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最終章

 ・・・この古い、レトロなたたずまいの映画館も、


 とうとう、「閉館」の日を迎えました。


 さびしいですけれどね・・・。


 でも、館長の私は、


 この映画館を訪れてくださった皆様、おひとりおひとりのことを、心から愛していますし、かけがえのない、大切なお客様であると同時に、私にとっての「本当の恋人」だとさえ、認識しています。


 映画館を去った私の向かう先は・・・


 『世界』。


 まだ見ぬ、夢とロマンがあふれる、素敵な素敵な、希望あふれる・・・


 冒険と、


 『刺激的な何か』が、きっと待ってくれている、まったく『新しい世界』です♪


 きっと皆様にも・・・


 私を新しい世界へと送り出してくださる皆様全員にも・・・


 きっと、


 『素敵な何か』


 が、待ってくれているはずです。


 ・・・そう、私は確信しています。


 では・・・


 皆様が、無事、退出されたようですので、私・・・


 本日、終わりを迎える映画館の、入り口の扉をしめてまいります。


 短い期間ではありましたが・・・


 わが、古き良き、昭和時代の映画館を、大切にかわいがってくださいまして・・・


 本当にありがとうございました。


 では、ごきげんよう。



 ガシャーーン・・・。


         ~ 完 ~

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