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成長する若者

コミカライズが本日更新されます。

 かくて、三日目の戦いが始まろうとしていた。


 ラベアテス軍は昨日と変わらず、騎士団旗が後方に下がっており、横に長い普通の陣形であった。

 イシディス軍は昨日と打って変わって、ゴンヌス隊が中央前方に飛び出ており、他は横に陣を作っている。


 ゴンヌス隊が強力な部隊であることを思えばそこまでおかしな陣形でもないのだが、ここから先にどのような駒の動きをするのかと思うと……奇妙であった。


 これは両軍がある種、すでに申し合わせていることであり、消化試合といえなくもない。


 消化されるのはゴンヌス隊である。

 彼らは昨日の大失態……もう裏切りとかそういうレベルの大戦犯行為の責任を取るべく、ほぼ単独で突っ込むことになる。

 彼らはほぼ単独で前進し、彼らが全滅したら戦いも終わるのだ。


 ひどい話である。

 普通なら味方側も敵側も『それってどうなの』と言いたくなるような話だが、彼らはそれだけのことをしたので仕方ない。


 ほかでもないゴンヌス隊のメンバーがそれを受け入れていた。


 昨日の戦いで彼らが普通に戦っていれば、死ななかった兵士が大勢いるのだ。

 その兵士には仲間や家族がいて、それぞれに人生があった。

 それが大勢、無駄に死んだのだ。自分たちが普通に命令に従っていれば、そのほとんどが死なずに済んだのだ。


 それも、昨日の自分たちへの命令は普通のものである。今日のように『死ね』というものではなく、彼らの価値観に沿うものであった。


 どう考えても、どの視点から見ても彼らが悪い。

 彼ら自身が納得しているのがその証拠だろう。


 さて。

 ここで隊長であるゴンヌスである。

 特殊な巨大な種の馬にまたがる彼は、物思いにふけっていた。


 つまり反省である。

 強大なオーガ……それも他種族と共存し『俺ってオーガの中でも強かったけど……ほかの種族と比べたら神レベル!?』という事実に到達した者ではなかなか至れない境地であった。


 自省というのは成長には不可欠であり、事を成す者は常にそれを超えている。

 そういう意味で、彼はハルノーやガゲドラと同じ道を進んでいると言えなくもない。


(どうしてこうなっている?)


 オーガは頭がよくないが、この状況のシンプルさは彼でも疑問を抱き、回答に至れる程度の話であった。


(俺はオーガの戦士だ。戦場で戦って死ぬ覚悟はあった。隊長になってからは、部下のしりぬぐいもする立場だ。部下がへまをしたり、俺自身が失敗をすれば死ぬ覚悟だってあった。逆に言えば、俺がけじめをつけるだけで、部下たちにしりぬぐいをさせる気は無かった)


 昨晩の彼は本気で死ぬつもりだった。

 それで話が終わるはずだった。

 だがそうなっていない。

 それだけではなく、そうなっていないことに自分が納得している。


(タルシスの仲間であるあの兄ちゃんは、俺だけじゃなくて部下も殺そうとした。まあそりゃそうだ、殺したくもなるわな。俺だって同じ立場ならそうしたさ)


 自分は部隊の隊長なのだから、失敗したら自分が責任を取って死ぬつもりだった。

 仲間に責任を取らせる気は無かった。


 今は仲間も連帯責任で死にそうになっている。

 なのに自分は納得している。


 なぜか?


(俺一人が死んで責任をとれることじゃねえからだなぁ)


 その回答はすでに示されている。

 ゴンヌスのやらかしたことは、彼一人が死んで収められるレベルを超越しすぎていた。

 彼は自分に許されていた範囲を超えてしまったのだ。


(あそこにガイカク・ヒクメがいて、俺たちが捕まえていたとしても……結局同じことだったんじゃねえか?)


