すぐ次の未来
高原地帯。
普段は通常の気球が浮いている地帯なのだが、現在は見世物目的で製造された動力付き気球がお披露目される。
騎士団総本部付近では割と頻繁に気球が飛んでいたし、この高原地帯でも試運転がされていたのだが、それはそれとして正式に動力付き気球が公開されることになった。
もちろん実際に乗れるのは騎士団のスポンサーや各国の要人だけであり、人々は基本的に見上げるだけである。
(そう考えると最初に渡し舟替わりで乗った貧困層は非常に貴重な体験をしたと言える)
高原地帯には普段より多くの人が集まっており、その中には密偵も混じっている。
いよいよ騎士団の切り札。
世界初の航空戦力が正式にお披露目となるのだ。
「この度は騎士団の親睦会に御足労下さりありがとうございます。総騎士団長のティストリアと申します。今回は先日のライナガンマ防衛戦にて最大級の戦果をあげました奇術騎士団の新兵器『ドラゴンフライ』の試乗会となっております。どうかよろしくお願いします」
まったく感情のないティストリアのビジネススマイル。
それでもなお美しい彼女だったが、彼女の美貌に鼻の下を伸ばす者は普段より少ない。
彼女の後ろに並んでいる騎士たちにも視線が向けられることは少ない。
今回の主役と言って差し支えない奇術騎士団の団長、天才魔導士ガイカク・ヒクメが不在だったのだ。
誰もが彼を探して視線をさまよわせている。
やがてティストリアたちの後方、大きな木製の台に視線が向いた。
「それでは今回の責任者であるヒクメ卿に登場願いましょう」
まさにそのタイミングでティストリアがガイカクを呼ぶ。
その次の瞬間、遥か彼方から魔力弾がゆっくりと飛んでいた。
あわや攻撃か? と思っていたが本当に弱い。それに弾道もはっきりとしたもので、見物客や騎士団から離れた場所……設置されていた木の台に向かっている。
ちゅどん、と弱い音がして、煙が上がった。
びっくりしているとそこから紳士服姿のガイカクが登場する。
「レディース&ジェントルメン! ティストリア様の忠実なる下僕! 奇術騎士団団長ガイカク・ヒクメでございます!」
BGMを従えながら歩く姿はまさにエンターティナー。
奇術騎士団の団長らしい振る舞いに聴衆は湧いていて、箒騎士団と蠍騎士団は唖然としている。他の騎士団はもう諦めている。
騎士らしさはどこに行った、という風情なのだがティストリアが咎めていないので何も言えなかった。
なお、実際にその場にいたお忍びの他国軍人は動揺していた。
「今のはなんだ……まさか、魔力弾に乗って移動する技術があるのか!?」
「……閣下。その、お耳を拝借」
ありえないとは思っていても、ガイカクならばあるいはと思ってしまった要人に、朝から張っていた諜報員が少し呆れながら説明する。
「ヒクメ卿はあの台の中にあるスペースに隠れていました。魔力弾で視界が隠れたところで出てきただけです」
「……手品ではないか!」
「そうです」
大掛かりではあるが、しかしシンプルな手品であった。
真に受けてしまった将軍は照れ隠しもあってキレているが、その演出力こそ手品の本質である。
実際この場に来ていた手品師や大道芸人たちも『相変わらずすげえテクノロジーで殴ってくる……』と頭を抱えていた。
トリックは流用できるだろうが、ここまで大掛かりな手品道具を用意することは不可能であろう。
「それでは皆様! 今回はドワーフ工房との合同で十台の動力付き気球を製造いたしました! どうぞご試乗ください!」
遠くに着陸していた気球がゆっくりと移動してきて、ゆっくりと着陸し始めている。
よく観察すればそれぞれに奇術騎士団の旗印と、担当しているドワーフ工房のマークが描かれていた。
