表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/694

101話 魔刀の性能

翌日、タウロは朝からボブの自宅に『魔刀』を持参して訪れた。


ボブはタウロを歓迎すると家に招き入れた。


「お、それかい?知り合いの鍛冶師に打って貰ったってのは。剣とはまた違う雰囲気のあるものだな。」


タウロから渡された刀を受け取る。


「刀といいます。片刃で、剣と違って切れ味が売りです。」


ボブは頷くとその刀を鞘から抜いてみた。


「…え?」


ボブがその刀身を見て目が点になった。


「…これ…。刀身に炎を纏ってないか!?」


「はい!ボブさんの魔石のお陰で火の魔力付与がされてる魔刀です♪鞘も専用なので、火耐性が付いてます!」


「…魔刀…?…って、これ…、一級品の代物じゃないのか…!?」


ボブが慌てふためき、刀を鞘にすぐに納めた。


「一級品かどうかはわからないですが、ボブさんにはダンジョンで弓を譲って貰いましたし、折れた剣の代用なので受け取って下さい。」


タウロは笑顔で答えた。


「…はぁ、タウロ。魔が付くものは、世間では高額で取引される代物なんだぞ。これを打った鍛冶師、名匠の類のはずだ。…本当にこれ貰って良いのか?」


ボブはタウロの笑顔に呆れながら聞き返した。


「はい、もちろんです。作った本人(自分だけど)も、それで納得してますから。」


またしても、タウロは良い笑顔でボブに答えた。


「…わかった。じゃあ、頂くよ。ありがとう、大事に使わせて貰うからな!」


ボブはタウロの笑顔に笑顔で答えると、がっしりと握手した。


「…タウロが未成年じゃなければ、一緒に酒でも飲むところなんだがな。わははは!モモー!お酒出してくれないか!?」


奥の部屋からモモが顔を出すと、


「朝から何言ってるのよ。タウロ君、ご飯まだなら食べていく?」


と、いうと料理の準備を始めた。


「あ、お気遣いなく、それなら僕も用意があるので、食べて下さい。」


タウロはそう言うとマジック収納から料理を出した。


「やっぱり『マジック収納』って、便利よね…。え!?待って!これって、白パンじゃない!」


モモは感激した。

白パンは高級な食べ物だからだ。

普通は庶民には手が出ない食べ物だから、モモには憧れだった。


タウロが出したのはそれを使ったサンドイッチだった。


「はい、これも、僕からのお礼代わりなのでどうぞ!」


「至れり尽くせりだな!ありがとな。」


ボブは感謝すると豪快にかぶりついた。

モモも指先で突いて柔らかさに感動しながら、一口食べた。


「美味いなこれ!」


「美味しい!」


二人の喜ぶ姿に嬉しくて笑顔になるタウロであった。




後日の事。


「おらー!」


気合いと共にボブがオークを横薙ぎに断ち斬った。

切り口から火が噴き出し真っ二つにされたオークは炎に包まれながら絶命する。


刀のあまりの斬れ味の良さに勢い余り、横の岩に刃が食い込んだ。


慌ててボブはすぐに抜いたが、刃先が少し欠けていた。


「しまった!大事に使うと約束したのに、早速やっちまった…、はぁ…。」


ボブは『魔刀』の刃先を見てどうしたものかと悩んだのだが、


「これを打った鍛冶師とやらに直して貰うしかないよな…。」


タウロに名を聞いておくんだったと思ったボブだった。


「…仕方ない。タウロに謝って、紹介して貰おう。」


ボブは気を取り直して、村に戻る事にした。




「おーいタウロ!」


丁度、タウロ達はクエストから、戻ってきたタイミングで、村の帰り道でボブと遭遇した。


「あ、ボブさん。お疲れ様です。」


「すまん、タウロ!切れ味の良さに調子に乗ってオークを退治しまくってたら、勢い余って岩を斬って刃先が欠けてしまったんだ。これを直すのに、作った鍛冶師を紹介してくれないか。」


「そうなんですか?ちょっと見ていいですか?」


タウロはボブから刀を受け取る。


抜いてみると、その刃先は欠けていない。


「?欠けてませんよ?」


タウロの言葉に、


「そんなわけ…、あれ?いや、確かに欠けてたんだが…。」


ボブが刃先を見て困惑した。


「オークをどのくらい斬りました?」


「うん?…7体だが?」


「…それでは欠けなかったですか?」


「ああ。骨も断って真っ二つに斬れるくらいだったぞ!斬れ味は凄かったよ。」


ボブは、手応えに頷きながら、答えた。


「もしかしたらこの『魔刀』、『回復再生』が付与されてるかもです。」


「『回復再生』!?」


「刀は切れ味はいいですが、耐久度はそれほど高いとは言えないんです。それだけ斬って刃こぼれが無いのはその為かと。ボブさんが刃こぼれを確認したのに直ってるのも説明がつきます。」


タウロは自分で説明しながら、とんでもないものを作ったかもしれないと思うのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