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就職先は閻魔大王!?  作者: 小山式神
3/3

出会い

一週間後

俺たちは羽田空港に来ていた

依頼人と会うためだ

今回の依頼は違和感が3つあった

まず初めに服装

家族全員いつもの服装で出迎えて欲しいとのこと

普段着でもかなり丈夫な服はあるのだが、やはりいつものスーツに比べて防衛力と動きやすさに欠ける所がある

万全の体制で任務に付きたかったが依頼人の要望ならば仕方ない

2つ目に設定

今回はうちにホームステイするという設定である

普通なら来日し、外交という名の日本観光になるのだが、今回に限ってはホームステイ設定のようだ

3つ目に相手の人数

依頼人はお姫様と執事とメイドの三人でくる

あまりにも少なすぎる

普通なら何百人規模でくるのだが、たった3人

しかもお姫様を日本に連れてきたら二人はそのまま帰るそうだ

この3つの理由で俺はヤバい予感しかなかった

(よくこの仕事を受けたな)

親父なら断ってもおかしくない案件だが、こんな条件でも引き受けたのだ

チラッと親父を見たがヤバそうだ

愛花と優花と話しているのだが焦点があってない

(そんなにもヤバいのか?)

親父の挙動不審は護並みにヤバくなっている

(これはスーツじゃなくて正解だったかもな)

