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#5とりあえず宿を確保しよう。

#5 とりあえず宿を確保しよう。



冒険者登録は何とか完了することができたが、ついでに借金生活をすることになってしまった。


前回の冒険時はその辺はイージーモードだったので、今後も心配だが、まぁなんとかなるだろう。


とりあえずは、汚れを落としたいので宿を探すとしよう。


ネネさんに聞いたところ、ギルドが直営している宿では、ギルドの契約冒険者はお金を払わなくても良いらしい。ただし、飲食代等は給料から天引きされるそうだ。


日銭も持っていない自分としては、直ぐにお金を払う必要が無いのは、願ったりかなったりの状況である。



ギルドの外に出てみると、直ぐに声をかけられた。


「あっ、登録が終わったんだね?」


どうやらシラユキが、心配で待ってくれていたみたいだ。


心配されるほどのことをしているわけではないのだがと思ったが、そういえば初心者という設定だった。


「はい。何とか登録できました。それに借金の返済までですが、契約冒険者になることになりました。」


「凄い!いきなり契約冒険者だなんて!トレミスのギルドは最低でもBランクからじゃなきゃ、なれないのに。実は凄い実力の持ち主だったり?」


「いえ、単に契約金が払えなかっただけです。。。」


「あっ。。。ごめんなさい」


「いやいや、謝らないでくださいよ。確かに借金を背負うのは予想外だったのだけど、むしろ、宿の心配が要らなくなったから、ラッキーぐらいに思ってるんですからね」


「そうなんですね。良かったです。初心者だって聞いてたのに、ろくに説明をせずに連れていった挙げ句に借金を背負わせちゃったのに、どの面下げてんだこらぁとか言われるかと思ったです。」


「俺、どんだけひどいやつなんだよ(笑)。そんな事、言わない言わない。むしろ、一人で心細かった所に声をかけてくれたことに感謝してるんだから。」


「そうなんですか?…いや、うんそうですね。北の村から来たばっかりなんだもんね。君、なんだか危なっかしいし、お姉さんが、案内してあげます。」


いや、むしろ危なっかしいのはぶつかってきたシラユキの方だろとも思ったが、普通の冒険者の生活はまだまだ知らないことが多いので、お言葉に甘えることにしよう。


「いいんですか?」


「うん。私が教えられることなら何でも教えてあげるよ!」


「ありがとうございます。」


ということで、これで一人で寂しい冒険者生活にならずに済むようだ。


こちらの世界に来てから一人でいることが、少なかったので、なんとも心強い。



そして、ギルド直営の宿まで連れてきてもらった。


「ほらここが、君が寝泊まりする宿だよ!」



――――――――――――――――――――

トレミスの宿

あなたの冒険者ライフをサポートします。

――――――――――――――――――――



シラユキに先導され、中に入ってみると1階は食堂が併設されていて、まだ晩御飯には早いのだが、既に飲み食いしている人が何人かいた。


多くの冒険者が利用する宿なだけあって、かなりしっかりとした作りの様だ。


「じゃあ、まずは受付だね!あっちのカウンターでなんだけど。。。あっ!アラミスさーん!」


カウンターに人が立っていなかったので、食堂にいた女将さんに声をかけて呼んでくれた。


シラユキもここの宿でお世話になっていた期間が長いらしく、今でもよくご飯を食べに来るので、顔見知りらしい。


「やぁ、シラユキちゃんじゃないか。今日の日替わりは月に一度のマスター特製のスペシャルメニューだよ!」


「!それはおいしそうですね!じゃあひとつくださ。。。じゃなくて今日はお客さんをつれてきたんです。」


女将さんの勢いで、忘れられそうになったが、ちゃんと自分のことを紹介してくれた。


「へぇー、北からはるばると、来たんだね。初心者とはいえ、ギルドの契約冒険者として働くなら長期の宿泊になるんだろ?」


「はい。借金のこともあるんですが、しばらくはこの村を拠点にしようと思っています。」


「ははっ。いきなり借金生活かい。ならその間はぜひこのトレミスの宿をご贔屓にしな!契約冒険者は私にとっては家族のようなものさ。自分の家のように思ってくれて構わないし、困ったことがあれば、このアラミスに頼んな!」


「はい。ぜひよろしくお願いいたします。」




こうして、無事に宿を確保することができた。


シラユキがナビしてくれる。

トレミスの宿をホームにする。

女将のアラミスさんにであった。

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