 自分の周囲にいる、自分と一緒に死闘に臨んでくれる仲間を見る。

 もしも彼らが『バカ』のせいで死んだとして、その『バカ』が大手柄をあげたとして、自分は許容できるだろうか。

 できる自信がない。


(じゃあ俺は、少なくともあの森に突っ込むべきじゃなかったのか)


 彼の考えは、必ずしも正しいとは言えない。


 彼がガイカクを捕まえていれば、上層部は彼を大いにほめるだろう。

 それこそ彼が求めるもの、彼に必要なものをすべて与えるだろう。

 それぐらいにガイカクの価値は高い。


 とはいえ現場の人間からは間違いなく憎悪されるであろうし、その場でたたき殺される可能性もあったので間違っているとも言い切れない。


 では正解は何か。


 成功しても『いいことがある』と言い切れないのだから、『あの森に行く』という決断をするべきではなかった。


 過程は少し間違っているが、結論はあっていた。

 彼がオーガであることを思えば及第点だろう。


「んん……」


 やっぱり全部俺が悪いな。俺が責任を取り切れないぐらいのことをしたんだな。

 挑戦するのはいいことなんだろうけど、俺の裁量で何とかできる範囲で挑戦するべきだな。

 次があるのかわからないが、生き残れたらそうしよう。


 そのような考えは、教本には必ず書いてあるし、先輩方も口酸っぱく言っている。世のなかにはそういうノウハウがたくさんある。

 彼は今まで何度もそれに触れてきた。


 だがそれでも、彼が自ら受け入れたのは今日が初めてだった。

 そしておそらく、もう二度と同じ失敗は犯すまい。

 彼は間違いなく成長したのだ。


「お前ら、よく聞け! 俺は失敗をした! 俺がバカなせいでな!」


 作戦が成功してもほとんどが死ぬであろう仲間へ檄を飛ばした。

 素直に謝罪をしているのだが、仲間は『今更自分をバカだっていうのかよ』と笑っている。

 実に気のいい仲間であった。


「俺は大将首を取って帰らないと死ぬ! 悪いがお前らにも付き合ってもらうぞ!」


 フィジカルエリートたちは雄々しく武器を掲げて応じた。

 彼らのまたがる大型の馬も同様に叫ぶ。


 周囲の友軍は冷ややかな視線を見せており、極寒の地獄に等しい。

 だがそれでも彼らは灼熱の士気を燃やしていた。



 これからゴンヌス隊を迎え撃つ、ラベアテス軍の兵士たち。

 彼らに対して、ラベアテスは戦況を正確に伝えていた。


『先日の暴走によって、敵の主力であるゴンヌス隊はほぼ見捨てられている』

『処刑を免れたとしても、友軍から支援を受けることはできないだろう』

『大失敗を帳消しにするため、孤軍で無謀な突撃を仕掛けてくるに違いない』

『彼らは強い。そのうえ戦闘で疲弊をしておらず、しかも決死の覚悟を持っている』

『手ごわいぞ』

『彼らを討った者には報酬を約束する! 今回はこれが最後だ、奮戦してくれ』


 これを聞いていたラベアテス軍の兵士たちは、実際の布陣を見て大いに気を緩めた。

 ラベアテスの説明した通り、ゴンヌス隊だけが先行していて他の部隊は動く気配を見せない。


 彼らを殺せば話は終わる。

 敗色濃厚だった戦いが勝利で終わる。

 それも有名な部隊をつぶしたことによる報酬を得たうえでのことだ。


「ゴンヌス隊ってのは、騎士団ほどじゃないが有名どころだ。普通ならどうあったって俺たちが殺せる相手じゃない。爆発力のある精鋭部隊はその分保護されるからな。俺たちだって初日に騎士団の援護をしただろ? そういう感じで……奴らは保護されていた」