私服だからなんとか変な人に見られないんだろう

スーツだったら完璧アウトだな

今回の設定上、ホームステイ先の優しいファミリーでここを乗り切る

その後はお姫様にしたがって行動するとのこと

その先は聞いていないというか親父が言わなかった

問い詰めても答えない所をみるとそこが今回の重要事項だと俺は思う

お袋にサラッと聞いたがお袋も知らないとの事だ

何を隠してるかますます知りたくなったが、まもなくお姫様が乗った飛行機が到着する

「最初はどんな感じで接するんだ?」

俺は当たり障りのないこと親父に聞いた

「あちらからはフランクに接してもらいたいと聞いている、名前は偽名ではなくアリーヤで読んで欲しいとの事だ」

「そこまで警戒しなくて大丈夫なのか?」

流石に驚いた

普通は偽名を使って身元をばれないようにし、偽造パスポートを作るのだが

「今回はホームステイが設定だからな、その方がいいとの事だ」

目がスイミングしている親父

ここら辺がまだ言えない事か

未だにモヤモヤする気持ちを抑え到着ロビーで待つことにした



数分後

自動ドアから執事、メイド、女の子が出てきた

相手方がこちらに気づいたようで

「これはこれは近衛家の皆様、お初にお目にかかります。私はお嬢様の執事をやっておりますジルと申します。後の事はお任せしますね。」

ゆっくりと親父とジルさんは握手した

「こちらこそよろしくお願いいたします。お嬢さんをお預かり致します。」

ジルさんは初老に入ったかなと思う顔だが、背筋はしっかり真っ直ぐで足さばきが一般人のものと全く違っていた、相当の手練れだ

「お嬢様、荷物を持って参ります。」

軽くお辞儀し荷物カウンターの方に戻っていくメイド

彼女は俺とほとんど年が変わらなさそうに見えた

顔立ちも整っていてキレイな人だ

しかし、足さばきや体の軸を見る限り彼女もかなりの手練れだ

「アリーヤよ、これからお世話になるわね。」

「こ、こちらこそよろしくお願いするね。」

親父はかなり緊張しながらの握手をしていた

金髪ロングで白いワンピースをきているアリーヤ

パッと見ただけでも高価なワンピースだと分かる

手には日傘を持っており、その白い肌を焼かないために装備してるみたいだ

「家族の紹介はあとにしようか、先にアリーヤをうちに招待しないとね。」

「わかったわ、今、メリーが荷物を持ってくるわ」

親父の判断は正常に動いていた

こんな人混みにいてはいつ襲われてもおかしくない

俺たちは自然な感じでアリーヤの周りを護衛している

「お嬢様、お待たせいたしました。」

流石メイドさんは仕事が早いなと思って荷物を見て固まった

「こ、これは?」

親父もかなり引いている

それもそのはずだ、荷物の量を見る限りニトントラック一個分位の荷物を持ってきていた

「私の荷物よ、かなり少なめにしたから運びやすいと思うわ」

笑顔で言うアリーヤは軽く胸を張った

偉いでしょみたいな感じだ

「そ、そうですか、護が荷物を運びます。」

「は、はい」

護は緊張しながらも仕事にとりかかった

護は荷物を一つずつ持ち上げると自分の横の空間にしまい込んだ

ユニークスキル「アイテムボックス」だ

容量無限のアイテムボックス

護さえいればいついかなる時でも物を出し入れできる

「これは見事ですね」

アリーサはまじまじと見つめてた

「護が荷物を積める間に少し説明があります。」

親父がアリーサを少し壁際に連れてなにやら話していた

「兄さん、荷物をこっちに集めて。」

「分かった」

「アイテムボックス」は護が触れて入れないと入らない

いちいち移動して入れるのは効率が悪いので、俺が護の周りに荷物を集めてる

お袋、鏡花、愛花、優花は周囲を警戒をしている

俺も周囲の気配を警戒してるが、今のところ問題はない

アリーサの荷物を護の周りにせっせと集めて、護は「アイテムボックス」に詰め込む作業を繰り返してる

十分もすればきれいに詰め込んだ

「あら、きれいに荷物がなくなってるのね」

アリーサは親父の説明が終わったらしく、こちらに話かけてきた

「えぇ、後はうちに運ぶだけですが、量が多いので使いそうな物だけ出そうと思ってます。」

「分かったわ、頼むわね」

素晴らしい笑顔で了解してくれた

なんかなんというか

(これが、かわいいってやつか)

ボケっとしてると

「いたぁぁ!!!」

「鼻の下が伸びてるよ兄さん」

殺意がめちゃくちゃ込められた笑顔の鏡花に、足を踏まれた

しかもヒールだ

「の、伸びてねーし」

さながら中学生が言い訳しそうな感じだ

「ふん」

なんで鏡花の機嫌が悪いか全くわからん

「仲がよろしいのですね」

ニコニコのアリーサ

「そんな事ないですよ、よくわかんない事が多いです。」

これは本音だ

最近は特によくわからん

愛花と優花は毎日ふざけて俺に絡んでくるが、鏡花はなぜかたまにキレる

全くわからん

風呂できいたら

「兄さん、デリカシーって知ってる?」

マジで説教されそうな顔で言われたから平謝りだ

「ふふ、お兄さん思いのいい妹さんですね、うらやましいですわ。」

なぜか悲しげな表情をしている

なんか思い詰めてる感じだ

「よくわかんない妹ですよ。」

聞いていいかわからないが、触れないでおいた

「そろそろ移動しますよ」

親父が先導し車に乗り込んだ

うちの車はワゴン車なのだが、装甲はかなり固い

職業柄、人を護衛するので盾代わりに使えるのだ

うちの車で依頼人を乗せたりするので頑丈に作られた

何回か事故をしたらしいが無傷だったとか

見た目が普通の装甲車とかただの嫌がらせだろ

そんな事を思いながら流れていく風景を見ている

現在、女性陣がガールズトークに花を咲かせている

アリーサの国の文化やこちらの文化、化粧の違いやスイーツの話で盛り上がっている

もちろん、男性陣は全くついていけないので外の風景を楽しんでいる

親父は運転に集中している

俺は風景を見ながら今回の依頼を考えることにした

今回厄介なのが敵が明確にわからないこと

ストーカーや痴漢などは対象が大体わかるので対処が簡単だ

しかし、今回は敵が分からない

もしかするといないかもしれないが、やはり一国のお姫様がいると考えると厳重警戒が必要だ

自ら安全圏から出てくれたのだ、チャンスを見逃すはずはない

テロリスト、暗殺者辺りが今回の敵と考えていいのだろう

見分け方は簡単だ

日本では銃刀法があるので獲物をもっているやつ、妙に気配を消してる奴を蹴散らせばいいだけだ

(まぁ、警戒心を忘れないことだな)

