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夕日坂

作者: 後藤 萌愛

あなたと帰った帰り道。


夕日のあたるさか。


あなたの背中を見て後ろを歩いたの。


あなたに追いつけずに速足にしているあたしに気づいて左手をそっと差し出してくれたね。


ときにはあたたかい胸で抱きしめてくれたり頭をクシャッとなでてくれたり・・・ ・・・。


とってもどきどきしてとっても嬉しくて。


あなたのそのはにかんだ笑顔とそぶりがとても愛しかったの。


でもあなたを狂おしく愛するばかりに毎日の不安がたまったの。


帰り道、手を離した瞬間あなたがいっきに遠くなった気がしたの。


あたしの影も揺らいでいた。まるであたしを映したよう・・・ ・・・。


電車の中であなたに寄り添って手をつなぎながら乗ったの覚えてる?


あそこのお店のモンブランおいしかったって笑いあったの覚えてる?


あなたにもらったオルゴール・・・あたしの大好きがいっぱいつまってて・・・ ・・・。


聞くたびに涙が出るの。


春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春・・・ ・・・


気づいたらあなたは別の子の隣を歩いていて離した手は帰ってこなくて・・・ ・・・。


時があたしたちを溶かして迷わせて・・・そして運命のはぐるまがほどかれてしまったの。




一緒に帰った帰り道。


一人で帰っている帰り道。


なんだかせつなくて寂しくて。涙がでてきたの。


他に人の声も聞こえずあなたを目で追うばかり。


でもあなたは別の幸せをつかんで今歩いている。


だから願っているよ?あなたの幸せ。


でもわがまま言ってもいいかな?


時々君との想いで思い出していい?


あなたのうつむいた顔、手、唇、思い出していい?


寂しくなった時・・・悲しくなった時・・・。


大好きな・・・大好きだったあなたのことを・・・ ・・・。


今、あなたと歩いた帰り道。一人で歩いてるの。


目を閉じれば君の顔が浮かんで目がしらがあっつくなって。


だからあなたのことを忘れられないことを悟ったの。




今あたしの隣には愛する人がいます。


今あたしの隣には愛する子供がいます。


でも・・・でもね、絶対あなたと愛し合った日々は忘れないよ?


だってねあなたはあたしに恋を教えてくれたから。


愛するを教えてくれたから。不安・悲しみを教えてくれたから。



だってね・・・あなたはあたしが一番最初にあたしが愛した人だから。



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