「だがそれが今はないって話ですよね? なんなら俺たちに始末を任されている状態といっていいわけで」

「その通りだ……千載一遇の大チャンスと言っていいだろう!」


 初日のイシディス軍と同じような状態であった。

 そして彼らの多くが被害を受けたことを知ったうえでなお『俺たちは成功する』と踏んでいた。


 無理もあるまい、根拠がある。

 騎士団は盾であり囮になっていたが、ラベアテス軍からの援護も受けていた。

 だからこそイシディス軍は騎士団を倒しきることができず、逆に大きな被害を出した。

 今回はそれがない。


 先のライナガンマ防衛戦で騎士団の正騎士、騎士団長が無双の働きをしたのは、ほぼ全員がトップエリートであることに加えて、敵陣のど真ん中に突如出現したからである。


 フィジカルエリートの部隊とはいえ、援護が絶対になく、昨日時点からこう来るとわかっている。

 それで恐れるわけがなかった。


「いいかお前たち。削りに徹しろ、安易に下がれ。陣形全体を大きく変えることはできないが、局所的にずらすことはできる。そのためにこの中央陣は少し密度を下げている」


 狩猟と同じである。

 相手が強いと認識していることと、相手を軽く見ることは矛盾しない。


「相手が射程内に入れば魔術や弓矢で攻撃しろ、突っ込んできたら下がって道を譲れ! 側面や後方から攻撃しまくれ! 相手が相手だ、弱らせればそれだけで手柄になる! 欲をかくなよ!」


