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12話 武器ゲット

前日の騒動でギルド内が大掃除されたので、結果的にタウロの掃除の時間は短縮される事になった。

お陰で剣の練習時間を増やせる事になったのはついている。


剣の練習は想像してたものと違い練習の大半は木剣を使った、型を反復する素振りが中心だった。


ダズ教官曰く、


「無意識に動けるくらい体に叩き込め。模擬戦はそれからだ!」


だそうだ。


他の参加者は当然ながらタウロより年上で体も大きく、冒険者になる為に我流で剣を振ってた者もいた。

タウロは剣も握った事が無い素人、他の者と違う練習は仕方がなかった。

それに、タウロと一番年齢が近い者でも15歳だった。

ほぼ倍の年齢差である。

やはりタウロが8歳で冒険者になれたのは異例な様だった。


「手続き料が銀貨十枚と高めなのは、冒険者のタグは身分を証明する物にもなり、便利だから気軽に上げられるものじゃないでしょ?それに、冒険者の質を下げない為でもあるの。死と隣り合わせだから、軽い気持ちでなられるとダメでしょ?」


それを受付嬢のネイから聞いて自分は運が良かった事を改めて知った。

そして、ギルドに貢献できる様に強くなりたいと思った。

タウロの木剣を振る腕にも力が入るのだった。




ある休みの日。

武器鍛冶屋のアンガスからお店に来るよう冒険者ギルドに伝言があったので、タウロは訪れていた。


「タウロ来たか!」


アンガスが待ってたと言わんばかりにタウロの両肩を掴んできた。

相変わらず、力が強い。


「痛い痛い!アンガスさん痛いです!」


「おお、すまん!」


慌てて手を離したが、改めて今度は手を握ると、


「タウロのおかげで今まで以上の良い剣が打てるようになったんだ、ありがとう!」


と、感謝された。


「それでだな、タウロに小剣を打ったんだが、貰ってくれんか?」


側に立てかけてあった剣を掴むとタウロに差し出した。


「もちろん、お礼の気持ちだからタダだ。」


アンガスの真剣な目つきに自然とすーっと手を差し出した。


「有り難く頂きます。」


タウロは受け取ると鞘から抜いてみせた。

まだ、小さな自分の為に重量を軽めに作ったのだろう、タウロにはそれでもずっしりするがいい重さだ。それに手に馴染む。


「ワシの自信作だ。最高の出来と自負している。」


アンガスの自信あふれる言葉に、真眼を使ってこっそり鑑定してみるとその価値が金貨で15枚の価値と出た。


「(金貨1枚約10万円だから…)150万円!?」


「ヒャクゴジュウマンエン?」


思わず出たタウロの言葉に、アンガスが復唱した。


鞘も柄も装飾の無い地味な作りなので純粋に刃の価値だろう。

真眼でさらによく見ると「敏捷+5付与」「剣技+2付与」と表示されている。


「…これって、何か付与されてます?」


「うーむ。ワシは鑑定スキルを持ってないから何とも言えんがワシの持ってる能力に、「ごく稀に付与する」というものがあってな、過去に何度か経験した感覚的には何か付与出来た手応えはあるな。お主も握っただけで何か感じたのか?」


「…いや、わからないですけど…、勘で。」


タウロは咄嗟に嘘をついた。

真眼の説明をどうしたらいいかわからなかったのだ。

それにネイが鑑定を散々させられたという話も思い出した。


「そうか、帰ったら試しにネイに鑑定して貰うといい。以前作った剣では偶然、剣技が+1付与されていて、冒険者の間でも大騒ぎになったからな。」


ガハハハ!


アンガスの自慢気な笑いが室内に響いた。


+1で大騒ぎ…、じゃあ、敏捷、剣技の複数付与はどうなるんだろう…。と、タウロは心配になるのだった。

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