邂逅
すみません!ものすごく遅れました!
道なき道を走り、足は悲鳴をあげていた。
夜空「はぁ…はぁ…待って…くれ…!」
俺は銀の鳥を追いかけているが、やはり鳥は速かった。こっちは足、あっちは翼。なんとかギリギリついてこれてるがいつ、立ち止まってもおかしくない。そう考えてると鳥はある神社の鳥居で休んでいた。
夜空「はぁ…はぁ…なんとか、追い付いた……」
?「待っていたぞ、少年」
夜空「え?」
声が聞こえた。女性の声なのに貫禄のある口調だった。俺は誰が喋っているのかすぐに分かった。
夜空「君…なのか?」
?「ほう、よく分かったな。そうだ、私が「すっげぇぇぇぇ!!!!」…な、なんだ?」
彼女は驚き、俺は興奮のあまり叫んでいた。これはあの二人に知らせないと!!
夜空「ねぇ!どうやって喋ってるの!?教えて!もしかして君は妖怪なのかい!?だったら…」
?「ま、待つんだ。少し落ち着け」
夜空「これが落ち着いてられるかー!!」
?「ええい!少しは落ち着かんか!!」
ドゴォッ!!
いきなり鳥が女性になり、頭に重いチョップを喰らった。
夜空「いててて……何もチョップしなくても……」
?「そうしないと落ち着かんだろ!」
夜空「はい……って君は女の子?」
動きやすそうな和服でロングスカート。髪は銀色で目も銀色。そんな彼女は呆れた表情を出していた。
?「はぁ……お主には見せぬようにしたかったんだが、お主のせいだ」
夜空「す、すみません……」
?「まぁどうせ後に分かるから良いか」
夜空「なぁ、君は一体……」
?「私は…銀。お主のもんじゃ」
夜空「……へ?」
銀「何を寝ぼけた返事をしている?」
夜空「いや、だって俺のもんって……」
銀「ああ、言い方が悪かったな。私はお主が妖怪になるのに必要なものだ」
夜空「よ、妖怪?」
銀「ああ」
なんで……俺が妖怪になりたい時に来るんだ?
俺は、いつもあの二人といろんな所に行き、調査をしてきた。調査をする度、彼女達に危険があった。だけど俺は無事だった。その度に何かになりたい。妖怪になりたいと思っていた。
夜空「……本当にしてくれるのか?」
銀「……」
夜空「俺は力が欲しい。誰かを守る力が。だから、頼む!」
銀「……フッ、その願い。聞き受けた」
瞬間、意識が薄くなり俺はその意識を手放した。