そんなこんなでうちに着いた

「結構広いお家ですね」

「そんなことはないですよ」

親父が謙遜しながらリビングへ案内した

アリーサの実家を見た事ないがやっぱりお城や王宮みたいなところに住んでるのかな

リビングでまずは作戦会議だ

今後の行動予定や護衛方法などを打ち合わせるためだ

「では、作戦会議を始めます。」

いつも通り親父が司会進行

「今回は大体の話がついてるのでなにか質問は?」

「今回の護衛期間はいつまで?」

聞きたいことは今のうち聞いとかないとな

「分からん、詳しくは話せないがそれなりに長い期間の護衛になると思う」

珍しいケースだ

普通は護衛期間が決められているが、稀にある

今回がそのケースなんだろ

「アリーサの泊まる場所は?」

「?うちだが?」

「は?」

まさかの事態に驚く

普通は用心警護の為に貴族や王族が使う宿泊施設がある

セキュリティ万全、衣食住が完璧な施設が何か所かある

アリーサをそこに泊めて周囲を俺らが警護するのが一般的なのだ

「言ったろ、ホームステイだって。」

「……あれはカモフラージュじゃないのか?」

なんか嫌な予感がする

「今回はリアルガチなホームステイだ、期限は特になし。」

「……わかった、部屋は鏡花と一緒だろ」

近衛家では兄妹は一人部屋(愛花、優花を除く)である

親父達の部屋はさすがに嫌だろう

同性の鏡花が無難だ

「そのことなんだが、盾護の部屋で頼む」

「………は?俺はリビングで寝ればいいのか?」

現実を見たくない俺はリビングで寝る事を申請

「護衛するのだから一緒の部屋で寝るだろ、兄妹の中でお前が一番強いからな」

親父からの死刑宣告

「……俺に死ねと?」

「まぁ、これもいい機会だ、そろそろ女性を克服しろ」

「よろしくお願いしますね盾護」

もう逃げ場がない

鏡花はなんか機嫌悪いままだし

愛花優花は指さして笑ってるし

お袋はいつも通りだし

護は自分にじゃなくてよかったみたいな顔してるし

アリーサはニコニコしてるし

(……もう逃げれねぇ)

天を仰ぐ俺は覚悟を決めるしかなかった

「……わ、分かった……」

蚊の鳴くような声でしか返事できなかった



その夜

俺は生命安元装置(輸血マスク)を常につける事にした

なにがあってもいいように備えておかないとな

魔改造された俺の部屋を眺めながらそう思った

なんと言うか、魔改造された俺の部屋を見てため息しか出なかった

元々、物を置かない主義で必要最低限の物しかなかった

ベット、タンス、机、本棚、テレビ台、テレビくらいしかなかった

魔改造隊(鏡花、愛花、優花、護)はアリーサの指示により部屋を改造していった

一時間もかからないうちに俺の部屋の原型はなくなっていた

もう完璧女の子の部屋になっていた

簡易クローゼットや姿見、化粧台、オシャレベット等々

完璧俺の部屋ではなくなった

俺の荷物は何とか機能できる程度に部屋の隅に追いやられていた

(……俺の部屋が……)

物が少なかったとはいえ、自分の部屋がなくなったのはショックだ

「………聞きたいんだが、なんでベットがくっついているんだ?」

受け止めたくない現実の二つ目を聞いてみた

「「すぐ動けて守る為にはしょうがないよねぇ」」

完全にハメられた

魔改造するときに俺を呼ばなかった理由が分かった

(こいつ等、完全に俺で遊んでいやがる)

軽く愛花優花を睨むが悪い笑みを浮かべて返り討ちにあった

「これなら安全ですね」

アリーサは天然なのか分らんが自信ありげにうなずいている

早くもアリーサをうまく利用している双子

(はぁ、もう勘弁してくれ……)

ベットに視線をやりながら諦めた

(………ならんで寝るのか)

軽く想像しただけで鼻血が噴き出た

魔改造隊にはばれてないだろう

マスクをしてれば音も血の臭いも出ないからな

(……俺、生き延びれるのか……)

そんな事を考えてると脇腹を鏡花にどつかれた

「鼻のしたが伸びてんのよ」

「の、伸びてねーし、てか見えてねーだろ」

一瞬、見抜かれたかと思ったが俺の顔は目しか見えてないから大丈夫だろ

「父さんが母さんを見る目をしてる、やらしい」

ドスっともう一撃脇腹にいれられた

「どんな目だよ」

なんか鏡花には見抜かれそうなので風呂に逃げる事にした



近衛家風呂場

「…………ふぅ」

湯船でゆっくりくつろぎながら今後の事を考える

(まずは警護体制だよなぁ)

