#4借金スタートの冒険者生活。
#4 借金スタートの冒険者生活。
受付嬢のネネに連れられ、案内された部屋に行くと魔方陣が床に刻まれており、中央に教卓のようなサイズの大きな石がおいてあった。
「そこのコンソールに手を当てるとあとは勝手に君の体を読み取って、プレートに冒険者登録されるからね。多少の魔力を消費するから、必要ならポーションをもってくるよ?」
「わかりました。それでは一応用意をお願いします。」
恐らく、今は問題は無いのだろうが、前までは魔力が無くて、こういう魔道具系のアイテムは魔力が枯渇してしまう為に使えず、直ぐに倒れてしまっていたので、用心のために飲んでおこう。
サービス?なのかは分からないがそこまで高いものではないだろう。まぁ払えと言われても、無一文なので、今はお金を持っていないのだが。。。
そして直ぐに持って来てくれたポーションを飲み干し、コンソールへ手を当てる。
すると、魔法陣に魔力が注がれたのか淡い光に包まれる。
しばらくすると、体の周りから光の珠が出てきた。次第に一ヶ所に集まっていき、一つの大きな光になるとプレートに吸収されていった。
恐らく、最初の光で体をスキャンして、その後に出てきた光の珠が自分のステータス情報なのだろう。
光が収まった後にプレートを見てみると、そこには既に今の自分の情報が刻まれていた。
表
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名前:[ユウキ-ナルセ]
ランク:[G]
称号:[初心者冒険者]
所属:[無し]
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裏
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ステータス
状態:[異常無し][神の祝福]
能力:[体力D][魔力D]
スキル:[取得の心得S][気配察知A][聞き耳A]
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初めての冒険者登録なので、表面の内容には不満はないのだが、裏面の内容には疑問が残る。
前回まで、魔法は使えなかったので、魔力の評価がDなのは良いのだが、S評価であった体力もDで可能な限り覚えたスキルがほとんど無い。
なので、表示内容に疑問が残るのだが、ネネがこちらに近づいてくるので考えるのは後にする。
裏面の情報を見せるのは少し躊躇いがあるが、どうやら、見せなくて良いらしい。
表面の表示は、常時表示され、冒険者登録に必要なので見せる必要があるが、裏側の表示は個人情報なので開示する必要はないらしいとのことだ。なので、言われた通りに手続きを進めて行く。
「はい、それではこれでユウキさんの冒険者登録は完了になります。カードの説明など必要ですか?」
「そうですね、わからないことばかりなのでお願いします。」
神官に任せていたので、冒険者のことなど知らなかったので、全ての説明を受けることにする。
「わかりました。それでは長くなりますのであちらの部屋で説明します。」
そう言われて、応接室のような場所に通された。
飲み物は要りますか?と聞かれたので、そういえば、再召喚されてから何も口にしていなかったことを思いだし、お願いすることにした。
お腹がなったので、ついでに軽食も持ってきましょうか?ということだったのでお願いした。
「それでは冒険者、そしてギルドについて説明していきますね。」ということで説明してくれた内容は下記になる。
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[冒険者]
市民または行政からの依頼を受けて、こなす人。もしくは、魔物を倒し、その素材によって、生計を立てるもの。ダンジョンなどの遺物から見つかる宝によって一攫千金を狙う人もいる。
因みに、以前に所属した聖騎士団は、教会の所属であり、国教にしてくれている王族の拠点を守護するのが主な役割である。一般の冒険者ではなかなか手に負えないAランク以上の魔物の討伐も請け負うことがある。魔王討伐もその一環である。
冒険者カードの表に書かれる称号は、冒険者の行いによって変わる。それは、魔物の討伐を記録する機能がカードに備わっていて、カードを所持した状態で魔物を倒すと、特殊な魔力の揺らぎが発生するので、それによって記録されるので、それをギルドでチェックされて、依頼の達成状況からギルドが変える。
中二病感が満載な二つなを与えてこられても困るので、拒否したいが、ギルド連盟が取り決めることらしく、無理とのこと。
だが、特別な称号を貰えることは少なくて、有っても、同じ系統の魔物を倒し続けた○○スレイヤーとか、同じアイテムを収集する○○コレクターだとからしい。
[ギルド]
国によって認められた組織で、様々な依頼を受け付けて冒険者に斡旋する役割を担っている。
ギルドによって系統があり、さらには星のかずで示されるランクも存在していて、ランクは通年の依頼達成数と達成率また達成依頼のレベルから評価されている。
系統はスペード、ダイヤ、クローバー、ハートでありそれぞれを説明すると
[スペード]
魔物の討伐を受付、斡旋している事をしめす。※お抱え冒険者のレベルが低いと依頼をこなせずに解約することになるので、このマークを掲げられ、かつランクが高いことが評価の高いギルドの指標とも言われる。魔物の討伐を請け負うことがギルドの走りであり、いわゆるギルドの本業である。
