第1章 第一話
ああ、アカン二作品同時はキツイは
白く美しい城があった。それは日本の城と西洋の城が融合してできた様な城があった。
城の名は『白鉄<しろがね>の城』又の名を魔王城。
その城の尖塔にある展望室に人影があった。
それは人とは思えぬ姿、体全体が青に近い白で目は赤く染まり、背中から天使と悪魔の様な翼がそれぞれ2対、計8翼。
そして、まるで少女と見まわんばかりの身体をしていた。
?side........
『そして、私はこの国アルテミス皇国を建国した。だが所詮紛い物である。何故ならこの国は真似ただけなのだから、私の魂の故郷を。しかし、どうしてだろう、民の笑顔を見ると情が湧いてしまう。一人で渡ってしまっていいものか。置いて行ってしまっていいものか。やはり私も日本人なのだな。例えこの身が化物になっても、魂だけは変わらない。
だから、おばば、父さん、母さん、兄貴、もう少しだけ待ってて。必ず帰るから。そしたら....またみんなでごはんたべよ。』
私は何十年も前に書いた日記を読んでいた。
私はいつも思う。何回約束したか。
私がこの世界に転生して、そして1000年以上生きて、何回も破ってしまった。帰ると約束しながら。
悲しい。寂しい。この気持ちはずっと変わらない。
突然死んで、転生して、生きている。たとえ偽りの楽園を作ろうと決して変わらない、この損失感。
だからだろう。私は帰りたいのだ。
..........あの国に。
「魔王様」
耳によく通る綺麗な声だ。
私は振り向く。
「...何か用か、カーラ」
そこにいたのは、黒い肌を尖った長い耳をもち、人族からこう呼ばれている種族がいた。
ダークエルフ
「魔王様、式典場より準備が終了したとのことです。」
「そうか...では、ゆこう」
私は手を差し出す。
カーラが手を重ねる。
「転移」
フッ.....
二人の姿は消えていた。
カーラside.......
皆様、初めまして、カーラです。私は魔王様付きメイドをしております。
私がなぜメイドをしているかは追々お教えしますので、しばらくのご辛抱をお願いします。
私の現在の職は、アルテミス皇国武装親衛隊メイド部隊大隊長兼魔王様専用メイド係を務めさせていただいております。魔王様のメイドをさせていただいてから早500年以上いろんなことをさせていただいております。
本来、陛下とお呼びしたいのですが、それは私が魂から尊敬すべき御方の呼び方だ、私が呼ばれていいものではないと、魔王様に言われてしまいました。フフフ、律儀な方ですわ。
魔王様は不思議な方です。私がお会いした時からずっと... 私は魔王様の後ろ姿を見ながらそう思いました。
魔王様はまるで少女の様な、いいえ、本当に女の子のような姿です。しかしながら下の方に凶悪なものがありますけど。私も貫かれた時は痛かったですわ。
あ、いけません下がぬれてきました。ふふふ........
コホン、まあ、こっそり身長を測って「150...」と落ち込んでいるいらっしゃる姿はなんともいえなせん。
ああ、愛らしい魔王さ「何を考えている、この腐れ女」
カチン。
「まあ、いつから下品な言葉を使うようになったのですか、この淫売女」
私の目の前でしかめっ面している私の同僚....いえ、いつか殺すべき敵。
ドーラ・グスタフ・バレンシュタイン。
私の血の繋がらない妹にして恋敵の半龍人族。
「魔王様の後ろで邪な事を考えるのが罪なのだぞ....姉上」
腰にある業物『黒刀 魚鱗』を抜きながらほざく妹に
「あらあら、いつもおねだりしている貴女に言われたくないわ...妹よ」
私も腰にある業物『短刀 一対の白夜』を抜こうとすると
「....双方やめぃ」
魔王様は嫌そうな顔でそうおっしゃられました。ああ...またその顔が!
「カーラ...顔」
「ハ!申し訳ありません。少し取り乱しました。」
魔王様は疲れきった顔でまた歩き始めました。私達もお互いに武器を納め、私と妹はお互いに睨み合ったまま魔王様を追いました。
そういえば、私の本名を言っておりませんでしたね。
私の名は、カーラ・グスタフ・バレンシュタイン。
魔王様の下僕でございます。
ドーラside....
