天才魔術師の可愛い王様
「で?私を見捨てた主様?」
千代の顔が怖い
りりと一緒に正座させられている
そんな中、茜が俺らのことを笑っている
あの野郎
「ちょこあいす、ちよのぶん」
「ありがとね。りりちゃん」
ナイスだ、りり
俺もこれに乗じて逃げ・・・
「で?主様?どこへ行くつもりで?」
「い、いやー、ちょっとドラゴン型魔導兵でも作ってみようかなーって」
「本当ですね?」
「はい」
あーやっちまった。今日一日魔導兵づくりか
「おもしろそうね。私も付き合うわ」
こいつとかー
さて、核の魔方陣はどんなのにするかな
《火竜》は・・・だめだな
ドラゴンの口から火竜が・・・
ダサいな却下
《身体強化》の魔方陣を千秋に借りるか?
《疾走》のついでに計算したことがあるからデータはあるな
装甲は普通に火炎放射器にして・・・
それじゃあ、機体に熱が帯びて爆発するな
魔方陣は炎魔法だな
アレでも使うか
「とりあえず、1型魔導兵の設計図みしてちょうだい」
「え、設計図?1型って何?」
「はぁ、最初にあなたが作った魔導兵よ」
「ああ、そんな名前付いてるの?ってかあれは、確か《憑依》の魔導兵だな。完全自立型の」
各機それぞれに違う能力持ってて、自分の意思を持っている
まぁ、ロボット界の夢を実現できたのだが、自意識を持っているせいで命令違反が多い
設計図、捨てた気がするな
失敗作のつもりだったから
「反応を見るからに捨てたわね?!あなたしか、この世で魔導兵を作れる人間はあなたしかいないのよ?自覚ある?」
「いや、あれは戦闘向きじゃないし」
「隷属魔法があれば十分戦闘向きだし、世話ロボットとしては、かなり優秀よ」
確かに・・・
俺って前にも言われたことあるけど、研究者失格なのでは?
「まぁ、いいわよ。じゃあ、最近作ったって噂の2号機は?」
《疾走》は、アレク〇とかSir〇みたいな一定の言葉しか理解できない代わりに、戦闘能力に特化している。
最初と違って、作る部品わかってたからなぁ
必要材料の計算が終わった瞬間、部品に割り当ての計算して、加工するだけになるからな
「設計図、作ってない!」
「あほなの?」
「すいません。でも、ドラゴン型のは魔導紙を複数使うつもりだから、設計図を作ることにするよ」
「当り前よ」
魔導紙は3枚かな
壊れないように、《身体強化》
脳の役目を果たさせる《憑依》
最後にあの魔法
使う材料の量の計算は、あの魔法だけか
とりあえず、設計図を作ってみるか
えーと、三つの魔導紙を別に作って、《憑依》に接続させる
こんなもんだろ
「できたぞ」
「まさか適当にやったわね?って、うそでしょ。ほぼ完璧。なんでこんな短時間で。さすがは国の誇る天才ってところね」
初めて、茜が驚いた顔をする
「まぁなー。」
茜が、隷属魔法の場所を計算すしている中、りりのことを聞く
「・・・なぁ茜、鬼が支援魔法を使うことってあると思うか?」
「ありえないわよ。鬼は、群れないわ」
だよな。りりはわからないしか言わないからなぁ
「もし、鬼がもともと群れる種族で、何かが原因となって群れない種族となり、支援魔法を使える鬼が全滅したって考えは可能か?」
「まぁ、ありえなくはないわ。でも、もし、そうだとしたら人間はとっくに滅ぼされて、こうやってこの世界を支配しているのは人間ではなく鬼のはずよ」
「そっか」
りりは、何者なんだろうな
「できたわ」
「じゃあ、作るか」
「普通、こんなに早くこんなすごいもの作れないわよ」
「そんなもんなのか。まぁ、あとは任せた」
「ふざけるな。私も疲れたから千代ちゃんを愛でるのよ」
まぁ、それもそうだな
これで当分、働かなくて済むわけだ
とりあえず、りりの研究の方もやってみるか
研究室を出て、リビングのソファーに寝っ転がる
なにかの重みで目が覚める
「おつかれ!あるじ」
俺の腕の中にりりがいた
い、癒される。
「歌、歌ってくれるか?」
何言ってんだろ俺
「いいよー《♪♪♪♬♪♪♬♪♬♪♪♪♬♪♪♪♬》」
りりが、笑いながら歌いだす
すげぇ、疲れが取れる。癒しの歌魔法ってところか
ほんとにいい召喚獣だ
一応録音しとくか
そーだな、アイドルでもやらせるか?何言ってるかわからないけど歌声がきれいだからなー
将来、顔もよくなることは確定だからな
どのくらい、稼げ・・・売れるかなぁ
あんま変わってないな
と考えているうちに眠りに落ちてしまいそうになったが
千代の悲鳴で、目が完全に目が覚めた
りりを持ち上げ、下ろし
千代の部屋に走り、ドアを開ける
「大丈夫か?」
「助けてください」
着替え途中だったのか、下着のまま茜に襲われている
「ああ、すまん。取り込み中だったか。見てないから安心しろ」
「助けてくださいー」
「すまん無理がある」
「りりー」
俺がだめだとわかったようでりりに助けを求める
「りり、このひとこわい」
「だそうだ。とりあえず、りりの歌の解析してくるからあとがんばれ」
「主様ー!!」
俺は、パタリとドアを閉めて、リビングに戻る
りりが眠そうだったので、俺は自分の部屋の寝室にりりを寝かせ
研究室に再び向かう
そして、録音した歌を流すと変な言葉で歌っているだけだった
いや、上手いことには変わりないのだが、癒される魔法の効果はなかった
もし魔法を使ったとしても、その効果も同時に録音できているはず
だから、魔法を使っていない。ほかの効果
それは、一つのみしか考えられない
俺は、自分の寝室へと走り、ベットで寝ている、りりの喉を触る
「やっぱり、魔方陣を使った形跡がないな」
つまり、りりの喉自体が魔方陣の役割をしているってことだ
特異体質だな。
当然のように話していたので見逃していたが、まず鬼が人間の言葉を話せるわけがない。それも言語魔法かなにかなんだろう
だが、なぜ、人語を理解できる?耳にもなにか特異があるのか?
まぁ、それは置いておいて
言語魔法をずっと使っていたということは、喉の負担は大きいはずだ治療しなきゃいけない
気づくのが遅かったら危なかったかもな
鬼の特異体質・・・
魔物が特異体質を持った場合、その魔物の種族の王になる
SSS級の禁忌指定
りりが鬼の王ね
可愛すぎる王様だな
どうするべきか
鬼の王は危険だが、自分の娘のような存在でみんなのアイドル
もう家族だ
選択肢は、もう一つしかない
「俺が守ってやるぞ。かわいい王様さん」
りりが暴走したときは、その時考えよう
ってか、こんな歯の浮くような言葉、俺に似合わねーな
恥ずかしくなってきた
しかし、また守るものが増えてしまった