[ダイヤ]
商人からの依頼を受け付けていることを示し、素材の売買がメインの依頼が多いが運搬や護衛の依頼もある。魔物の討伐とセットに受け付けることと効率が良くなるので、スペードを掲げるギルドはダイヤも掲げることが多い。これをメインにしているギルドは商業ギルドとも呼ばれる。
[クローバー]
一般の市民からの依頼を受け付けていることを示す。捜索依頼などの依頼が多く、この依頼をこなす人はボランティアとも言われることが多い。需要が多く、必要性は高いので、基本的にはどこのギルドでも初めはこのシンボルが掲げられているが、初心者の冒険者やレベルの低い人しか依頼を受けないので、達成率が低くなることもあり、レベルが高いギルドは掲げなくなる。そのため、心無い冒険者からは見下されることもある。
[ハート]
教会からの依頼を受け付けていることを示す。聖騎士団に直接持ってこられる依頼は多く、すべてをこなすことが出来ない時も多い。そのため、ギルドに依頼を仲介しているのでその依頼を受け付けていることを示す。
信用がないギルドには話がこないので、このシンボルを掲げることが一流のギルドとして認められる登竜門とも言われる。
一般の依頼と違って、病気の治療をするために必要なスキルが求められることも多い。
※お抱え冒険者はギルドと契約している冒険者で、そのギルドがある町を拠点に通常の冒険者と同様に依頼をこなすと同時に、期限が近い依頼を仕事としてこなす必要がある。契約の期間中は毎月の終わりに、依頼報酬とは別に決まった給料を貰える。
一定の期間、特定の町に留まることが分かっている冒険者は短期契約を結ぶことも多い。
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「だいたいの説明はこのようになりますが、説明を希望した方に冒険者の心得を渡していますので、こちらもお読み下さい。」
「有難うございます。何から何まで有難うございます。」
「いえ、これが仕事ですから。」
怖くなるくらい、終始笑顔なので気になったので流石にそろそろこちらからお金について誤魔化しながら聞いてみることにしよう。
「いやー、タダでこんなに、サービスが良いなんて思ってもみなかったですよ。流石、都会は別格ですね。」
「は?。。。あの、、、まさかお金を用意してないのですか?」
「えっ、あっ、もしかしてお金がいるんでしたか?」
「当たり前じゃないですか!冒険者登録には、金貨1枚が必要ですし、色々なサービスもお金が必要ですよ!」
「そうなんですか。。。すみません、田舎から出てきたばかりで知らなかったんです。」
「はぁ~。まさか、お金すら持っていないとは。うー、まぁ油断して、説明していなかった私も悪いですし、そういう人もいない訳では無いので、今すぐに払えないのであれば、交換条件と引き換えに借金ということにしてあげます。」
やっぱり、お金が要るのか。まぁ、召喚された勇者ではなく、一般から聖騎士団に入団するのにもいるのにも必要だったみたいだし、予想範囲内。その場合も入隊金を払えない人は給料から天引きされていたが、冒険者でもそのパターンのようだ。
「本当なら、うちのギルドのお抱えの冒険者の推薦とか、実力が有望であることが認められた人しか出来ないんですけど。今回は特例です。」
「有難うございます。因みに交換条件とは何なのですか?」
「それは、もちろん体で払えってことですよ(笑)」
笑顔で何を言ってるんだと思って、( ゜д゜)ポカーン、としていたら、直ぐに説明してくれた。
「ふふっ、冗談ですよ。まぁ働いて貰うことには違いなくて、ギルドのお抱え冒険者になってもらいます。」
「あっ、そういうことですよね。綺麗なお姉さんなら、別に冗談じゃなくてもよかったですけどね」
「あら?お上手ですね。でもさっきのサービス料金は値引きしないですからね(笑)」
冗談を、言いながらではあるがギルドの受付嬢には好印象を持たれるに越したことはないし、しばらく長い付き合いになるので印象は挙げておこう。
「はい。もちろんです。しっかりと働きますよ!」
「いい心がけですね。ちなみに先程の料金はこちらです。」
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登録料:金貨10枚。
サービス料:金貨1枚、銀貨7枚。
(ポーション:銀貨5枚。説明料:銀貨5枚。飲食料:銀貨2枚。諸経費:銀貨5枚。)
合計金額:金貨11枚、銀貨7枚。
※お金の価値は金貨1枚=銀貨10枚=銅貨100枚である。日本円でいうと金貨が一万円ぐらいで考えて良い。
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高くないですか?と言おうと思ったが、いたずらに印象を悪くする必要は無いし、相場が分からないのでやめておこう。
「普通のお抱え冒険者の契約と違って、借金の返済までは、ギルドに併設された宿泊施設に止まって貰うこと、依頼報酬の5割を天引きすることになるので、頑張って働いてくださいね♪」
こうして、ユウキの冒険者生活は借金と共にスタートした。
冒険者登録。
冒険者とギルドの説明
登録料とサービスは借金扱いに
借金は体で払え