全く姉上は。
私は姉上と睨み合いながらそう思った。
姉上と最初に出会ったのはかれこれ500年近く前だ。
魔王様に拾われたその先で姉上ち会った。
その時魔王様に「カーラ、今日からお前の妹になるドーラだ。ドーラ挨拶しなさい。」と、言われ新しい家族に挨拶しようとしたら....
物凄く嫌な顔をされた。
なに!あんな顔しなくてもいいだろう!
流石に魔王様に叱られて、土下座して足をプルプルしながら涙目になって謝る姿には笑ってしまったが....その後、足をツンツンして追撃をかけたのは秘密だ。
そんな事もあって私は姉上と義理の関係になった。
ただ、私達姉妹が魔王様の寵愛を受けてから、私達は魔王様に見つからない範囲で殺しあうになった。
私は100万を超えるアルテミス皇国陸海空軍の中から選抜される、10万の一騎当千の武装親衛隊から更に選ばれる、魔王様護衛部隊大隊長を伊達に務めていないが、姉上のメイド部隊は戦闘から魔王様の身の周りの世話をしなければならない。
私と姉上の戦闘力ほぼ互角、戦闘の余波で山が一つ無くなるなどよくあることだ。
だが....いつか絶対殺してやる。必ずだ!
....?side
全く、この二人は。
私の後ろでバチバチと火花を散らしている二人をそう思った。
もともと、二人の出会いは最悪だったが、私が二人を抱いてからもっと仲が最悪になった。
私の自業自得であるが、二人には少しだけ仲良くしてほしい。
副隊長クラスから懇願が来るのだ、隊長達をどうにかして下さい。と
....先が思いやられる。
転移して式典場に着き会場に行くのに、なぜこれ程まで疲れなければならないか。....理不尽だ。
もうすぐで会場だ。....だから二人ともいい加減に睨み合うのをやめろ!
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そこには万を超えるアルテミス皇国軍の軍団がいた。
左翼に海軍第一及び第二海上機動師団。各上陸用兵器の中で目立つ、45式水陸両用装甲車〈エイバス〉が57ミリ80口径の長い主砲を掲げている。
右翼に陸軍二個歩兵師団、一個砲兵師団、一個戦車師団から成る、第一装甲軍。そのなかで、砲兵隊の38式30センチ野戦攻城砲と戦車部隊の51式主力戦車〈バンスト〉の群れが76ミリ75口径の砲身を仰角を上げ静かに佇んでいる。
そして、中央に武装親衛隊第一師団がいる。そのなかで一際、存在感を示すものが居た。
特5式魔道戦車〈ザンガレスト〉、主砲130ミリ魔道砲を装備。装甲はミスリルを混ぜた特殊魔道装甲により零距離からの自砲弾を耐えるだけではなく、魔法をある程度無力化できる。量産性は極めて低く武装親衛隊しか配備されていない。
さらに、そこにはさまざまな人種がいる。
この世界で人族と呼ばれる者や、獣人族、エルフなどの妖精族、吸血鬼や鬼人など亜人族、さらに少数ではあるが、外界ではすでに見る事ができない巨人族や竜人族もいる。全員が陸海空軍共通の47式自動小銃を手に持ち佇んでいた。
そしてそれらが尊敬の眼差しを向ける場所に魔王がいた。
『....今日、皇国軍総合大火力演習が出来る事を非常に嬉しく思う』
魔王の声は純枠なる科学で作られた、古めかしいスピーカーから流れてくる。
『私はこのアルテミス皇国を建国して以来、常に平和たらんとするため、科学と魔術のハイブリッド....魔道技術を持って物理的に結界を持って外界との交流を遮断し鎖国している。
しかし一年後に控える大転移の準備のためその結界も解除される。
その時、外界の国々は我が国を見つけ、そしてその富を奪おうとするだろう。
ならば、我々はどうする、そのままやられてしまうのか?
否!反撃するのだ!!
この国は最後の楽園、共存共栄の理想の最後の国なのだ。
われわれは己の命を懸けて守らなければならない!
そして、来たるべき大転移に備えるのだ!
全ては高天原に住む、八百万の神々に祝福された黄金の大地に!!
2000年の歴史に!
天皇陛下に栄光あれ!!』
「「「万歳!万歳!万歳!」」」
「「「「皇国1000年の歴史と魔王アルテミス・リク・エルザに永遠の栄光あれ!!!」」」」
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この日、この世界〈ミラリスト〉世界で最果ての霧と呼ばれる海の果てにある霧が消えた事を誰も知らない。
どうでしょうか。もう一つの作品の感想もお願いします。