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 ベッドの上に並べた服。それらをただ着るだけでは意味がない。これらの服の組み合わせでどのように人からみられるか、それが大事なのだ。


 スキル、身は体を現すは、その外見にあった力、スキルを得るスキルである。そのため見た目重視、むしろそれ以外はいらないのだ。


「まさか異世界に来てコーディネートに気を使うなんて思いもしなかったな…。」


 とりあえず、どこまでが違う服、コーディネートになるのか判定を判断するために、体全体を隠せる暗い茶色のローブを羽織り、スキルを発動する。


 <身は体を現す>!


 ………。


スキル

<身は体を現す>

<クラウン>

<ジャグリング>

<見習い魔導士>

・魔導士に弟子入りを果たした見習い程度の魔法技術、魔力、知識を得る。



 おお!魔法関連のスキルが増えた!頭のなかに魔法についてのとてもかんたんな理屈が元からあったように思い出すことができる。


 この世界において、魔法は一般市民が扱う代物ではない。それこそ遺伝によって一族に受け継がれていくものが魔法である。また、魔法はその希少性から大半が貴族や王族に囲われていき、民間にその恩恵の大半は流れてこない。


 市民からすれば魔法は憧れであり叶わぬ夢のようなものだった。

 そのため、スキル、見習い魔導士により魔法についての知識が得られたのは僥倖といえよう。



 この世界における魔法はほとんどが秘匿されており、基本的な情報しかわからなかったが、全ての生命体それぞれに魔力が内包されているらしい。その魔力を使用して魔法を使うと。動物が活動のためにカロリーを消費するのとほとんど同じようだ。しかし、その魔力を認識する方法が難しいようだ。


 絶食と山籠りによる極限状態まで自身を追い詰めることで魔力を認識させる……?


 そんなことできるか!!ここはスキルによってずるをさせてもらおう。


 見習い程度の魔法技術、魔力、知識を得る、この中の魔法技術は魔力認識までが含まれていた。危ない危ない。

 少し肉体に意識を向けると、何となくではあるが

エネルギーを感じる。何となくではあるが。この何となくのために絶食は僕には無理だ。


 ローブ一枚でこのスキルを得たのだ。他を組み合わせたらもっと凄いものがでるかもしれない。


 僕は興奮を押さえつつ服を着ていった。






「………。」


スキル

<身は体を現す>

<クラウン>

<ジャグリング>

<注目の的>

・一定周囲の注目が全てこちらにむく。どんな状況下でも注目される。

<戯けた存在Ⅳ>

・周りから馬鹿にされる。誰も近寄らなくなる。嫌われる。



 ただダサくなってしまっただけのようだ。僕は無言で服をもとに戻した。


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