第3話
朝だ。もぐたん、天使、愛ーー。
夢だったのか、あれは。
僕にはまだ、あの夢には続きがある、もう一度寝たらまたあの夢の続きを見るような気がした。
起き上がる。
「あれ、こんなのあったっけ?」ベッドの上に見慣れないぬいぐるみがあった。
「美桜のかな?」ぬいぐるみを持ち上げた。どこかで見た顔だ。
リビングに行き、ぬいぐるみに色んなポーズをとらせてみる。ダメだ、思い出せない。
「お兄ちゃん、なにやってんの?キモいんだけど。なにそのぬいぐるみ。」妹の美桜だ。
あの言い方だとあいつのものじゃないのか・・・。それをもって部屋に戻る。#みつめてみた。
「・・・!?」
あれ、今確かに動いたよな?気のせいか?いや、ウィンクをしたような・・・。
「まだ気づかないの?もぐだよ、もぐ!」
「あー・・・!?」
そういえば、あいつだ。なぜ?どうして??あれは夢の中での話じゃなかったのか。そしてこれはぬいぐるみではないのか。
「これはね、チミともぐの心の中でのお話してるの。それと、もぐの動きはチミにしか見えないの。周りの人からはぬいぐるみにしか見えないんだよー。すごいでしょー!」
すごいでしょーって、まだ何も理解できてないし、それに何で現実の世界にこいつがいるんだ?
「あのね、夢の世界で天使を安全なとこにいっぱい作ったじゃん?良く考えてみたら、こっちの世界で作っとくのが一番安全だなぁーって。」
「おぉー、もぐたん!君にもそんな賢い頭があったのか。」
「失礼だなー。もぐだってそれくらい思いつくもん!」
時計に目をやる。
「あ!もう学校に行かなきゃいけない時間だ。もぐも来る?」
「え!いいの?行く行く!」
こうして現実の世界でももぐたんと一緒に生活することになった。どうなることやら・・・。