例外は作るな
トラックが突っ込んできた。
それは覚えている。
確か「これは死んだな」って思ったのも記憶している。
僕は確かに死んだんだ。
けれど、今もこうして考えることができる。
それは何故か。
実に簡単だ。
『おめでとうございます! あなたは転生できます!』
なんて声が頭に響いたのだから。
要するに死亡からの転生を僕はするのだ。
正直嬉しくて仕方なかった。
なにせ、今の人生はうだつの上がらない生きているのか死んでいるのかも分からないような人生だったから……。
どこに転生するのか。
何に転生するのか。
そう思いながら僕はここで待ち続けている。
そう。
ここで待ち続けている。
何にもないこの空間で……。
これは何故か。
単純な話だ。
『もう! 女神様! また転生者ですよ!』
『またぁ!? あと何人いるのよ!?』
『知りませんよ! だから私言ったんですよ! 例外なんか作るんじゃない! って! 一つ例外を作ったら、結局全員に適用しなくちゃ……』
『ちょっと! あんた! 通信まだ切ってない!!』
『うわ! やば! いますぐきりま……』
まぁ、そういうことである。
僕はもう何年ここにいるのだろう。
一年?
十年?
それとも百年?
「もう転生なんかいいから早く死なせてくれないかな……」
呟いたけれど答えは返ってこない。
そして前世で……いや、まだ前世じゃないのか?
まぁ、とにかくサラリーマンだった僕はよく知っている。
例外の面倒さを知ってしまった者は二度と例外を作らないって。
仕方なしに僕はこうして今日もどこかわからないところで漂い続けるばかりなのだった。




