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6話 努力家と怠け者
帰宅途中。抜き打ちテストなんて滅んでしまえ。
鳴瀬さんを見かけたので声をかけてみることにした。隣人との交流、大事。
「ども」
「柊木さん、こんにちは」
お、気付いてもらえた。
「そっちのクラスも抜き打ちテストあったのか?」
担当教師が同じだから、同じ様にあったのだろうか。
「も…と言うことは、そちらもあったんですか?」
やっぱりあったらしい。
「ああ、点数は悲惨だったが。そっちは?」
「なるほど、勉強は得意ではないと…こちらはほとんどできましたよ」
「さすがだな」
しっかり勉強をしている故の結果か。
そんなことを話している間に、マンションに着いた。
「っと、じゃあまた」
「では」
お互いに挨拶をして部屋へ向かう。
偶然会ったとはいえ、かなり話せたな。正直自分でもこんなに話せたことに驚きだ。
話してて安心感がある。不思議だな。
…にしても、ほとんどできた、か。
努力をする人は輝いて見える。話してて安心感があるのはそれが原因かもな。
…怠け者には少し眩しすぎるがな。