#18 ギルドへ報告するまでが仕事です。
#18 ギルドへ報告するまでが仕事です。
なんですかこれは?とシラユキが唖然としている。
それもそのはず、シラユキが集めた薬草を遥かに越える量を集めたのだ。
「いやぁ、たまたま薬草が群生しているところを多く見つけただけですよ。」
と誤魔化してみるが、流石にビギナーズラックでは無理があるだろう。
「そんなことで、こんなにはあり得ないはずです。。。」
とやはり納得がいっていない様子だ。
仕方ない。戦闘に役立つスキルではないし、場所が分かってしまうから、ついつい調子に乗って取りすぎた。
今回は初めての依頼ということもあり、ちょっと浮かれていたということもあるが、他の人の目があるときは自重せねば。
ここには、他の冒険者もいるのだ。何がきっかけで、召喚者だとバレるか分からないからな。
シールにバレた理由は野生の勘で、喋り方と匂いだったし。
まぁ、シラユキには召喚者であることはバレているので、ユニークスキルのことを話しても良いだろう。
「そうですよね。まぁ、シラユキさんは知っているんだし、教えても良いですが、口外はしないでくださいよ。」
ということで[取得の心得S]についてシラユキに説明することにした。
「うー、何ですかそれ、ズルいです。私が苦労して身に付けたスキルなのに。。。」
まぁそう言われると、確かにチートだなと思うのでぐうの音も出ないです。
「何かすみません。あと一つお願いなんですが、これだけ薬草を集めたのはシラユキさんということにしてくれませんか?」
調子に乗って集めたはいいが、流石に悪目立ちは避けたい。
「あーそれは初めてでこれだけ集めると疑われますから仕方がないです。でもネネさんにはホントの事を伝えておかないと。。。」
「ちょっ。どうなるか言わないとか逆に怖いからやめて!」
まぁ確かにあの人に嘘をついたことがバレたら何をされるか分かったものではない。
笑顔の裏の修羅が今も脳裏によぎったし。。。
言えないこともあるが、シラユキにバレている事ぐらいは伝えておかなければ、他から漏れ伝わった時が怖い。
「そうですね。そうしときます。」
「では、これで依頼分は回収できたので町に帰ります。帰って報告するまでが仕事なので気を付けるです。」
「はい。」
ということで、依頼の品を納める為にギルドに帰るとしよう。