老若男女を問わず感動の声を上げながら奇跡の光景を見ていたが、先程びっくりしていた他国の軍人はすっかりむくれている。
「さっきの手品は一体何だったのだ……普通に動力付き気球だけ出していればいいのに……ふん」
「単なる演出でしょう。噂ではガイカク・ヒクメはああいう演出を好む気質と聞いておりますので」
「人騒がせな男だ……」
冷静になるよう努めた後で、改めて動力付き気球を睨む。
実際に動いているところを見ればライナガンマで使用されたことにも納得できるというものだ。
「どう思う?」
「素人意見ですが、根底から戦争が変わります」
「同感だ。というよりも、これからの戦争は誰もが素人になるだろう」
ガイカクの他の手品は、将棋で言えば新しい駒を作る程度のものだ。
それはそれでとてつもないことだがこの気球はレベルが違う。
オセロが碁になるぐらいルールが変わってしまう。
いままでオセロをしていた者たちが碁をせざるを得なくなる、ということだ。
「聞けばガイカクはあそこから爆弾を落として食糧庫を焼き、魔術攻撃で攻城塔を破壊したという。正直に言うぞ、やってられん」
「そうでしょうな」
「もちろんそれだけでライナガンマを守ったわけではあるまいが……我らにはあの気球の性能が分からん。何ができてどこまでが限界なのか……想像することしかできん」
見上げて観察すれば、『試作機』であるとわかる。
たとえるのなら船を作ったことのない国が初めて作った遠洋船のようなもの。
この気球を使っていきなり世界征服に乗り出すということは無いが、逆に言ってこれからまだまだ発展していく技術だ。
「魔導は再現できる。そうだろう。つまりここから世界は変わっていくのだろうよ……」
彼の言葉は少し厳しいが、しかし猶予を感じさせるものであった。
※
動力付き気球が出発した地点。
多くのドワーフたちや憲兵が待機している場所では、本番で気球が動いていることに安堵しつつ感動している者たちが大勢いた。
ドワーフの親方衆は厳しい顔をしているが、内心では自分の旗印が浮上していることに感激さえしている。しかしそこはドワーフの意地でこらえていた。
「試運転は重ねていましたが、それでも本番で成功するとやり切ったという感がありますね」
「……まだ終わってねえ。そういう意味じゃあ油断はできねえさ。ここから止まってみろ、大恥もいいところだぞ」
「ドワーフとしてはそうでしょうな。我らとしては『動力付き気球』を実際に動かしているだけでも成果と言えるのですが……」
「それでも最後まで動いたほうがいいだろうよ」
「違いありませんね。私も気が緩んでいました」
憲兵に対して親方は少しそっけない対応をするが、可笑しなことを言っているわけではない。
このままつつがなく成功したほうがいいに決まっている。
「ところで今回の公共事業はいかがでしたか?」
「……遠い未来には希望が持てたな」
ドワーフに似つかわしくない晴れ晴れとした高原のひらけた光景。
そこに彼はドワーフの未来があると見た。しかしその目はあくまでも現実的であり、現在の光景がそのまま未来につながっているとは思っていない。
「百年、二百年か。それぐらい未来には、俺たちドワーフに仕事が集まるだろうよ」
「……ずいぶん遠くを見ていらっしゃいますね」
「アレがたかが十年後に大量生産されるとでも?」
実際に携わったからこそわかる。
動力付き気球はまだ実用化段階ではない。
それこそ普通の船のように、大型化、小型化、一般販売や観光地での運用ができる段階ではない。
百年か二百年は練磨され続けて、それでようやく船に追いつくことができるだろう。
