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帰り道・・・サイド亮

タッタッタッタ・・・

タッタッタッタ・・・

足音が二つ

重なるように鳴る。

「「・・・・」」

無言で歩く

(なんだか彼女の存在にテンションが上がって声かけてついてきてしまった・・・)

自分でも驚くような行動をしてしまったことに心でつぶやく。

でも不思議と後悔はしていなかった。

どちらかというと変に思われてないか

そっちのほうが気になった。

彼女の顔を盗み見る。

(ドキドキドキ・・・・)

なんだか急に鼓動が大きくなる。

そーっと・・・そーっと・・・

ちら・・・

彼女は真っすぐと道を見つめていて

こちらは特に気にしてないようだった。

(はぁ~なんだか僕だけが気にしているのかな?)

遠藤さんはこういう状況になれてる?

彼女の横顔を見ながら思いを巡らす。

(そういえば・・・こんな風に彼女の顔見るの・・・初めてかも・・・)

いつもは朝の一瞬

「おはよう」

の言葉をいうその時だけに見れる。

本当に一瞬・・・・

見ているって

思われないように本当の一瞬・・・

彼女もちらっとこちらを見てくれている

それがわかるけどそれしかわからないくらいの一瞬。

今はその一瞬をこんなに長く・・・

「?どうしたの?」

「い、いや!!!なんでも!!!」

「?そうなんだ・・・」

彼女は小首を傾げた。

そして僕の声は完全に裏がえっていた。

(くぅぅー・・・)

完全に不覚だった。

きっと今の僕は顔が・・・顔が・・・

(真っ赤だろうな・・・)

そんなことを思うとまっすぐ前を見ることができなくて下をみて歩く

(はぁぁ、僕は一体何を・・・)

何をしているんだろうか?

女子の顔を眺めてぼーっとして・・・

これじゃまるで

まるで・・・・

(・・・変態?)

なんか違う・・・なんか違うけど・・・・

(たいしたかわらないか・・・・)

なんとなく自分の行動を振り返って後悔の念にとりつかれる。

(そうだよな・・・顔をそんなにじっと見ていたら・・・不思議に思うよな・・・)

それに

「気持ち悪いよな・・・」

「ふふふ」

「え?」

「やっぱり君は面白いね」

小声でつぶやいたあと

その様子をみて彼女がまた笑う。

そして僕の様子を「面白い」っと言ってくれる。

「聞こえてた?」

「うん、聞こえてるよ?」

恥ずかしさを隠して確認した。

「そう・・・だよね・・・横でごめん。」

「どうして?かわいいよ?」

「か!かわ!?」

彼女の言葉に動揺をしてさらに挙動不審に拍車をかけた。

「ふふふ」

彼女はふたたびほほえんだ。

その様子をみて僕は

「遠藤さんは・・・変わってるね?」

「え?」

「前に僕のこと変わってるって言ってたよね?」

「うん・・・そうだね・・・もしかして嫌だった?」

彼女が不安そうに様子を見ている。

「違う!違うんだ!!」

急いで否定した。

そして

「遠藤さんはそんな変わっている僕をその・・・・」

そこですこし間をおいて

「かわいいなんていうのはきっと遠藤さんだけだよ?だからね?」

そういってすこし顔をふせた。

「「・・・」」

沈黙が二人の間を流れた。

「・・・ごめん・・・変なこと言って・・・」

僕がそういうと

「そうじゃない!そうじゃないけど・・・なんだか・・・その・・・・」

彼女も何か言い淀んでいる。

「なんだか、私・・・君の前だとなんだか・・・私・・・変みたい」

「!?」

その言葉に僕は再び顔を伏せる。

彼女はたんたんと前を見ていたようだ。

(彼女はどうしてそんなに?)

そんなに普通にしていられるのか。

僕はこんなに・・・なんとも言えない気持ち・・・

つまりは

(こんなに恥ずかしいのに・・・)

女子はこういったことはなれているのだろうか?

それとも僕が過剰に意識しているのだろうか?

そんなことを頭の中で考えていると

「佐伯君?」

彼女が声をかけてきた

「あ、どうしたの?」

動揺を隠すこともできない感じで言葉に出ていた。

その中でも彼女は

「私、今日行くところあるからここで」

そういって違う方向を見て話す。

それに

「そうなんだ、ごめんね。忙しいときに」

なんとか言葉を絞り出して言った。

今まで難なく話せていたのが嘘のように言葉が出てこない。

「んん、楽しかったよ。またね。」

タッタッタ・・・

彼女の足音だけが遠くに響いていった。

(ああ、なんというか・・・かっこわるいな・・・)

彼女が去っていく先を見ながら思った。

でもそんな気持ちの中でも不思議な充実感みたいなものを感じながら

僕も帰り道を歩いて行った。

そして

「またね」

という言葉がなんだかうれしかった


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