表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強ポーターは力を隠して冒険者の冒険を見守る~え?自分は戦わないのかって?蟻んこ一々踏み潰したって面白くないでしょ?  作者: まんじ(榊与一)
帝国からの冒険者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/54

第37話 セーフ

「どうやら、此方の意図は気づかれているみたいだな」


「情報を引き出したいみたいだけど、無駄だよ。死んでも話す気はないんでね」


長々と引っ張っても仕方がないので、煽ってさっさと答えを確認する事にする。

まあ此方の命まで取る気はなさそうに見えるが、それでも俺の体に攻撃を加えた時点で……PKとして処分させて貰う。


「ミテルー。我々は竜宮を――グレートドラゴンを何としても攻略しなければならない」


レイドの手にした剣が閃き、俺の首筋に触れて止まる。

まあ押し付けているだけだ。

傷はついていないので、ギリギリセーフとしておく。


「俺が死んだら、荷物を持つ奴がいなくなるぜ?」


「その時はゲートを使って帰るだけだ」


ゲート。

それは深淵の洞窟(ディープダンジョン)から脱出するために用意された転移装置だった。

一つは迷宮と水の神殿の間にあり、残り二つは竜宮入り口とグレートドラゴンの出現する空間――討伐者のみ利用可能――に設置されている。


「成程」


ここはまだ水の神殿に入ってすぐの場所だ。

引き返すのは容易い。


「ミテルー。俺は本気だ。痛い目を見る前に、素直に話した方が身のためだぞ」


「それは無理な相談だな」


俺は口の端を歪めて不敵に笑う。


「長生きしたくは無いのか?」


「それなら神器が手に入った時点で引退してるよ。売れば一生遊んで暮らせる金になるんだからな。俺はこのポーターって仕事が好きでね。だから、依頼主の情報を売ってまで長生きする気はない」


まあ転生者である俺は基本不老不死なので、嫌でも長生きする事にはなるんだが。


「たかだか荷物運びの矜持に命をかけるというのか。くだらん」


「薄汚い強盗よりはマシだろ。それともお前は、その行動に胸を張って生きてるのか?」


「貴様……」


ぎりっと、噛み締められたレイドの奥歯が軋む。

首筋に押し付けられ剣が、ぐっと一段強く押し付けられた。


「もうやめようよ!」


此処までかな?

そう思った時、突然フィニーが声を上げた。

純粋な彼女には、こういった卑劣な手段が受け入れがたいのだろう。


「こんなのあたし達がする事じゃないよ!」


「フィニーの言う通りですわ、レイド様。確かに情報は欲しいですけれど、私達ならばそんな物に頼らなくともきっとグレートドラゴンを倒せるはずです」


エマもその意見に同調する。

他の面子も口に出しこそしてはいないが、同じ意見の様だ。

表情を見れば一目でわかる。


「くっ……だが我々に失敗は許されない……恐らく今のままでは」


父親であるガンドから、竜宮の主の強さは嫌という程聞かされているのだろう。

そして今の自分達では勝てない。

若しくは勝てても多大な犠牲が出ると、レイドは判断しているのだろう。


まあ大正解だ。


レイドの腕は大したものだとは思うし、配下のヴァルキリー達の能力も相当高い。

だがそれでも、7人という少数で勝つのは厳しと言わざるを得なかった。


ヴァルキリーレベルの人間が後2-3人いれば話は変わって来るのだろうが、恐らく彼らは人員を増やすつもりは無いだろう――まあ仮にあっても、そんな人材は早々転がっていない分だが。


「大丈夫だよ!あたし達強くなるから!ね!皆!」


フィニーの言葉に全員が力強く頷く。

それを見て、レイドは手にした剣を俺の首筋から離した。


「わかったよ、皆……。ミテルー、不快な思いをさせてしまってすまなかった」


レイドは深く腰を折って頭を下げる。

俺はその頭を軽くはたいてやった。


「2度とすんなよ」


「ああ、分かっている。本当に済まなかった」


「ならいいさ」


その後パーティーは水の神殿と火の神殿を抜け、無事竜宮にまで辿り着く。

そこでドラゴンを何体か狩ってから、入り口のゲートを使って帰還した。


「ミテルー!」


仕事が終わり、街に帰った俺は彼らと別れる。

少し歩いた所で、背後からフィニーが駆け寄って来た。


「どうした?」


「あのね!レイドに剣を突き付けられても自分を貫いた時のミテルー、凄く格好良かったよ!」


「ははは、そうか?」


まあ曲げなければいけない様な窮地では無かっただけなのだが、褒められて悪い気はしない。

俺はぽんぽんとフィニーの頭を軽く触る。


「うん!すっごく格好良かったよ!」


急に背伸びをした彼女の唇が、俺の頬に触れる。


「じゃ、またね!」


驚いた俺は、ポカーンと走って行く彼女の小さな背中を見送った。


頭の中にレムの≪残念です≫の一言が響く。

どうやら俺の様子を見ていた様だ。

覗き見なんて悪趣味な真似してんじゃねぇよ、まったく。

悪くないと思われた方はブックマークを。


お、お白いかもと思われた方は評価の方宜しくお願いします><


評価は下の星からできますんで!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