「確かにアレは大したもんだし、手抜きもしてねえ。だが今日飛ばしたらそれが安全の限界。あと二、三日浮かせればぶっ壊れるだろうよ。精一杯頑張ってもそれぐらいのシロモンしか作れないんじゃ、売りモンにはならねえ」
「……ごもっとも」
「悔しいがアレはまだ俺たちがどうにかできる段階じゃねえ。まだまだ魔導士たちの領分だろうよ」
大勢のドワーフが必要とされる未来は確実に訪れる。
動力付き気球そのものが廃れ別の構想の飛行機械が生み出されるかもしれないが、それでもやはりドワーフは需要を得るだろう。
それはとても希望のあることだが、やはり百年二百年先の話であった。
それを近づける手段も、それまで凌ぐ手段も彼にはない。
「あの兄ちゃんが……魔導士で設計士で技師で航海士の兄ちゃんが、アレに人生を注いでくれりゃあ、五十年後ぐらいには縮むかもな」
「恐縮ですが、彼は騎士団長でして……」
「わかってるよ! わかってるが……ちくしょう」
楽しい仕事だった。
周囲の若手たちが興奮し感動していることを咎められないほどに。
しかしそれも短期集中の仕事である。
このあと彼らにどんな仕事があるのだろうか。
アレと同じものを作り続ける? 否だ。
一週間で壊れるようなものを国が定期的に作り続ける理由がない。
仮に作るとしても奇術騎士団が全面的な協力をしてくれるという前提の下で、試作機を何度も作る程度だ。
全員の継続的な雇用は賄えない。
ああ、輝かしい未来までの道を想うと気が重くなる。
しかしそれを塗りつぶすほどに。
「見ろよ……飛んでるぜ。俺たちの作った気球が、お客を乗せて飛んでるぜ!」
「おう……俺たちの工房のマークが入った気球が、くるくる飛んでいやがる!」
「俺の作ったプロペラ、いい音してやがるなぁ……」
一生の語り草にできるいい仕事ができた。
自分たちは未来に名を、足跡を残すことができたのだ。
技術者としてこんな誇らしい機会を得られたことは、望外の喜びである。
「そのとおりだよ、ちくしょうめ」
若手たちの言葉に少しだけ、しかし心底から同意する親方衆であった。
ただ働きでいいからまた作らせてほしい。
叶わぬ願いに胸を焦がされつつ、今アレを操縦している同胞を羨むのであった。
※
動力付き気球は客室と機関室(操縦室兼)に分かれており、機関室の扉の前には正騎士が待機している。
機関室は国家機密として扱われており、侵入しようとすれば彼らが止める手はずとなっている。
その彼ら自身は客室で楽しそうにしている人々を見て少しばかり羨ましくしていた。
「それではしばらく動かないでくださいね~~! はい、はい、まだ……まだ……はい、もういいですよ~~!」
特にガイカクが乗っている気球の中では『記念航空写真』の撮影が行われていた。
原始的なピンホールカメラを原理とする露出時間が長いカメラをつかい、なおかつ客室の一部を透明な素材による壁にしたことで空の上で写真を撮っています、という風情を味わえた。
カメラの撮影に要する露出時間が長い関係で背後の空模様はあいにくブレブレだったが、それでも家族と一緒に写真撮影出来たということで家族連れも大満足であった。
「さ、出来上がりました。コレをお持ち帰りください」
「わ、わあ~~! パパ、ママ! 私が映ってる!」
「まあ素敵ね……ありがとうございます」
「素晴らしい技術ですな……」
「はははは! このガイカク・ヒクメを、騎士団をよろしくお願いします!」
(客室は壁と柱があるだけで機密はないが……それでも怖いな。イヤしかし、この写真をもう少し高性能化してくれれば憲兵の仕事でも使えるはずだが……相談していいのだろうか?)