 馬も騎手も装備も何もかも重量級である。

 どうしようもなく最高速度が遅く、それを長時間維持できるわけでもない。


 ほかの部隊と連携するのならその弱点も埋められるが、今回は望めない。


 雑に言えば……。

 ジャンケンで、相手が一人で、グーしか出せないようなものだ。

 適切な作戦を打てば負けるわけがない。


 この判断が間違っていたわけではない。

 ラベアテス本人がここにいたとしても同じようなことを言うだろう。

 そもそも彼自身が軍全体へ『彼らの進路の密度を下げろ』とまで言っていたのだ。

 これは現場の判断ではありえないことである。


「わかってますよ! フィジカルエリートどもと接近戦なんて、頼まれたってやりたくない」

「はいどうぞと通してやりますよ!」


 重ねて言うが、現状はあまりにもわかりやすい。

 ゴンヌス隊は大将首を獲る以外に生還の目がない。それぐらいに追い詰められている。

 最前線の雑兵をいちいち殺して回るほど、精神的にも体力的にも余裕がない。

 たとえ側面から攻撃されるとわかっていても、道を譲られればその通りに動くしかないのだ。


 わかっていてもハマるしかない。まさに最悪の策であった。


 そのように考えている彼らの前に、土煙とともに巨大な馬と巨大な騎手たちが接近してくる。

 百人とは思えない圧力を発する敵、あるいは的。人間の兵士たちは舌なめずりしながらも弓矢や魔術を構えた。


「撃てえええ!」


 一方的な射撃であった。

 雨あられと降り注ぐ矢玉は、突撃してくる騎兵隊を襲う。


 圧力に反して遅い騎兵隊は、一騎、また一騎と倒れていく。

 それはある意味で滑稽だった。

 まさしく手も足も出ないまま一方的に狩られていくのだ。


 攻撃している兵士たちは気を緩めていく。

 彼らは仲間を殺されて憤るのだろうが、自分たちは道を譲って下がるので仇討ちできないのだ。

 この後も削り殺されるのだろう。それを思うと笑いが止まらない。

 まさにバカの死であった。


 ここまでは作戦通りである。

 ラベアテス軍からすれば一番有利な状況だったのだから当然だろう。


 しかしそれは、次の行動……道を譲るという段階でとん挫していた。



 巨大な馬にまたがった、巨大な騎手たちが、巨大な武器を振り回しながら、大きな声で叫んで近づいてくる。



 わかっていたことだったが、いざ眼前に迫ると身が縮んだ。

 遠くだったからこそ対岸の敵だったが、近づくにつれて恐怖が吹きあがってくる。


 彼らは雑に強い。

 見た目が強く、既知の脅威であり、何より敵だ。


 ありとあらゆる情報が兵士一人一人の脳裏に浮かび、それが最善の行動を遅らせる。

 指示を出すべき下士官ですら身が硬直し……。


 そのまま飲まれた。


「おおおおおおおおおおおおお!」


 ラベアテス軍の兵士たちは逃げていくか、無駄に抵抗してしまうか、身動きが取れずに立ち尽くしてしまう。


 矢玉を浴びていたゴンヌス隊は、血を流しながらも前進していた。


(イケる!)


 先頭を駆けるゴンヌスは勝ち目があると踏んだ。

 ラベアテス軍は、弱っているうえで油断していた。

 これがもしも昨日の戦いなら、こうもうまくはいかなかっただろう。

 勝てるとわかって、楽に殺して手柄にできると踏んでいたからこそ、自分たちに対して真剣ではなかった。

 真剣ではない兵など物の数ではない……と言いたいが、さすがに削られてしまった。

 今も自分に続く兵たちが、出血などで落馬していく。


 昨日の時点で普通に戦っていれば死なずに済んだ兵が死んでいく。

 これと同じ思いを味方にさせていたのだと感じる。


 それを振り払う。今はそれこそ、真剣でなければならない。


(今のこいつらは腑抜けている! 俺たちを殺すには陣が薄すぎる! つまり……俺たちを弱らせたうえで騎士団にぶつける気だな!)


 獣人であるオリオンは今、自分を待ち構えている。

 確実に自分を切り殺しに来るだろう。


 それを確実に防げる自信はない。

 だが、さすがにゴンヌス隊全員を殺すことはできまい。


(俺の命はくれてやってもいい! だが今の俺には差し違える覚悟があり、迎え撃つ気合があり、無駄死にしてもいいとすら思っている! そんな俺ならば……俺たちならば、オリオンを討てる!)


 彼の脳内には三つの可能性があった。


 それは三つの選択肢ではない。

 彼が一つの行動をとった場合に起こりうる、三つの結果である。

 その三つの結果を受け入れているからこそ、彼に迷いはなかった。


 この瞬間の彼は、ガゲドラやハルノーにすら達しうる猛将であった。


 致命的な大失態を犯して、しかし傷を負わなかったからこその境地であった。


 低い可能性であるが、彼がオリオンを討ち、さらに追手から逃れ、生還したのならば……。

 彼は真に猛将としてのステージを進めるだろう。


 敵陣を突破した。多くの仲間がまだついてきている。

 三ツ星騎士団の旗が見えた。

 その旗を掲げる、歴戦の雄としての雰囲気を持つ獣人が見える。


 あれがオリオンだ、打ち取れ。そのような声を出すより先に、別の声が発せられた。


「いくぞおおおおおお!」


 獣人の女性たちの声とともに、オリオンとゴンヌス隊の間に煙幕が張られた。

 たくさんの煙玉が放り込まれ、文字通り煙の幕が構築される。


「……!」


 何が起きたのか、頭ではなく鼻が理解していた。

 戦場に出る騎兵隊ならば一度は嗅ぐ、『馬が嫌がる臭い』であった。


 ゴンヌス隊が気づくと同時に、彼らを乗せていた馬が立ち止まる。

 興奮していた馬であっても、一瞬で立ち止まるほどの嫌悪感があるのだろう。


 ふっと、ゴンヌスは優しい気配を出した。

 ここで彼らに叱咤をしても仕方がない、ここで別れるしかないと判断した。


「下馬しろ! ここからは徒歩で行く!」

 


 今生の別れになると察し、一瞬だけ馬体をなでる。

 そのすぐ後に部下へ指示を出すと、自らも馬を降りて煙へ走り出した。


(まだだ、まだだ! オリオンは逃げていない、逃げるほどの時間はなかった!)