今回の任務はかなり特殊だ

期間が決まってないのはたまにある依頼なので特に気にはならないが警護対象が一国のお姫様だ

家族で警護を24時間着けるのはかなり大変だ

誰かを休めて誰かを警護に着ける感じが適していると思う

しかしながら俺は常に警護にあたってないといけない

部屋を一緒にする意味は常に警護をするという意味だからだ

(後で詳しく状況を聞いておかないとな)

やはり守るからには状況整理が必要だ

まだ敵が誰だかわかってないのだから慎重にしなければ

人数が分かればだいたいの身の振り方は考えつく

少人数であれば確実に一人ずつ潰す戦法をとるし

大人数ならできるだけまとめて潰す戦法をとれる

敵の強さはある程度察知できるから戦うか逃げるかはその場で判断する

優先事項はお姫様の安全

二人戦って一人はお姫様の安全確保

大人数なら愛花優花、少人数なら鏡花が先手を仕掛ければかなり時間は稼げる

遊撃は親父、お袋、護がしっかりしていれば負けることはないな

(俺は最終防衛線か…………)

常にお姫様の周りを警護し、危なくなったらお姫様を連れて安全圏に退避

そのまま安全圏で待機又は別な安全圏に退避

(ほぼいつも通りの感じでいいか……)

ボケっと考えていると脱衣場に4人の気配がした

「兄さん、なに逃げてるの?」

地味に機嫌が悪い鏡花

「「兄ちゃん逃げたのぉ?」」

煽ってくる愛花優花

「あらあら」

いつも通りのお袋

「かなり広い浴槽なんですね」

「お、わかってるなアリーヤ、近衛家自慢の風呂だぞ」

反射的に振り替えってしまい違和感に気がついた

なぜアリーヤの声がしたのか

護ではなくアリーヤ

間違いなくアリーヤ

そして風呂に入るのだからもちろん全て脱いでいる

まずは目が合ってキョトンとされ

俺の目線が下がり素晴らしい体が目に焼き付き

「…………グハッ!!!!!」

見事に鼻血を吹き出しそこで記憶が途切れた



近衛家リビング

ソファーでマスクを着けて横になっている俺

気がついた時にはここに寝かされていた

天井をボーっと見上げていると脳が覚醒してきた

(確か……風呂に入ってて……それから…………)

………………ブシャ!!!!!!

ようやくあった事を思い出した

ついでに鼻血も吹き出した

(あいつら絶対許さん…………)

マスクを着けてるのでとりあえず大丈夫なのだが早く収まって欲しい

体を起こすと椅子に親父が座って笑いをこらえていた

ちょっとイラッとしたが自分の体質のせいなので我慢した

「…………運んでくれたのは親父か?」

やはり運んで着替えさせてもらったからには礼を言わないとな

「いや、俺が来たときにはそこで寝てたぞ。」

帰ってき返事は意外な返答だった

基本的には俺が倒れた時には親父が運んでくれてる

そうなると護か?

俺は護の部屋にいきノックをした

「護、俺だ。」

「どうぞ。」

扉を開けると護はストレッチしていた

髪は濡れていて服もラフな格好だった

(風呂上がりか)

「…………運んでくれたのは護か?」

護は微妙な表情をした

「うん、は、運んだのは僕だよ。」

長年兄妹をやっているとやはり表情がなんとなく読める

護は嘘は言ってないよって顔をしている

何か隠してるようだ

「……護、何か隠してないか?」

「あ、あ、後はお姉ちゃん達に聞いて!」

なんかわからんが部屋から追い出されてしまった

(……しょうがない、あいつらに聞くか)

鏡花、愛花優花の部屋に行ったが反応も気配もなかった

(どこに行った?)

