#21 初めての報酬は。。。
#21 初めての報酬は。。。
しばらく待っていると、査定の結果を携えてネネさんが戻ってきた。
「お待たせしました。凄いですね。量が凄いのは見てわかってましたが、まさか質も高いとは思っていませんでしたよ。」
ということで明細を見せてくれる。
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買取価格
[上]銀貨2枚[中]銀貨1枚[下]銅貨1枚
[ジャスミン]銀貨5枚
※上、中は通常の2倍
薬草[上]17本
―金貨3枚、銀貨4枚―
薬草[中]42本
―金貨4枚、銀貨2枚―
薬草[下]87本
―銀貨8枚、銅貨7枚―
特別枠:ジャスミン[上]8本
―金貨4枚―
合計:金貨12枚、銀貨4枚、銅貨7枚
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「本当にこんなに頂けるんですか?」
「普通はこんな量を1日で持ってくる人はいないんですよ。当然のごとく薬草買取のギルドの最高記録ですよ。」
「本当です。こんな額になったことなんて無いです。」
「ギルドの管理下にある場所の薬草を壊滅させてきたのでは無いでしょうね?」
「多分大丈夫だと。。。」
「そこは、大丈夫です。ユウキさんのスキルは私より高いので、とってはダメなやつはちゃんと見極めてたです。」
「それなら良いんですが、これからはもう少し自重してくれますか?他の人の依頼にも影響が出かねないので。」
薬草収集は基礎的な依頼なので、それほどランクが高くない人が多く受注する。
その薬草を一人で取り尽くすと、生計を立てられなくなる冒険者も出てくる可能性がある。
「はい。すみません。そこまで気が回ってなかったでした。」
「分かってくれれば良いんですよ。召喚者というのが本当かどうかは分かりませんが、あなた自身に私は期待していますからね♪」
うん。リップサービスだとは思うが、こういう気の使える所は流石だなと思う。
「はい。期待に添えるように、頑張ります。」
「ところで、報酬はどのように分配されるのですか?」
「うーん。今回はシラユキさんに授業として付いていったので、自分は無しでも良いですよ。」
「ダメです!今回集めた薬草の半分以上はユウキさんが集めたんです。報酬はちゃんと貰わないとダメなんです。」
「そうですね。仕事に対する正当な報酬は受けるべきですよ。」
「分かりました。では、金貨1枚だけ貰います。シラユキさんに色々と教えてもらわなければ、得られなかったものですし、これ以上は貰っては駄目な気がしますので。残りはシラユキさんが貰ってください。」
お金以上に価値のあるスキルを身に付けれたのだから、多くは望まない。
幸いにも、生活費はとりあえずはギルドが肩代わりしてくれるから、日銭が無くても困らないし。
「そうですか。まぁ、それでも普通の初心者冒険者としては十分な額ですからね。」
ということで、シラユキに金貨11枚、銀貨4枚、銅貨7枚が支払われる。
「では、今日はこれで用件は終わりですかね?私もそろそろ、次の仕事に取り掛かりたいですし。」
「あれ?僕への支払いがまだですよ。嫌だな、ネネさん。冗談ですよね?」
「ふふっ。お忘れですか?あなたには借金があるので、それが無くなるまで報酬=返済に決まってるじゃないですか。」
そうだった。カッコつけてお金を受け取らないとか言っても、そもそも借金まみれで、自分の手元にお金が入るわけではなかった。
「因みにユウキさんの借金は今日の金貨1枚を返済しても、最初より増えてますからね笑」
「なっ。。。」
と驚きつつも、そういえば幾つか心当たりがある。
宿泊費や食事代は勿論だが、サービス代金もバカにならない。
水を貰うのにもお金がかかるし、トイレで用を足すのにもお金が掛かるのだ。
1周目の時は、そこは、お金持ちな聖騎士団だし、お金を自分で払ったことは無かったので問題なかったが、日本にいる感覚で生活しては駄目なのだ。
日本で当たり前のサービスというのは無料ではない。
「・・・ちなみに今の借金額っていくらなんですか?」
ということで、借金額を教えて貰ったのだが
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借金額
合計金額:金貨13枚、銀貨2枚、銅貨5枚
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ちなみにこの情報の開示にもお金がかかるらしい。
今日、稼いだ感じだと直ぐに返済出来る気もするが、こんなことを続けていると悪目立ちも良いところだ。
うん。矛盾してるが自重しつつ、頑張って返済をしよう。




