制限
とんでもないスキルがぽんぽん増えてしまったわけだけども。
スキル
<身は体を現す>
<クラウン>
<潔白の鎧>
・あらゆる魔を打ち払う鎧。全ての魔法を無効化し、あらゆる攻撃を跳ね返す。
<王宮剣術の極意>
・王宮剣術の全てを会得する。
<神聖魔法>
・神により認められた者だけが扱うことを許される魔法。神の力の一部を借り、人智を超えた事象を引き起こす。
<聖騎士の威圧>
・王族以外の全てを威圧する。騎士団や王族以外からとても嫌われる。
<偽りの騎士>
・中身の伴わない偽物の騎士であるため、本来の力を使えるのはごく僅かである。
本当にとんでもない。確かにこの鎧はすごく外見は綺麗だけど、こんなに強力なスキルが増えるとは思ってもみなかった。これらのスキルを文字通り読めば最強といっても差し支えないけど最後のスキルが問題だ。
<偽りの騎士>
・中身の伴わない偽物の騎士であるため、本来の力を使えるのはごく僅かである
つまり、この姿でスキル発動ができるのは僅かしかないということだろう。今はなんでも出来ると思えるほどの万能感が僕を支配している。しかしこの万能感も長くは続かないということだろう。この時間はどの程度続くのだろうか。
ちょうど前から都合よくゴブリンが近づいてくる。僕はスキルである聖騎士の威圧を発動する。
「ゴアッ…。」
ゴブリンが白目を向いて倒れてしまった。それと同時に体を包んでいた万能感が消え、いつもの冴えない僕がこんにちはした。
(スキル1回分くらいが限界ってことかな…?)
再度検証するためにスキルを発動する。
<身は体を現す>発動!!
……。
スキル
<身は体を現す>
<クラウン>
どうやら同じ服を着て連続でスキルは使えないらしい。
何となく、この<身は体を現す>というスキルが何なのか分かってきた。
つまりこのスキルは「外見に合った力、スキルを僕に与える」、そして「外見があまりにも中身、僕にそぐわない場合は、条件付きでスキルを僕に与える」わけか…。
とにかくただの脆い鎧と変わったリビングメイルの鎧を脱ぎ、ブラックウルフの防具に着替えた僕は、再度スキルを使いゴブリン狩りをしていった。
そういえば、クラウン状態でも身体能力があがるとあったな…。加えて習熟度もあがるとあったはず。クラウン姿で少しゴブリンを狩ってから今日は帰ろう。
そう思い、僕はクラウンを発動する。
ダンジョンという空間にそぐわない明るい服装、白塗りのクラウンが現れる。
実際のところ、さっきの冒険者装備より体が動かしやすい。バク転何かも簡単にできてしまった。
剣を片手に戻りながら歩みを進める。すると目の前にゴブリンが現れる。
先程からの要領でゴブリンを狩ろうとすると、少し違和感を感じた。違和感といっても悪い方ではない。むしろどこをどうすれば剣が振りやすいか。脚の運び方や距離の詰め方何かが自然と頭に浮かんでくる。まるで何度も練習していたかのように。
ゴブリン自体は簡単に倒すことが出来た。
「もしかして道化の嗜みスキルのおかげか……?」
もしかするとかなりのチートスキルなのではと考えていると頭に何時ぞやの声が聞こえる。
<ランクが1になりました。スキル<ジャグリング>を付与します。>
<今後も神への忠誠を忘れないように。>
どうやらランクアップしたようだ。