便利だからといってスキルを無闇に使いたくないが「心眼」を使った

壁があろうとも関係ない

範囲内は俺の領域になる

(……俺の部屋か……)

当然といえば当然か

アリーサがいるのだから、俺が起きるまで護衛していたのか

(……イタズラとはいえ意識を飛ばした俺が悪いな……)

流石に申し訳ない気持ちだ

一応、俺の部屋だがノックをした

「入るぞ。」

「あら、盾護さんどうぞ。」

アリーサが答えてくれた

(なんか気まずな……)

さっきの事が尾を引いている

目の前で鼻血を吹き出したら変人もしくは変質者扱い決定で間違いない

(……はぁ、謝って許してくれるだろうか……)

重い足取りで部屋に入った

「……アリーサ、さっきはすまなかった。」

即座に土下座体制を取った

こういうもんは先手必勝だ

プライド?なんだそれ食いもんか?

「いえいえ、盾護さん顔を上げて下さい。」

流石にまだ目を合わせられないのでデコを少し浮かせた程度にした

「しかし、これは俺の失態だ。本当にすまなかった」

俺はひたすら謝る事しかできない

「いえ、愛花ちゃんと優花ちゃんから元々聞いていましたから。」

なんと言うか優花愛花は一応最低限の事はしてくれてみたいだ

(あいつらもアホではなかったか)

ここでようやく俺は顔を上げた

4人はベットに座っていてパジャマに着替えていた

タラァー

なんと言うかアリーサのパジャマが可愛すぎた

4人ともお揃いのキグルミパジャマを着ていた

4匹のウサギがベットに座っているがやはりアリーサが可愛すぎた

白いウサギのパジャマなんだが、お姫様が着ると違ってくる

全力の守ってあげたい位のか弱い感じなのだが少し強気な目力を持っている

それがマッチしてメチャクチャかわいい

なぜか鼻血が出てきたがマスクをしているから大丈夫だろ

「……兄さん、目付きがやらしい。」

鏡花がジト目で俺を睨んできた

一匹のウサギは厳しめの視線を送ってきた

「や、やらしくねーし。」

ごまかすのでいっぱいいっぱいだ

(なぜ鏡花は俺の思考が読めるんだ!?)

最近になって精度があがってきてる

ほぼ100%俺の思考を当ててきてる

末恐ろしい

「と、とにかく、アリーヤ、すまなかった。愛花優花のイタズラとはいえ俺の失態だ。」

「「あれぇ、何でわかったのぉ?」」

わざとらしく二匹のウサギは首をかしげた

「こんな事するのはお前らしかいないだろ。」

だいたいわかっていたがやはりムカつく

この手の事で兄をからかって欲しくないものだ

キッっと睨むが

「「兄ちゃんこわーい」」

おどけながらからかいやがって

明日の稽古で痛めつけてやる

計画を練りながらもアリーヤに謝罪する

「次からは倒れないように努力する。申し訳なっかた。」

深々と再度、土下座をし誠心誠意謝罪をする

「本当に気にしなくていいのです。私も勉強になりましたので。」

「?、勉強?」

顔を上げアリーヤと目があったが、何を考えてるのかわからなかった

「あっ、俺の体質ですか?」

ピンときたのが体質だった

やはり護衛する側、される側、お互いの弱点を把握していれば万が一の時に対処できる

俺の体質のように女性が多くいる所では鏡花や愛花優花、母さんが郷瑛するなど依頼人がオーダーを出せる

この点に関しては、愛花優花の実験で理解してもらえたと思う

情けない話ではあるが

「それもそうですけど、新しい発見もありました!」

元気よくアリーヤは言うがさっぱりわからなかった

「なんのことだ?」

周りに助け舟を出したのだが、

「ど変態、こっち見ないで」

顔を赤らめた鏡花のキツイ一撃

「「さすがにフォローできないよう」」

珍しく困惑している愛花優花

なんだこの状況は…

よくわからないが追い詰められてる感じがする

「すまん、説明してくれないか?」

やはり直球で聞いたほうが早い

しかし、これは地雷だったらしくアリーヤ以外俯いてしまった

こんなよくわからん空気に精神がじわじわ削られていく

(逃げたい…)

そんな思いをしていたら

コンコンと誰かが部屋をノックし

「し、失礼します。あっ、兄さんちょっといい…?」

「どうした弟よ!急用だな!すぐ行こう!」

迅雷の一歩手前の速さで護と部屋をでた



「助かった護、感謝する」

全身全霊で感謝するも

「あ、お、お母さんが兄さんを助けてあげなって言われて…」

この状況を把握してた母さんが助け船を出してくれてたみたいだ

「そうか、それでも助かったよ」


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