2058年高校 part1
「主任!!これならいけますよ!!」
眼鏡をかけた一人が喜びの声を上げた
「まだよ、康太。これから実験を繰り返して成功してやっと終わりなのよ」
「でもでもそれって3日位ですよね!!終わったら飲みにいきましょう!主任いいでしょ!?」
「ええいいわよ。15年分、飲みにいきましょう」
康太はやったぁと声を弾ませている
でも……これでやっと終わる。
受け継がれてきたモノがついに完成する、これで私たちは解放される。
「さぁ康太,最後の仕上げよパパッと終わらせちゃいましょう」
「はいっ」
今迄で一番気合の入った部下と一緒に最後の作業を進める
これですべて《終わりだ》
薄暗い天井を見つめ彼女は
「終わるわよ、おじいちゃん。これで、これで、これで!!」
「見ててねすべてを、これで終わりなの、終わりなのよ。
くくくくくははははははあーっはっはっはっはっはっはっは!!!!!!」
そして終わりの始まりが始まった。
▽▽▽▽▽▽
4月1日
昔なら高校の入学式なんてなんてない
けど現代は高校は教育機関ではなく戦場派遣機関になっている
2048年旧東京の真ん中に突如発生した猫型の化け物が人を喰い散らかし
生き残った者達で海上のプラントを海外の支援を借りて新日本を立ち上げた
移住した人達は元の領土を取り返す為に戦闘教育し戦場に派遣するのだ
移住する時に若者を徹底して移住させたせいで高齢者は2~5人しかいない
だから戦闘するのは若い者達しかいないため高校生まで送られるのだ
中学で戦闘の基礎を習い、年上の者達が日本へ化け物を狩に出る
高校生だから、といって戦場は甘くない、殺される者も多い
だから高校の入学式は普通、恐怖の感情を持つ人が多い
私は不安に駆られながら高校の入学式の自分の席に座った
∇∇∇∇∇∇∇∇
周りを見る
喋っている人なんていない
皆緊張しているんだ
そこで校長と思われる30代位の人が入ってきては
「高校入学おめでとう諸君、残念ながら私は世間話などしている暇はないので口早に説明する」
校長は右側の壁を指す
「いまからそちらの壁にチーム分けを書いた紙を貼り出しますので、
自分の所持Noと比べAからZに分けますので
間違いのないように指定された集会所に行ってください。以上です」
話し終わると早歩きで去っていった
あの校長、摘当すぎない?忙しいのかな?
と思いつつさっき校長が指さした紙に向かって歩き出した
私はどこに所属されるのかな?
私のNoは138だからえーと…TEAM『E』だ、で集会所は5番だ
さっさと行って同僚と仲良くなれるように頑張ろう
それでどんなことがあっても生き残ってやる、あの人を見つけるまでは・・・
そう決意して私は集会場に向かって歩き出した
∇∇∇∇∇∇∇∇
集会所まで寄り道せず向かった、集会所は洋風の造りになっており美しかった
中に入ると中に先輩らしき人が4人いた
「お、1人目は女子かよろしくな」
始めに一番近くに座っている男の先輩が話しかけてきた
次に2番目に近い女の人が
「女の子には優しくしなさいよたっくん、手を出したら私がぶん殴るから」
「はぁ、相変わらずきついなレンちゃんよ、」
「おいおい後輩が置いて行かれてるぞ、ようこそTEAM『E』へ歓迎するよ」
「えっと、No138番柴田優香です、よろしくお願いします!!」
90度位まで頭を下げると
「そんな硬くならなくていいよー、気楽にいこーぜー、あ俺は西条拓斗、拓斗さんでいいよ」
「馴れ馴れしいわよあんた、入学ん時の事忘れた?がっちがちに緊張してたじゃない」
そういって私のほうを向くと
「私は宮本蓮、レンでいいわよろしくね、であっちにいるのが…」
その途中で奥の人が
「いいよレン。自分でするから、俺は赤上達也この班のリーダーだ、よろしくな」
「よろしくお願いします!!」
「まぁ座ってくれ、もう少しで他に同級生も来るだろう」
「わかりました、ではお言葉に甘えて・・・」
柔らかそうな椅子に座ると
「優香ちゃんって呼ぶわよ?」
そういってレンさん話しかけてきた
「わかりました、レンさんこれからお願いしますね」
「うん、お願いね。優香ちゃん、それで優香ちゃんってさぁ……」
-----5分経過-----
「ん?誰か来たみたいだな…次は男かな女かな?賭けようぜ達也」
「嫌だね、1人でやってろ拓斗」
「どんな人が来るのかな?」
私が緊張しているとレンさんが
「硬くならないの、大丈夫よ優香ちゃん」
「そうでしょうか?」
そういっていると2人の男女が入ってきた最初に前の男子が
「えっとNo39番一条裕也ですよろしくお願いします」
「No165番紺野文ですよろしくお願いします」
二人が同じタイミングで頭を下げた
「えっと同じ1年の柴田優香ですお願いします!!」
すると後ろの女の子が近くに来て
「よろしくね優香ちゃん。私のことは文って呼んで」
「よろしくです文さん。私のことは優香でいいです」
「班長、先輩が1人足りないと思うんですが…」
「ああ、あいつはもうすぐで来るから待っててくれ。同僚ももうすぐで来るだろう」
「レンさんもう1人の方って?」
「ああ、あれはね…ちょっと異常だから…」
「?はぁ、そうなんですか」
どんな人だろうと思っていると
「すまん達也遅れた」
フードを被った男の人が入って来た
さっき言ってた異常な先輩かな(笑)
「アレはお前一人じゃ無理だろう」
「ああ、まだ俺じゃ無理だな」
「気にすんなって。それより空気を重くするな」
なんだろうこれ何の話してるんだろう?
「気にしないで優香ちゃん、絶対関わらないほうが、いいから」
「そうですか?わかりました、それよりもう1人来るはずの仲間遅いですね」
「もうそろそろ来るわよ」
-----5分経過----
しばらくすると黒服黒髪の人が入ってきた
「すみません、遅れましたNo214番の天野優一です」
「まぁまぁ時間的にはまだ20分残ってるから」
「ありがとうございます」
「さてとじゃあ全員揃ったところで自己紹介といこうか」
そこで拓斗さんが立ち上がって
「OKじゃあ俺から行くぜ、優香には言ったが俺は西条拓斗、
自分で言うのもなんだがこの班のムードメーカーだ。基本は前衛だ、よろしくな」
拓斗さんが座ったところでレンさんが立って
「次は私ね、私は宮本蓮
さっきの馬鹿が突っ走るのを抑える役です、よろしくね。レンって呼んでね」
次に異常(笑)の先輩が立って
「黒羽孝だ、よろしく」
へぇ、さっきの人たかしって言うんだ。なんか無愛想だなー
「班長の赤上達也だ。皆緊張してるだろうが
固くならずになんでも聞いてくれ。よろしくな」
さっすがリーダー!!っと次は私が行こうかな
「私は柴田優香です、高校に入ったばかりで緊張しています
仲良くしてくださいこれからよろしくお願いします」
よかったうまくいえた、引かれてないかなー?
「私は紺野文です、えっと、えっと。とにかく頑張りますので…よ、よろしくです」
文さんいろいろ大丈夫かな。今度部屋にお邪魔しようかな
「俺は一条裕也です、まだわからないことばかりですが今後ともよろしくお願いします」
「天野優一ですよろしくお願いします」
この人は黒羽さんと同じで無愛想だなー
ここから始まるのか私の戦場高校生活(泣)
まぁ怖いけど……頑張っていこうかな
………ここから始めよう