そういうやり取りをしていると、エアリスが「戻ってきたわよ。」と、みんなに知らせた。


見るとルヒが手下二人を連れて急ぎ足で貧民区の入り口から中に入っていく。


『ナニワーズ』のリーダーが仲間に合図を送ると盗賊職の男がその後を尾行していった。


タウロも距離を置いてついていく。

ルヒと手下達は先程までの警戒はどこへやら、安心しきった様子で一軒の大きな建物に入っていった。

建物の前には馬車が横付けされ見張りが1人立っているが緊張感は全くなかった。


「…室内に16人いますね。」


タウロが盗賊職の男に近づくと声をかけた。


「半数が子供だな。…ところで君の『気配遮断』の熟練度高いな!俺の『探索』スキルにもかからんわ!」


「…多少自信はあるので。」


「だろうな。俺の他のスキルにもかからないから、今話してる事にも違和感しか感じひんわ。」


「それは何となくわかります。…あ、みなさんのところに報告しに戻りますね。」


「せやな。ほな、頼むわ。」


タウロは頷くとみんなが待機する場所に戻っていった。



戻ったタウロは状況を説明するとその場で話し合いになり、警備兵を呼びに行く案が上がったが、相手の人数が8人とわかったので、呼ぶ為に1人欠くよりこのまま、突入して制圧した方が早いのでは?ということになった。

厄介なのはルヒ1人でルヒを注意していれば、制圧も容易だろうという結論に至った。

それに今は見張りも緩んだままだ。

その間に奇襲した方がよい。


チーム『ナニワーズ』とチーム『黒金の翼』は、それぞれ表と裏から奇襲をかける為に位置に着くのであった。

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