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バードオブザーバー  作者: 山芋
日常回(1)
9/13

天空諸島探検


 月明かりが静かな街々を照らす頃、白こと私は紗夜さん宅へと飛び立っています。これでも魔獣だから鳥目じゃないよ!飼い主には暫く帰って来ないと話したから、準備は万全!


 紗夜さんの家は大手企業の取締役である千田さんの家なので、非常に大きい。屋敷!というよりはモダンハウスに色んな設備を充実させた家が表現的にはあってる……かもしれない。


 家について詳しくないから雰囲気、雰囲気。


 警備システムで空からの侵入でも察知されるが、これでも魔術師の端くれ!チョチョイのちょいであら不思議!監視用魔術を簡単にすり抜けました〜。ふ、ザル魔術め。


 家の中を見ると、既に紗夜さんは庭で待機していた。


『紗夜さんこんばんわ〜』


「こんばんわ、白くん」


『今日は()になって行くんですか」


「ええ、この姿の方が色々と目立たないからね」


 シルクの艶をもつ黒髪に、今日はウルフヘアーに合わせたクール系の洋服を着ている。カジュアルとサイバーパンク系を混ぜた感じかな?


『相変わらずお洒落ですね』


「ありがとう。今日は空を飛んだりするからズボンにしたの。靴にズボンの裾を入れて風対策もバッチリ!上着もポンチョにする事で脱げる心配もないよ!」


『ほぁ〜、こだわりが凄いですね』


「む、白くん分かってないな』


『そりゃあ服に無縁な鳥なもんで』


「全く、仕方ない鳥ね」


 乙女に対する返事には自信がないので取り敢えずピヨピヨ鳴いていたらデコピンされた。解せぬ。


『紗夜さんが話した空島は何処にあるんですか?』


「確か日本の排他的経済水域から更に離れた太平洋側にあったね」


『結構離れてますね』


「そう。と、言う訳で今回は白くんには置物になって貰います!」


『大切に扱ってね!』


「相変わらず慣れが早いね」


『唯一の長所なもんで』


 紗夜さんは苦笑いしながらも、私の体を優しく抱き上げて胸ポケットに押し込んだ。


『ぐえ!潰れる〜!!』


「え?!ご、ごめんなさい」


 紗夜さん、貴女ご立派な山をお待ちなんですから気を付けて!謎にポンチョが緩くなかったから圧迫感が凄かった。あと何故頭から突っ込んだのか謎だ!はっ!まさか今の私が置物だからか?!


 流石に責める言葉は胸の中に納めたが、怒りのピヨピヨに紗夜さんはアワアワしていた。カッコイイ系のお姉さんがアワアワしているのはギャップ萌えだな。


「これで大丈夫かな?」


『問題なし!』


 結局は片手で私を抱き抱える事になった。


「それじゃあ出発!」


『進行!』


 目的地は遠いが特に急ぐものではないので、紗夜さんと会話しながら進んだ。



『ーーそれじゃあ、紗夜さんはここ数ヶ月は洋服関連の勉強してたんだ』


「そうだね、前はシンプルな服で良いと思ってたけど、アニメやテレビで洋服を変えるだけでガラリと雰囲気が変わったのに驚いたんだ。それから試しに勉強して着てみるとすっかり虜になってね」


『面白そうですね』


「そうね、白くんも人化の魔法覚えたら良いのに」


『鳥の姿がお気に入りなのです!』


「残念。でも、白くんが人になるならどんな服着るの?」


『今の紗夜さんの服に和風を混ぜた感じの服かな?』


「お洒落さんだね」


『紗夜さんには負けるよ〜』


「負けないようにしないとね」


 他にも食べ物についてや千田さんが新しい従魔を最近新しく飼おうとしている事を聞いた。久しぶりぶりだったので楽しく話していると、遠目に島らしき影が見えた。


『むむむ!あれが目的地なのでは?』


「そうだね。何度見ても複数の島が飛んでいる光景は面白いね」


『紗夜さん紗夜さん!色んな角度で見たいです!丁度満月だから良い景色が見れるかもよ!』


「なら、上から見ようか」


 そこから見た景色は今後一生忘れられない光景になるだろう。月明かりだけが照らす島々がゆっくりと動きながら進む光景は、自然の不思議さと少しばかりの寂しさを感じた。


 夜に来たことで生き物の気配は鳴りをひそめ、海の波打つ音がBGMとなり、神秘さを醸し出していた。


『綺麗だ……』


「そうだね……」


 2人で数分はこの景色に見惚れていた。


『紗夜さんもね』


「うへぇあ?!」


 隙を見て揶揄うと月明かりでもわかる程、顔を真っ赤にした紗夜さんの顔を見れた。


 美女の照れ顔を見れて余は満足じゃ。その後からかった事がバレて海に突き落とされたのはご愛嬌。


 水に滴るいい鳥よ!


「全く、油断も隙もないんだから……」


 我がホークアイに隙はない!!


 紗夜さんは呆れた様子で私をジト目で見ていた。


「まぁ、そこも………」












 電車と同じ速度で彼らは飛行してます。


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