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#2 町に来たらギルドへ行こう

#2 町に来たらまず、ギルドへ行こう。



ヴェルズの先導によって、無事に町が見えるところまでたどり着くことができた。


どうやらセントラルから南西にある森に召喚されていたらしく。ちょっといけば小規模の町があったみたいだ。


道すがら、ヴェルズにこれから向かう町についてあれこれ聞いていた話によると、これから向かう町は[ジャニュア]というらしい。近くにダンジョンがあるわけではないが、さらに南に行くと大きなダンジョンに行く拠点となる街があったり、西に行くと高難易度の迷宮の拠点街があるらしく、中継に使うのに便利で、そこそこに賑わっているとのことだ。



ちなみに、ユウキはこれまでこの[ジャニュア]の町を訪れたことはない。高レベルになると中継地を利用する必要なく、目的地まで一気に移動することが多い。なのでセントラル付近の中継町などは使う機会が無かったので初めて訪れる場所になる。



町のすぐ近くまで来ると入り口に門番がいるのが見えるので、ヴェルズの言う通り、それなりの規模があるのは間違いではないのだろう。


「おーヴェルズさんじゃないか、お疲れさん!」


まだそれなりに距離があったのだが、このヴェルズという男はそれなりに名前が売れているらしく直ぐに気づいたようだ。


「どうしたんだ?まだ帰ってくるには早いだろう?」


「おう、まぁ今日は魔物の討伐に行く前の偵察だったんだが、変なやつを拾ったんでな。一旦町へ引き返すことにしたんだよ」


どうやらヴェルズはクエストの最中だったらしい。偵察段階で本番ではないとはいえ、すまないことをしたものだと謝っていると。


衛兵には俺の姿はヴェルズの影にはいって見えていなかったらしく、驚かれた。


「うおっ。誰だそいつ。てか黒焦げじゃないか。大丈夫なのか!?」


「はっはっはっ、こいつはユウキというらしいんだが、森で魔物に教われていたところを落ちてた魔石の大爆発で助かった、運が良いのか悪いのかよくわからん男だ。」


そんな説明で良いのか?と思っていたが、ヴェルズはこの町では信頼された冒険者らしく、こんな抽象的な説明でも直ぐに警戒を解いてくれた。


もっとも見た目が哀れで可哀想な奴と思われていたとは後日聞いた話だ。


「ほーそいつは難儀な話だな。見たことないから、別の町出身だろうけどギルドカードとか何か身分を証明するものはあるか?」


「あー。。。ないです。」


そういえば、以前使った身分証は装備に入れたままだったので、神に渡したままだ。まぁ、持っていたとしても勇者を称する身分証など見せれるわけもないのだが。


「ふむ、それなら保証金として金貨を一枚預けてもらう必要があるんだけと、その成りで持ってるわけないだろうしな。。。」


「うぐっ。確かにお金は持っていないです。。。」


見た目がボロボロで、身分証を持っていないのに門前払いされないのはヴェルズが連れてきたからだろう。


ユウキはお金を常に付いてくる神官に任せていたから、お金を持ち歩いていなかった。


目立つ訳にはいかないので、押し入る事も出来ないし、魔王を倒した勇者と言うわけにもいかない。なので、お金が用意出来ないので仕方ないと、門番がいないような小さな町に行くよと言おうとすると。


「なんだ、お前、金ももってねーのか。かー、つくづく田舎者だな。仕方ねぇから俺が肩代わりしてやるよ。」


と若干の悪態を言いつつもヴェルズがお金を払ってくれた。


道中の会話からうすうす思ってはいたが、ヴェルズはちょっと調子乗り

感じはあるが、根っからの親分肌なのだろう。


思わず、マジぱねぇす。一生ついていきますアニキ!と言いそうになりそうなぐらい気っ風の良い人だった。


だからこそ門番にまでここまで信頼されている感じなのであろう。


「いいんですかヴェルズさん?流石にお金を借りるまでするのは申し訳ないので放っておいて貰って大丈夫ですよ?」


「まぁ袖振り合うも多生の縁ってな。あんな場所でたまたま出逢うなんてそうあるもんじゃない。ここまで連れてきて、たかが金貨一枚で見捨てたんじゃ、ヴェルズの名が廃るってもんよ。それに勇者の名前を継いでるんだか、いずれ名が体をなした時に恩を返してくれればいいってことよ。ガハハ。」


ユウキという名前は、俺が魔王を倒したあとに伝承のように語られ、増えてきているらしい。が、英雄の名前をつけるなどキラキラネームのようなものだし、だいたいが名前負けするので最近は減ってきているらしい。とはいっても、由来が自分だと思うとむず痒いものがあるので、並べくはユウキという名前に出逢いたくないものである。



そんなこんなで、ヴェルズにおんぶにだっこだったが、何とか受付を済ませることに成功し町に入ることができた。


そして町に入ると、前の召喚時では遠くからしか見てこなかった、異世界の日常が溢れていた。


さまざまな種族が行き交う通りに謎のいかにも怪しいアイテム、そして喧嘩と見間違うような喧騒。


小規模の町ながら、求めていたものが近くにあるこの風景にしばらく感傷に浸っていたかったが、ヴェルズはそんなことを思っているとは思わないので、いきなり背中をバシバシと叩きながら話しかけてくる。


「よし、じゃあまずはギルドへの登録だな。場所はここから真っ直ぐ行った所にある一番でかいのがこの町唯一のギルドだ。今後どうするのか知らねぇけど、ギルドに登録しないと話にならねぇからな。俺は用事があるから一緒には行けねぇが迷うこたぁねぇだろう。」


「えっ!一緒に行ってくれないんですか?」


当然のように案内してくれると思っていたので、何とも情けない感じに聞いてしまった。


「ガハハ、ついていってやりたい気持ちはあるが、仕事があるんでな。それに男なら一人で何でもできるだろう?」


そういえば、魔物の討伐に行く途中だとか言っていたのを忘れていた。


「そうですね。いえ、すみません。ここまで甘えっぱなしだったのが当たり前に感じていて勘違いしていました。このご恩はいつか返させてください。」


いつのまにか、前まで側に常にいた神官的なポジションのように思っていたから、普通にギルドまでついてきてくれるのが当たり前のように感じていたが、今回は一人で何でもしなければいけないのだと、改めて気づかされた。


「おう、金はいつでも良いから返しにきな、俺はしばらくはこの町を拠点に生活しているからギルドに顔を出してくれればいつか会えるだろう。」


笑いながらも後ろ手で手を振って、門から出ていく様は、格好良かった。


まぁ、例えヴェルズの遭遇出来なくても、何とか町にたどり着けただろうが、こうもすんなりと町に入れたとは思えない。いつか、本当に借りを返さなければな心に刻むことにする。



こうして、ヴェルズに助けられっぱなしではあったが、無事に町にたどり着けたユウキは教わった通りにギルドへ向かうのであった。


ジャニュアの町に到着。

ヴェルズは有名みたい。

ヴェルズのお陰で、無事に町へ入れた。

ヴェルズは仕事の続きで、ここでお別れ。

いつか、恩を返すと心に刻む。


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