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追放された天才魔術師は帰りたい  作者: レ
天才魔術師
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天才魔術師の学校生活

「あ、あの、サインもらってもいいですか?」


魔術兵ナンチャラ校の女子から声がかかりサインをするたび、千代がにらんでくる


「千代、これ俺は悪くないと思う」

「あんだけデレデレしといて何を言いますか」

「仕方ないじゃん。俺有名人だし、モテるからなー」

「今夜は、ミノムシか」


ほんの少し調子に乗っただけで不穏なワードを呟きだし、昨日の飯を思い出してしまう

苦くて、食べた後に残る舌の麻痺する感覚

考えるだけで身震いする


俺は迷わず、千代にスライディング土下座をした


「すんません」


千代は、ゴミを見るような目をしていたがおそらくこれで夕飯に虫が入ることはないだろう。

献立選択権を千代に渡してるといつ死ぬかわからないな


それよりもうすぐ、9時なのだが石川が来る様子はない


「帰るか」

「そうですね。ここにいたという証人も主様が豚どもにしたサインもできたことですし」

「ファンを豚扱いしないでくれる?」

「後で出品されるのがオチです」


ちょっと傷ついたぞ

ここ1週間はまじで出品サイトとか見ないわ


いつまで経ってもこないから、帰ろうと校門を出ようとした瞬間


「待ちなさい」


石川がやっとやってきた


なんかめちゃくちゃ堂々としている


「遅く来た割には、偉そうだな」

「私は、ここの理事長だ。生徒を待たして当然だろう」

「意味が分からん。なぜ、それが人を待たしていい理由になるのか教えてほしいな理事長殿?」


周りが俺たちのことを見て騒がしくなる

当然だ。国で一番の学校の理事長と魔道兵を生み出した・天・才・研究者の魔術師がメンチ切ってるからそりゃ物珍しいし、何事だ?!とはなるわな


「主様、恥ずかしくなってきたので、室内に行きましょう」

「そうだな。それで?研究室はどこだ?」

「君たちは普通のクラスに入ってもらう」


は?

この学校は名誉アップのため、俺がこの学校に入学することを頼みにきた立場


普通なら、授業などは与えられず、教室が設けられるはず

だって、在籍しているだけでいいから


なのに、俺らに授業を受けろとこいつは言っている


今更学ぶことなどない


「クラス?学ぶことなんてないだろ。それに研究じゃなかったら俺がここにいる意味ないだろ?」


そういうと、石川は偉そうに腕を組んで口を開く


「はぁ、そんなこともわからないのか。お前が生み出したのは魔導兵を戦闘経験によって改良すれば、魔導兵の戦力が莫大に上がる。そのうえ、魔法に《勇敢》《絶望》《癒し》の3種類ある中、お前の魔導兵は自分の属性である《絶望》でしか魔導兵作れてはいないではないか。これだと《癒し》属性の魔法にめっぽう弱い。クラスで《勇敢》と《癒し》の属性使える助手でも見つけられ、協調性というのもお前に叩き込めるからな。クラスにいることによって魔導兵の性能が上がるのは確実だろう」


説明長いし、自分が作ったわけでもないのにどうして作った本人に自慢げに語れるのかな


「お前のクラスは1-Cで、小紫 千代は1-Dだ」


という石川と話をようやく終わらせられるタイミングを千代がぶち壊した


「おかしいです。なぜ、主様と同じクラスではないのですか?」

「さっきも言ったようにこいつの協調性を高めるためだが」

「・・・陰謀が見られますね。私が同じクラスならともかく、違うクラスなら私がこの学園にいる意味はありません」


あまり他人とは話さない千代が単調に言葉を並べ、同じクラスになろうとしてくる

その忠誠心はうれしんだが、こいつほかの女の子としゃべると飯が虫になってしまう


少し癪だが、石川に協力せざるおえない


絶対に違うクラスにならなければ


「千代。気持ちは、ありがたい。だが、証拠もない。これを機に俺をだれからも守れるように精進してくれないか?」


俺は、すがすがしい屑だ

なんとでも言え

それはわかっている。だけどこの気持ちはわかるまい

妹と千代以外の女に触れたことは疎か1分以上話したことがない


引きこもりの研究者ではあったけれども、千代を女として見れねぇよ家族だし。普通じゃなさそうだし。

俺は、普通の女子と話してみたいという気持ちは一切ない

ここは主張する


虫を食べるのが嫌なだけだと


「そうですか。わかりました。主がそういうなら」


すまない


「じゃ、職員室行って、自分の教師探して挨拶してこい。お前らにかまっている暇はないからな」

「まだいたのか?お前。自分が用済みだとわかってもういなくなってるかとおもったわ」

「・・・私は寛大だ。それぐらいでは切れん」


と背を見せ、理事長室へと消えていった


                *


「はーい、みんな注目。転校生だよー」

猫耳をつけた女が教師とは、教育機関も末期だな


「西園寺 空良です。よろしく」

「「お、おぉ」」


クラスメイトから感嘆が漏れる

一応大物扱いのようだ

ボッチ確定だな


「じゃあ、君の席はあそこね」


一番後ろの窓側。いわゆる主人公席だな

隣は、うむ。不良というやつか?ぐっすりと眠っている

ここの授業は爆睡するほど退屈なのか?


「んー?千秋ちゃん?なんでー寝てるのかな?」


猫耳教師が爆睡娘に問いかける


「・・興味・・・ない・・・・早く授業・・を・・・・」

「はぁ、仕方ないわね。今日はデュオでの戦闘訓練予定だから、転入生君と仲良くしてね」


と教師の個人的な事務報告を聞き終わる前にぐっすりと寝てしまった

こうして甘やかしているから、こんな風になってしまうのではないのか?


待て。デュオだと?

俺がこいつと?


「各自、校森前に集合」


教師は教室から出て行ってしまった


すると生徒たちが集まってきた


「どうやって、魔導兵生み出したんですか?」

「なんで学校でも白衣来てるの?」

「さっき、理事長と話してたよね。何話してたの?」

「戦闘とか研究者なのにできるのか?無能だったりして」


あ、これ面倒くさいタイプだ

最後のを除いてこういうの記者会見とかでやった気がするなぁ


帰りたい

さっきはごめんよ。千代

助けて


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