天才魔術師の異常な模擬戦
学校の放課後
魔導兵を縮小したキューブを千代から受け取り、校庭に出る
「よく来たな。」
「お前が呼んだんだろ。」
「俺の誇りにかけてりりを守る」
「人の娘の下の名前を勝手に呼ばないでくれないか?」
隠れるりりの頭を撫でる
「りりに触るな!」
異常者は、拳を構え突進してくる
「おいおい、危ないな」
「りりから離れろ」
無茶言うな、さらわれたらどうすんだ
「お前が来ないなら、俺がぶん殴って更生させてやる」
更生って、こいつ何様だよ
どっちが更生する側か思い知らせてやる
「実験開始だ」
俺は、キューブを投げつけ
それをドラゴン型魔導兵に変換させる
「こんなもの!!」
魔導兵を殴りつけアンチマジックの力で壊そうとするが、核が魔方陣というだけで他は普通に金属だから殴ったところで痛いだけだ
「相性最悪ってわけだ」
異常者が逃げ惑う
「卑怯だろこれ」
「一種の武器だ。アンチマジックだって卑怯だろ」
「くっそ」
なんか俺、悪役みたいだな
魔術を教えることで彼の中の『俺の力は、助けるべき女の子のためにある』とかいう痛々しい妄想を吹き飛ばして『国のために、俺の力を使う』に変えてほしいとか言っていたが
単なる洗脳だな
悪役の立ち位置は、洗脳にはあまりよろしくない
ってか、洗脳とかあんま好きじゃねぇんだよなぁ
されてたことあるし、主に石川に
「りりが俺のところにいることを嫌がっていたか?それをみたのか?」
「嫌に決まっているだろう。りりだって親元に帰りたいはずだ」
意味不明な奴だと思っていたが、意外と筋は通っているな
「親元に帰りたいとりりは言っていたか?それ以前にりりの何を知っている」
「・・・」
「見たものだけで妄想して勝手に否定する。情報の重要性を理解しろ」
「女の子が、嫌がっていたら止めるのは当たり前だろ」
すごいこいつ主人公っぽい
あほだけど
勢いがすごすぎてりりがしがみついてくる
「りりから離れろー!」
「ひっ」
りりが悲鳴を上げてしまう
「ドラゴンの魔導兵なんて今ぶっ壊すからね。待っててりり」
こいつに本当のこと言ったら
死ぬだろうな、恥ずかしさで
「《雪化粧》」
ドラゴンの魔導兵が凍り付いた
俺の作った魔法である
流行りすぎじゃね?
しかも、《雪化粧》は綺麗だから観賞用として作ったつもりなんだけど
教師陣じゃなくて、俺に洗脳を頼まれたわけが分かった気がする
「りりを離せー!!」
異常者が殴りかかってくるので、避ける
「武術でも習え、そんなものすぐ避けられるぞ」
「うるせぇ!!」
「はぁ、ドラゴン型魔導兵。やれ」
ドラゴン型魔導兵を《雪化粧》をぶち破る
「な、《雪化粧》を破った?」
俺たちは、異常者から距離をとる
「ドラゴン型魔導兵。ブレスだ」
ドラゴン型魔導兵が出したブレスは、地面を溶かし溶かした地面が大爆発した
その余波で、校庭をぶっ飛ばしてしまった
「あ」
やりすぎた
当然、異常者も気絶してしまって
一応、勝利した
「しょうりしょうりー」
「そうだな」
動揺しながら、りりの頭を撫でてあげると
校内にキンコンカンコンと音が鳴り響く
「えー、西園寺 空良。西園寺 空良。理事長室へ」
説教タイムだな。
だって、こんな威力出るはずじゃなかったのに
ちゃんと、隷属魔法もかけてもらったのに、なんだよこの威力
ため息をつきながら、理事長室に行くと
石上が眉間にしわを寄せて待っていた
「で?なぜ、異常者の洗脳のための決闘で校庭を吹き飛ばしたのか聞いてあげよう」
「強すぎるのがいけないんだと思う。軍用の魔導兵だからな」
眉間のしわだけでなく、唇にもしわが寄った
「では、なぜそんなものを学校で使ったのか聞いた上げよう」
「お前の学校だから、実験場としてつかった。魔導兵のためにこの学校に入れたんだから、このくらい目をつむれよな」
「ま、まぁ、いいでしょう。その代わり、君にはペナルティとして、合同任務に行ってもらいます」
「は?」
こいつ、任務に紛れて俺を殺そうとしてるな
「ペナルティだ」
「ま、いっか。で、俺一人で行けばいいのか?」
「旧石川クラスのメンバーだ」
2-1ってまさか
「君と秋葉 美多と田沼 健斗、小紫 千代の4人だ」
「却下」
「ペナルティだからな」
「やらなきゃ、国が君を滅ぼすことになる」
うわぁ、無理無理
「よろしくね。空良」
ビッチが入ってきた
「一週間ぶりだな元親友」




