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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

晴れのち雨の恋模様

作者: いちごあめ

同性愛の内容を含みます。今回女の子出てきません。

こんにちは、菊池晴人です。僕は今日から秋南高校の1年生として入学します。誕生日は6月21日です。身長は163cm(もっと伸びろ)です。好きな食べ物はオムライス。女みたいな顔してる、とよく言われます。自己紹介はこれくらいにしておいて、本編をどうぞ―――。




僕は雨男だ。自分でもわかるくらいにこの力はすごい威力だ。おかげで遠足やお祭りはいつも雨。この16年間ひとつもいい思い出がない。どうせ今日の入学式も雨が降るのだろう…そう思っていたのだが。久しぶりの青空のような気がする。なにはともあれ、念願の入学式なのだ。青空のような気分で過ごしたいなあ、そう思いながら僕は校門をくぐった。

 この学校でも1人ずつ名前を呼ばれる儀式があるらしい。

「菊池晴人」

僕の名前が呼ばれた瞬間、空が曇り始める。そして、僕が返事をするときには既に雨がザーザーと降り出していた。さっきまでの晴れやかな気分はどこへ行ったんだ…そんなゲンナリした気分でいると、

「本田雨也」

僕より5人ほど後の人が呼ばれた瞬間に雨が上がった。その人が返事をすると、雨は完全に止み、雲の隙間から陽の光が見え始める。なんだか不思議な現象だったな、そう思いながら入学式は幕を閉じた。




 入学式から1週間ほどたったある日のこと。その日もおそらく僕のせいで雨が降っていた。ぼんやりと窓から外を眺めていると、横に誰かが並んできた。チラリと横目で見ると、そこには既にクラスで人気者になっていた本田雨也がいた。すると彼は僕を見て、

「俺、晴男なんだよね」

といった。その瞬間、雨雲が晴れていく。しかし、雨は依然として降っている。

「あれ、おっかしーな」

首をかしげる彼に、

「僕は雨男だからしょうがないんだよ」

といって少しだけ笑ってみせた。すると彼もつられたように笑って、

「次は負けねーからな!」

そう、輝くような笑顔で言った。僕はその瞬間、恋に落ちたんだと思う。


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