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バードオブザーバー  作者: 山芋
プロローグ
2/13

鳥は鳥でも話せる鳥(念話)

「ーーー新入生にはこれからの未来を作っていくーー」


 現在、飼い主である波内白桃の入学式の真っ最中である。相変わらず校長先生の話は長いな〜、と考えながら飼い主の肩に乗り、真剣な様子で話を聴いている飼い主を傍に周囲を見渡していた。


 この世界、なんと美形が多い世界なのだ。だから、周囲は前世ならアイドルや女優レベルの人がちらほら見渡すだけで見つかる。この世界、私は眼福世界と呼んでいる。


 前世の人だった頃にこんな環境だったら最高だったのに。ついでに言えば、私の飼い主も童顔の美少年である。何度、うら若き乙女達を腐の道に突き落としたのか……。罪な飼い主よ。


 そういえば、異世界あるあるの()()では見ない髪色をした生徒が多くいる。なんでも、得意な魔法の属性に影響されて変色する人が多いそう。


 ちなみにうちの飼い主は黒髪でザ・日本人!である。安心する。


 この世界について面白い事を話してやろう!実はこの世界は紀元前から魔法が存在している世界だそう。なので、歴史については前世と同じ歴史の内容であるが、所々面白いことになっている。


 例えば、織田信長が安土城を空に浮かせる大魔法使いだったり、第二次世界大戦では広島や長崎に落ちた原爆は科学と魔法が融合した物だったり、所々変化していた。


 前世はこれでも歴史の授業が好きだった身からすると、中々この世界の歴史は面白い。前世で空想と言われた事が魔法のせいで実際に起きているので、この世界、割と前世で嘘だと考えられていることがホントだったりする。


 一回、空飛んでいたら八咫烏に遭遇して、この世界最強種の竜種の所に案内されたことがある。「凄いお宝へ案内してくれてる?!」と考えていたピュアな私の心を返して欲しい。


 あの鳥、次会ったら絶対許さない。


 学校に関して言えば、戦闘科や魔法科学科なんてものも存在している。飼い主は普通科なんだけどね。異世界あるあるみたいに『俺tuee!!』もなく、平凡な男の子です。


「ーーー気をつけ、礼」


 やっと校長挨拶終わった。なんで、二十分も喋り続けることができるんだろうか?校長七不思議だな。他の6つは知らないが。


「ーーー閉式の辞」


 ゴリラかな?いや、この学校の教頭が出てきた。


「第86回、入学式を終了します」


「一同、起立、礼」


「これから、新入生の皆さんは在校生が校内を案内しますので、その場で待機して下さい」


 その瞬間、新入生たちは一斉に近くの人に話しかけ始めた。この学校、入学者だけでも500名も居るマンモス校だから、とんでもなく五月蝿いな。


 私の飼い主は緊張してたのか、私の頭を撫でまくる。


「この学校広いから、案内楽しみだね、白」


『後で空飛んで確認するから問題無し!』


「なんだかずるいなあ」


『これは鳥の特権や!』


 そう話していると、近くにいた男子生徒が話しかけてきた。


「その鳥、君の従魔?」


「そうだよ。小さい頃から一緒なんだ」


『そうだぞ!飼い主と私の間には青い糸があるんだぞ!』


「いや、そこは赤い糸でしょ」


『?!』


「なんでそこで驚くの……」


「はははは!仲良いんだな」


「うん、10年も一緒だからね」


「くぅ〜!俺もそんな従魔欲しかったぜ!」


 この世界はテンプレ通り、魔獣が存在します。分類的には、魔獣・魔人の二種類で分けられてる。異世界あるあるのゴブリンは魔人種です。


「ーーここからここまでの人は私に着いてきてください!」


「おっと、そろそろ移動開始だな。俺は藤瀬智和!宜しくな!」


「僕は波内白桃!よろしくね。この子は白だよ」


『我が名は白!覚えておけ!』


 こうして、我が飼い主は友達をゲットした。




「ここは食堂!この学校一番の魅力!て言うほど自慢だから、是非使ってみてね!」


「凄いな。聞いていたけど、三百円で大盛りの定食や丼物はお得だな」


「そうだね、従魔専用の食事も用意できるなんて、流石だね」


「まぁ、ここは全国でも有名な戦闘科があるからな」


『此処で説明しよう!東京都立清陵高等学校は一つの学年で2,500名、普通科、魔法科、科学科、魔法科学科、戦闘科が存在するマンモス校だ!特に戦闘科、魔法科学科は著名人を数多く輩出、また、環境も良く全国から才能溢れる人材が集まるのだ!支援者も多く、広大な敷地、最新鋭の設備を兼ね備えた有名高校である!』


「どうしたの?」


『なんとなく、言わないといけない気がした。後悔はしてない!』


「そ、そう?」


「次の場所に移動します!」


 

 様々な所を案内されていると、友達一号が話しかけてきた。


「そういえば、白桃は白といつ従魔契約したんだ?」


「え?してないよ?」


「え?!」


 友達一号が大きな声を出したせいで周りに注目された。


「どうしました?」


「い、いえ。なんでもありません」


 先輩は不思議そうにしながらも説明に戻った。


「……それで、白桃は白と契約してないのか?」


「うん。契約ができなかったんだよ」


「契約が?」


「そう。でも、白は国に申請してるから問題はないよ」


「そうなのか。でも、そんなに仲良いのに契約していないことあるんだな」


 本来、魔獣や魔人を相棒とする時には『従魔契約』をする。これは、暴走の防止が主な役目。強力な存在はこれが無ければ従魔として認められない。勿論例外はあり、小型かつ第六級の弱い魔獣であれば契約なしでも認められる。


 飼い主と私の関係はこれに該当している。


「何で契約してくれないか聞いたことあるけど、毎回はぐらかすから分からないんだ」


『私はダンサーだ!』


「ピッピッピー!」


「変なダンスしてるな」


「?!」


 此奴失礼だな!










 

 

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