(航空写真はブレブレになって使い物にならないと言われたが……ヒクメ卿の頭脳をもってすればそのあたりも何とかならないだろうか。小型化や高性能化を進めれば普通の気球でも使えるんだが……)
純粋に楽しんでいる家族を見つめる憲兵や軍人たちは複雑な顔をしていた。
特権により法律をガン無視できるという意味では騎士団長にふさわしい男なのかもしれないが、なんでもできすぎて要求が増えていく。
もうすぐ彼も前線に復帰するのだろうが、それまでに写真の小型化について研究してほしいと思わざるを得なかった。
そう、彼の戦線復帰はもう近いのだ。
「それではみなさん! 先日のライナガンマ防衛戦において騎士が食べた保存食をご用意しました! 合法の食材を合法の調理法で再現した物なので保存は効きませんので、この場でお食べくださいね!」
大イベントを成功させることで英気を養っていたガイカク。
笑顔で接待している彼の脳内は新しい軍略を練るフェーズに突入していた。
(コレが終わったら次は戦争か……どんな手品を披露しようかねえぇ……ひひひひ!)
※
一方そのころ……。
先日奇術騎士団と一戦交えた智将メラスの居城。
自ら隠居状態に入っている彼は、子供向けも含めた兵法書を読み漁っており、まさにゼロから学習し直していた。
一種不気味なのだが彼は精力的に勉強をしており、子供のように生き生きとしている。
もはや彼の正気を疑う者も多い中、その城に訪れる者がいた。
筋骨隆々たる文官が、二人の若者を連れてきたのである。
「おい、今日が約束の日だぞ。なぜ片付けや迎えを用意しない」
「そうだったかな……なにせ勉強が楽しくてなあ。やはり楽しい時ほど止め時が見つからないものだ」
とても散らかっている部屋の中は、彼の頭の中の様である。
智将メラスの部屋とは思えない雑然ぶりに、若者の内片方は失望した顔をしていた。
一方でもう一人……人間以上の筋骨隆々たる若者、オーガであろう男子は憤った様子である。
もしも話が長引くようなら帰るか暴れそうであった。
「その二人がマルセロ閣下とグリフッド殿と縁の深い若者か。それでは先に片づけるとしようか」
マルセロとグリフッド。
この二人の名前を聞けば、誰もが『大敗の責任者』であると考えてしまうだろう。
元々名の知られていた智将と武人だったのだが、先のライナガンマ攻略戦において討ち死にしそのまま戦争も敗北したので名声は地に落ちている。
対照的にティストリア、ガイカクの名前が上がっているが、それも世の常であろう。
とはいえこの場の若者二人はそれを受け入れているようには見えなかった。
ガイカクを追い詰めた……ということになっているメラスへ話を聞きに来たのである。
「オーガの若者よ。奇術騎士団に勝つ方法を教えよう」
マルセロでも無理だったことをさもたやすいことであるかのように説明し始めたメラスに、マルセロゆかりの若者と筋骨隆々たる文官は驚いていた。
話している内容ではない、得体のしれぬ騎士団を倒す方法を彼が既に知っていたことに驚いていたのだ。
そしてその内容はオーガでもわかるようなシンプル極まりない作戦だったのである。
「なるほどな! ありがとうよ、おっちゃん!」
ずんずんと上機嫌そうに去っていくオーガの若者を、残った文官は不安そうに見ていた。
彼の破滅が問題ではなく、彼の作戦が成功した場合のことを考えてのことだった。
メラスは文官の心配などどこ吹く風であった。そのままじろっともう一人の若者を見つめる。
「君の要件はマルセロ閣下の名誉回復について、かな?」
「はい。マルセロ閣下は偉大な智将でした。その彼が今や敗戦の愚か者扱い……とても許容できません。彼はあんな大博打に巻き込まれただけなのですよ? そんなやり方で一度負けただけだというのに、誰もがマルセロ閣下を口汚くののしる。この状況を何とかしたいのです!」
奇術騎士団さえいなければ、ライナガンマ攻略戦はマルセロの一代事業として語られるはずだった。
微に入り細に入り、精密なる大戦略をくみ上げた手腕が後世まで語られるはずだった。