 焦る気持ちを抑えながら、彼らは走る。


 彼ら自身にとっても不快な刺激臭の煙を突っ切って、一直線にオリオンを目指す。


「よくぞここまでたどり着いた、というべきでしょうね。ですがここまでです」


 煙の向こうには、万全の迎撃態勢を整えた『蠍騎士団』の正騎士たちがいた。


 毅然たる振る舞いをするエルフ、アンドロメダを筆頭とする彼らの人数は……実に二十人であった。


「オリオン卿のもとへは行かせません!」

「邪魔を、するなああああ!」


 すでに彼女は魔法陣を構築していた。

 ここから魔術が発射されるまで一秒も必要としないだろう。


 それでもゴンヌスは駆けようとする。

 彼は自分の能力を理解している。自分が武器をふるえば、それだけで威嚇になる。

 この状況で相手を一瞬ひるませることができれば、その一瞬で彼女やその護衛を務める正騎士たちを倒せると踏んでいた。


 だがしかし、誰もひるまない。

 ゴンヌスだけではなくほかのゴンヌス隊も武器を手に襲い掛かろうとしているのに、一人として凛とした雰囲気が変わらない。


(なんだこいつら……今回が初陣の、新人騎士なんだろ? なんでこんな、場数を踏んだ奴みたいな顔を……)


 ーーーガイカク・ヒクメは医者ではないが、外科医療に関しては古今無双である。

 彼は自分の部下に対しては惜しみなく治療の腕を振るっており、再起不能者も死者も出さずに今日まで戦ってきた。


 その恩恵を蠍騎士団も受けている。

 彼らは過去に二度死にかけたが、それをガイカクの腕によって救われている。


 成長しているとはいえ彼らはまだまだ未熟だ。

 だが二度の死線を超えてなお戦える体があるということは、彼らの心身が強くなっている証拠。


 本来なら、新人騎士は狙われるもの。

 卒業後から初陣までのわずかな期間ですら削られる。


 卒業生全員がここにいて、全員が強者になっているのは……。

 ガイカク・ヒクメの手品にほかなるまい。


「私は貝紫騎士団団長セフェウの娘、アンドロメダ。いずれは三ツ星騎士団の団長に就任するでしょう。私は……私は、貴方たちを倒さなければならない……!」

「そこをどけえええええ!」

「もう魔術は完成している……!」


 エルフのトップエリート、アンドロメダ。

 その魔力量は常人の40倍以上。奇術騎士団に在籍しているすべてのエルフの魔力量を単独で越えている化け物であった。


 その魔力が惜しげもなく解き放たれる。

 射線上に存在していたフィジカルエリートたちは、一瞬で吹き飛んでいった。


(タルシス……!)


 死ぬまでの刹那、ゴンヌスはライバル視していた同期を想った。


(お前はなんで死んだんだ……勝ち逃げしやがって!)


 豪傑らしからぬことに彼は他責した。

 

(俺はお前に勝ちたかったんだ……張り合いたかったんだ! それなのに……俺は、結局、オリオンのもとにたどり着くことも……)


 ほかの正騎士たちもまた躍動する。

 残っていたゴンヌス隊も奮戦したが、万全のトップエリートたちに適うはずもなく。


 煙幕が消え、ラベアテス軍が倒れたゴンヌス隊を確認したとき。

 勝鬨が上がった。


 この戦場でゴンヌス隊の敗北を誰もが受け入れ、惜しむことはなかった。


 ただ彼らの馬だけが、主たちの死を悲しんでいた。



 こうしてイシディス軍とラベアテス軍の戦いは幕を下ろしたのである。

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取り返しのつく内に失敗を経験しておく事は大事
峠道で闇夜に続くブラックマーク。 一瞬のうちに反省してブラックアウト。
反省し成長して、そして討たれると… 良いですね
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