どこの世界も大変
「商業ギルドへようこそ!どんな御用件ですか?」
凄い美人な受付の方が話しかけてくる。
「ええと、僕のジョブの関係で仕事するのに許可がいるのかなと思ってわからないので聞きに来たのですが…。」
美人に話しかけられ慌ててしまう。
「なるほど、ジョブに関係した仕事を始めるご予定なのですね?それでしたらこちらでお待ちください。」
そう笑顔でいうと受付の方は奥へと行った。
「……緊張した。」
商業ギルド。何というか、市役所のような雰囲気だ。窓口がいくつもあり、多くの人が話している。冒険者のように鎧を身に纏う男性や、顔が猫な人、あれはドワーフか?色んな人が来ているんだな。
「だから!!俺ァろくでもねぇ坊っちゃんに剣なんかうちたかねェんだよ!?わかるだろ!?!?」
「しかしそれは不当な差別になると当ギルドでは判断しており…」
「話の通じねぇ嬢ちゃんだな!!!??」
……。
「頼むよ~~、融資してくれよ?頼むよ?な?」
「マタタビ専門店は法律上認められておりません。」
「なぁ…。そうだ、上物のブツがあるんだけどどうよ?」
「にゃッ!にゃんと……いやいや、ダメです。」
「ふにゃーー!」
………。
「美しきマイプリンス、今日こそ私と結ばれよう!」
「だから仕事場にまで押し掛けないでください!」
「この愛は誰にも止められないのだよ…。」
「警備いーーーん!!!」
「またお前か!?大人しくしろ!!」
「ハッハッ!!また来るよ!!」
…………。大変なんだな。
「お待たせしました。開業についての担当をしております、マギスと申します。」
目の前にヤギの顔をした背丈は180cmくらいありそうな人が立っていた。
「ええと、ツカサといいます。開業というか、僕のジョブが路上とかで芸ができるものでして。」
「失礼ですがジョブをうかがっても?」
「はい!道化師なんですが……。」
「なるほど、なかなか珍しいジョブを選択なされたのですね。では……。こちらの書類をご覧ください。」
そういうとマギスさんは子冊子を僕に渡した。
「こちらにはツカサさんの道化師を始めとした路上等での商業的活動についてまとめてあります。基本的に当ギルドにて登録をしていただき、活動範囲、つまりどこで行うか、を提示していただきます。」
「はい。」
「その後、こちらの方で認証を行い、晴れて活動が可能になる、という流れになります。」
「なるほど……。税金とかはとられるんですよね?」
「基本的には日の売り上げの2%となります。加えて追加でお金を払っていただくと登録情報にプラスがつき、活動範囲や仕事の仲介などが行われることになります。まぁかいつまんで説明すれば場所代が通常でとられます、より多くお金をだせばメリットが増えます、といった感じですかね。」
「なるほど……。」
「登録は銀貨1枚ですが、どうされます?」
「とりあえず聞きに来た感じなので、今日は遠慮しておきます。」
「わかりました。それではまた何かございましたら当ギルドにお越しください。」
僕は商業ギルドを後にした。