それが未完成の魔導技術による大博打で覆されてしまった。
マルセロの名が地に落ちたことを彼は何とかしたい様子である。
「諦めなさい。君の振舞は彼の名誉を更に卑しめるだけだ」
「……!」
「一度の敗北ですべてを失うなど将にとって、武人にとって当たり前のことだ。それともあの戦争で死んでいった将兵の遺族たちへ『あの敗北は大したことがなかった』と言えるのかね?」
「言えません。ですが、あの時もう少し果断をしていれば……マルセロ閣下亡き後に指揮を担っていた四方の将が踏ん張っていれば、マルセロ閣下の仇を取ることができたのでは? 騎士団を殲滅できたはずではありませんか!」
若者の切なる叫びに対してメラスはやはり冷めている。
「マルセロ閣下は君へそのような指導を行っていたのかな?」
「……されて、いません」
「その通りだ。あれだけの大戦略をしておきながら、途中で作戦目標を切り替えるなど正気ではない。大体それを言うのなら、マルセロ閣下が攻城兵器をいったん下げたことをこそ咎めるべきではないかね? アレが無ければ騎士団は全滅していたはずだ」
「それは、結果論です!」
「そうだ。君の言葉も結果論だよ」
ガイカクは初手で攻城兵器を破壊し、食糧庫を焼いた。
それに対してマルセロは慎重な対応を取ったが、強硬策を選ぶこともできていたはずだ。
それで騎士団は壊滅していたはずなのだから、マルセロの作戦負けと言えなくもない。
「君は自分の求める結論の為に理由をつけようとしている。それは危険なことだよ。それも習ったはずだ」
「ですが……では、受け入れろと!?」
「そうだ。彼は戦争で負けた。それだけが真実であり結果だ。それを否定するほど彼は恥知らずではなかったよ」
勝てば官軍負ければ賊軍。
あまり良い言葉ではないのかもしれないが、多額の予算と人員を動員したのだから責任は取らなければならない。
それが嫌なら最初から責任者などやらなければいい。
「君がやるべきは、さきほどのオーガのように武勲を挙げることだ。君が成長し名将となり、マルセロ閣下こそ自分の師であると語ることこそが名誉の回復につながると知り給え」
「……それで、先程の作戦なのですか?」
「マルセロ閣下がご存命でもあのような作戦を考えただろうね」
「しかしあれは……凡策では?」
「それを言えば攻城戦だって凡策だろう。凡策を成功させることこそマルセロ閣下の手腕だったと思うがね」
メラスの言葉を聞いた若者はしばらく考えたのち、深く深く頭を下げてから退室した。
残ったのは文官とメラスだけである。
「……なあ、いいのか? 今回の作戦をあの二人が実行するとして、もし万が一のことがあればお前もただじゃすまないぞ?」
「そうでもない。彼は今動力付き気球の試運転を行っているのだろう? 流石に諸国の首脳も最悪の可能性を考え始める時だ」
ガイカクの危険性と有用性は表裏一体である。
そしてティストリアが彼を完全に制御している状況は今後も続くだろう。
もう殺した方がいいんじゃないか?
心底からそう思う者、心のどこかでそう思う者。
あるいは殺しても咎めるべきではない、と考える者もいるだろう。
「そもそもヒクメ卿は敵国の武人。殺したことを表立って咎めるのは難しいはずだ」
「それはそうだが……しかしなあ、さっきの作戦は正気か? あんなの誰だって警戒するだろう?」
「当たり前だ。特に今回は失敗する公算が高い。しかしそれは確率の問題ではなく武力の問題だ。彼らが十分な準備をしたうえで戦力を整えれば上手く行くだろう。そもそも……相手が警戒する作戦、凡庸な作戦こそ王道なのだからな」
文官は彼の成長を感じていた。
もしも再び彼に機会を与えれば、大いに武勲を挙げるのではないか、と。
「とはいえ……運の要素がないわけでもない。もしも蠍騎士団が絡めば成功率は一気に上がるだろう」
メラスはそんな先のことを考えていない。
策を授けた二人がどこまで上手くやるかを案じていた。
本作のコミカライズが本日更新されます。
よろしくお願いします。




