06
あれからどれだけ時間が経っただろう、ギルはあの後どこかへ行ってしまうし
薬がまだ身体から抜けていないのかまた視界がぼやけてきた。
(私、このまま牢の中で生涯を終えるのね‥‥)
ああ、きっとこれは悪役令嬢と呼ばれる者の宿命かもしれないわね。
日頃からあれやこれやと言われてるから罰が当たったんだ。
さっきかららしくないことばかり言葉が浮かび不安と恐怖がよぎる。
「プリシラっ!!」
そして、願いが通じたのかそこにお兄様が現れて。
「お、兄、さま‥‥どう、して、ここに‥‥?」
「詳しい話は後だ、今はここから出るぞ」
ジェードは片手を鷲掴みするように牢の扉を強引に開けプリシラの元へ行き鎖をほどく。
「立てるか?」
「え、ええ。少し立ちくらみはするけど平気」
「だから言ったろ、甘い誘惑には騙されるなって」
「は、はい。反省してます‥‥」
しばらく薄暗い通路を歩くと前から眩しい光りが差す。
あと少しというところで奴が現れて。
「どこへ行くつもりだい、プリシラ?君は僕のモノなのに勝手に逃げ出しちゃ‥‥」
本来ならここで一発殴ってやりたいところだけどここはグッと堪える。
しかし、そこにお兄様がとんでもない行動に出る!
「おい、よくもうちの大事な妹に手を出したな‥‥?」
「お、お兄様‥‥?」
「あれもしかして君、プリシラのお兄さん?ハハッ驚いたなまさか今日の
パーティーに男が混ざっていたなんて」
「今は俺の質問に答えろ!」
ジェードのボルテージがどんどん上がっていく。
「プリシラはあんたに声かけてもらったことも凄く喜んでいた。なのにあんた
はその期待を裏切り危機に追い込んだ!」
「それはあの子が勝手に思い喜んでただけでしょ?別に僕は次の遊び相手を探
してただけだし?」
嘲笑うようにギルは軽率な言葉を吐き笑う。
「なに、もしかして君シスコン?そんなにあの子が大事なんだ──」
そしてジェードは大きく拳を突き出し見事ギルの頬へクリンヒットする。
「ぐ、ぐはっ!」
「いいか、また同じことしたら次はただじゃあおかないからな?」
「ひっ!!」
お兄様の目の色が変わる。それを恐れたのかギルは拾って来た子犬のように怯えその場を去っていくのだった。




