天才魔術師のうざいドS
「なんで毎回私は、なにもできないのでしょうか」
クラスが違うからとか言えない
俺が進めたことだったし、女の子目的だったし
「ち、千代にはいろいろ世話になってるから、大丈夫だぞ?」
「なぜ、今日に限ってスト・・・監視をしていなかったのでしょうか」
おい、今こいつなんて言った?
あっ心配してくれてるだけか。うん
ん?ちょっと待った、俺の索敵魔法に引っかからないのはなぜだ?
「いつもどこに隠れてるんだ?」
「そ、それは秘密です」
ま、まぁいいか。
俺が見つけられないってことは、敵も見つけられない
敵の不意をつくには効果的だからな
「もう。それに、主様はなぜ炎系統と補助の魔法しか使わないんですか」
「え?い、いやぁ」
「まさか・・・石川に何かされたのですか?」
うぐっ。実は、魔法を封印されたなんて言えねぇ
むかし、学校のクラスメイトに、魔法実験ってウソつかれて
そのくっそドSな女に奴隷にされそうになったなんて
あ、思い出しただけで腹立ってきた
あいつがあんなことしなけりゃ、追放された時だって、今だって、苦労しなかったのに
今度会ったら消し炭にしよう
「そ、そんなわけないだろう。かっこいいからだよ。そ、それと、相手を焼くほうが楽しいじゃないか」
何言ってんだ俺
「主様はS傾向っと」
おい、今何メモした
「・・・やっぱり、慣れないものですね」
「え?なにが?」
切なそうな顔して千代が俯き、寝ているりりの顔を見る
「今日は、いつもより不安になってしまいました。かわいい妹もいますので」
「すまなかった」
「主様の責任ではありません。すべては石川が悪いんですよ」
あれ?俺こいつに、今回襲ってきた相手は鬼だったって言ったはずだぞ?
「石川殺す、石川殺す」
まぁ、いっか
石川だし、確かに追放さえされなきゃ狙われていなかったかもしれないな(思考放棄)
「あっ帰ってきたのね」
ロリッ子のぉ・・・茜が、いた
なぜか怒りを感じたので思考の中だが、訂正する
「材料がぴったりそろったから、組み立てるわよ」
えぇ。
千代が、話の邪魔をされたからか不服そうな顔をしている。
「疲れてるから、寝ていいかな。」
面倒だなと思いつつ茜から目をそらす
「あなた、今日学校早退したわよね?」
うん。帰ってゆっくり休むつもりだったよ?
鬼が現れたんだもん仕方ないじゃん
「あ、そうだ。鬼が人間社会に紛れ込んでるってあり得ると思うか?」
「え、急に何よ。あり得ないに決まってるじゃない。怖いこと言わないでよ」
「りりの前では絶対言うなよ?」
「ええ、当然よ。それにしてもこの子が鬼だなんていまだに信じられないわ」
まぁ、茜に関しては、敵だったとしても、りりのことを心配する必要はなさそうだな
俺にならともかく、千代やりりに危害を加えることはないだろうからな
「ま、しゃべってる暇あったら、研究室にきなさい」
放置されたせいか千代が拗ねている
「なぁ、今日は千代の好きな食べ物、夕飯にしてくれ」
「あ、はい」
*
翌日
妙に、千代がくっついてくる
ドラゴン型魔導兵は作り終わった
だけど、徹夜明けだから気持ち悪い
「ちょっと、離れないか?」
「私は、主様が優しいことをだれよりも知っています」
「りりのほうがしってる」
離れろという要求は無視ですかそうですか
それにしても右手にりり。左手に千代
こうすると、家族みたいになるな
茜が嫉妬の目を向けてくる
「家族には、入れてやらないぞ」
「なにあなた気持ち悪いわよ」
気持ち悪い・・・だと
赤の他人だし、勝手に妹だとか娘だとかは気持ち悪いか。
そうなのか
「やっぱり離れるぞ」
と言って離れようとすると、索敵魔法に急速に接近してくる者が引っかかった
「離れろ、敵だ!」
みんながはっとして互いが邪魔にならない程度に距離をとる
春姫だろうなとは思いつつ、一応構えるが揺れる長い黒髪で違うと判断する
見覚えのある黒髪に怒りが芽生えた
「《火竜》」
「あ、主様。だめです。相手は人間ですよ!殺しちゃいます」
「こいつは殺ってもいい人間だ」
「だめですよ。今度は冤罪じゃなくて普通に犯罪です。追放されちゃいます。とういうより、なんで無表情なのにそんな怖い顔できるんですか」
二度と忘れない。
「追放されようがもう構わないぞ?俺は。家でぐうたらできるんだし、前と違って学校に愛着とかないからな」
「処刑されちゃいます!!」
「りり、海外で行きたいところとかあるか?」
「殺る気満々ね」
茜が他人事のように、呟いたため。
千代が焦って、茜の説得に回った
「今だ!死ねぇ!!」
火竜を全力でぶつけるがよけられてしまう
「いけない犬ね。そんなあなたも好きだわ。今、ご主人様の顔を思い出させてあげるわ」
「このドSビッチが!!」
防御魔法を展開し、ドSビッチを近づけさせない
「お前は黙って、俺の封印とけや!!」
その黒髪の女の正体はやはり追放された学校でのクラスメイト
魔法バカだった昔の俺をだまし、魔法を封印し。解いてほしくば、私の奴隷になれとかほざいた頭のおかしいクソドSビッチ
「いやよ、あなたに隷属魔法かけさせなさい。」
俺が隷属魔法を嫌う最も最大の理由はこれだ
あー殺してぇ
「私は、今でもあなたのことが好きだわ」
「俺は嫌いだぞ?俺を奴隷にすることを即刻諦めて、封印解け。ってか、アホじゃねぇの?自分の魔力を代償にして俺を手に入れようとか」
「愛の力ね」
「すげぇ、ゆがんでるな、一周回っても気持ち悪い。近づくな」
クソドSビッチが、切なそうな顔をする
そんなこと、お構いなしに攻め立てる
「私は空良が欲しいわ」
「封印なんかしなかったら希望はあったかもしれないな」
「あの、主様。魔術を封印されたのですか?」
やべぇ、さっきウソついたばかりにいいづれぇ
「あ、よく見たら、美多さんじゃないですか」
「千代ちゃんか。久しぶりだね。空良の魔術を封印したのは紛れもなく私よ」
「何を言ってるんですか?主様は恋愛対象ではないとおっしゃっていたじゃないですか」
「ウソに決まってるわ。あんな研究熱心な姿を見て私のものにしようとしたの。でも、誤算だったわぁ。そんなに私嫌だったかしら?」
嫌に決まってるだろう
隷属?支配?冗談じゃない自由な時間が無くなるだけじゃないか
無理無理
「今度、俺に話しかけたら容赦なく塵にするからな」
「はぁい」
こいつ、話しかけてくる気満々じゃねえか




