2話 いつも通り…?
今日も学校。なんの変わり映えもない。
「よっ」
神谷翠。俺の唯一と言ってもいい友達だ。
「よ」
軽く挨拶を交わして一緒に学校へ向かう。
「そういえば昨日、鳴瀬さんが隣に引っ越してきた」
「は!?」
そりゃこんな反応になるわな。
「まあそれだけだが」
「本当にそれだけか〜?」
なぜそこで疑問を持つんだ。
「逆に何かあると思うのか?」
「まあないわな。お前の性格からしても、お相手さんの性格からしても」
分かってるなら言うんじゃねぇ!と言いたくなった。代わりに睨んでおいたが。
「もしかしたらがあると思ったんだよ、そんなに睨むなって」
笑いながら返された。なんだこいつ。
「それよりテストの点数どうだったんだ?昨日聞こうと思ったら、気づいたら帰ってたからな」
なんか人と話してたから普通に帰ったが・・・まあ別に隠すような点じゃないしいいか。
「全部赤点スレスレでセーフ。なんの問題もなし」
そう言うと翠は呆れたような顔で口にした。
「お前なぁ…それでいいのか?」
いいもなにも。
「それが俺のスタンスだからな。必要以上に努力する必要はない」
「まあ翠がそれでいいなら、俺は何も言わないけどさぁ」
その後もお互い軽口を叩きながら学校へ向かった。
…ただ、その足はしつこく言い寄られている鳴瀬さんを見て、止めることになったが。