天才魔術師の剣士
デパートの帰り道、俺は確信した
「俺、用事あるからりり連れて先帰っててくれ。」
「あ、はい。わかりました」
「りょうかい!!」
りりの頭を撫でると
千代が、目をキラキラしていた
だから、感謝を込めて千代のことも撫でてあげた
すると、千代は嬉しそうに、りりを連れて帰って行った
「やられたらやり返すのは、基本だよな」
*
「りり、今日は夕食、ハンバーグにしましょうね」
「はんばーぐ!」
デパートへ歩く。
しかし、歩けば歩くほど遠くなっている気がします
「幻術の類でしょうか」
「げんじゅつ?」
「少し違う。お前の主はおそらくわかっていたがな」
「主様はすごいですから」
この魔力、鬼ですね
りりだけは、守らなくちゃいけませんね。
「もし、りりに何かあったら、主様が悲しみます。あなたが、主様の言っていた鬼ですね?」
千代が刀を構え、聞く
「おそらくな」
「今年で一番うれしい時によく来てくれやがりましたね。」
「知らん。あいつがいない今が好機なんだよ」
主様を恐れているのか、鬼が少し震える
「くしざしになって、ばらばらになって、ちり?になって、だるまさん?になったひと!」
あ、主様容赦ないな
鬼が震えている
「あいつは、鬼以上にやばい奴だ。頭がおかしいとしか言えない」
「・・・いいえ、主様は優しい方です。いつも私たちのことを家族のようにふるまってくれます。私は従者なのに敬語をやめてもいい、ため口でもいいと言ってくれたこともあります。ちょっと、意地悪なところもありますけど、あの人のことが大好きです」
「何言ってんだ、お前。さっさと女王様を渡せ。そしたら、命だけは助けてやる」
「大好きな主様を危ない目に合わせたあなたを許さない!!《千舞流 千太刀》!!」
意識を極限まで高め、身体を限界まで強化し、1秒に最高で86回切りつける
しかし、流石は鬼といったところ、すべて受け流されてしまう
「はは、お前も人間かどうか疑うレベルだな」
「主様と一緒で光栄です」
「頭沸いてんな」
すこし、うれしかった
じゃなくて、この鬼、主様を侮辱して
「《♪♪♪♬♪♪♬♪♬♪♪♪♬♪♪♪♬》」
りりが歌いだした
「女王様!!なぜですか。命令されているのですか!?」
力が湧いてくる
今なら・・・・・
「くそぉっ」
鬼の連撃をかろうじて避ける
余波で後ろにあった建物が崩壊していく
「クソガキがぁ、《夜桜》」
黒い桜吹雪、見たことがある・・・主様の魔法だ
訓練の時、主様に何度も撃ち込まれたことがある
この魔法は、危険そうな見た目をしていて回避は不可能。
だが、一つ最大の欠点がある
それは、大きい見た目をしていて、回避や逃げることによって大きなダメージが入る魔法
台風を模倣したような魔法
だから真ん中は、空洞になっている
一番、ダメージが少ない回避方法は
直進!!
「《千舞流 千閃》」
夜桜を突き抜けて、鬼に切りつける
鬼の体を切り刻めた
勝った
首を切りつけようとするが
鬼の体はすぐに再生してしまう
「お前は強いが主には及ばないな。お前の主は勝利を確信しても油断はしなかった。再生することも想定して、俺のことを燃やし尽くしやがったんだあいつは。お前は、主の恥だな」
鬼が殴ってきた
とどめを刺す直前だったため
躱すことは不可能だった。
刀でとっさにガードするが、刀が折れてパンチを溝に食らってしまった
血を吐き出してしまい、飛んで行ってしまう
「ねーね!!」
最近、千代って呼んでたのにうれしいなぁ
「いやっこないで」
りりに近づくな
「ねーね!」
力が足りない
主様のそばにいたら安心できる、守ってあげられるって思ってたのに・・・
こんなに無力だったなんてね
主様は、私は私のままでいいって言ってくれたことがあったけど
「嫌だよぉ」
だめだ、泣いてしまう
主様、ごめんなさい
りりを守れませんでした・・・




