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#15 装備を準備する。 その4

#15 装備を準備する。 その4


ようやく落とし穴から、救いだしてもらえた。


シール爺は俺の話をシラユキから聞いてから、しばらく観察しているなかで召喚者ではないかと気付き、問いただす為に落とし穴という一計を図ったらしい。


まぁ、確かに謎の召喚者に正面から話を聞いて、万が一暴れられると困るので、何かしら拘束手段を考えるのは分からなくはないが、落とし穴って。


本気を出したら落ちることもなく逃げられるだろうとも思うが、まぁこれ以上は突っ込まないでおこう。


この場所に連れてきたのが落とし穴の為のフェイクで家は別にあるということを期待したのだが、本当にここに家があるらしい。


爆破された小屋があった場所に行ってみると、そこには地下への入り口があった。


入ってみると、ごちゃっとしているが、いわゆる秘密基地みたいな感じになっていて、ちょっとワクワクしたのはシール爺には言わないでおこう。


家に入ると直ぐに、色々とコレクターアイテムのようなモノを自慢されているのに、これ以上調子に乗らせるとめんどくさい。


あ、あと落とし穴に落としたお詫びということでアイテムバックを普通にくれた。


冒険者時代に使っていたモノらしく、それなりに性能が良い。


収容量はかなりあって、収容物の時間停止機能まである。


かなりお高そうなので、本当に良いのかと聞いたが、もっと良いやつを持っているし、シラユキの為になるのなら構わないとのことだ。


本当に爺バカだなと思うが、言わないでおこう。



紆余曲折があったが、なんとか当初の目的であったアイテムバックをゲットできたし、予想以上に良いものをゲットできたのはラッキーだった。


召喚者であることがバレたのは想定外だったが、シール爺なら大丈夫だろう。


あの爺バカのことだ、シラユキの為にならないことはしないだろう。


まぁ、自分が信用を失わなければだが。


そして、シラユキも俺が召喚者であることを知ってしまった訳だが、こちらはぽろっとばらしそうで怖い。


一応は口止めをしたが、不安だ。


とは言え、自分が召喚者であるという証拠はどこにもないので、今回みたいにヒモ付けできる証拠もないので、誤魔化せると思うのでとりあえずは問題にはならないだろうが。



そして色々とシール爺には聞いてみたいこともあるのだが、今回はクエストに行くことがメインなのでまた今度にしておこう。


というより、シラユキにデレていたり、若い頃の武勇伝を聴かせようとしてきたりで、ちょっと面倒臭くなってきた。


「それでは、シラユキさん。そろそろ町の外へ向かいましょう。」


「そうですね、あんまり遅くなると帰りは日が暮れちゃうかもです。」


「じゃあ、シール爺さん。お世話になりました。色々と聞きたいことがあるのでまた来ます。」


「ふん。シラユキと一緒ならいいぞ。むしろ一人できたら身の安全は保証せんわ。」


「それは怖いですね。」


落とし穴にはめるために、爆破までするような人だから、あながち嘘とは思えないので気を付けよう。


「そうです。シール爺は用心深いので、この笛を吹いてからじゃないと会ってくれないです。」


「シラユキでもそうなら、俺一人ではホントに会ってくれなさそうだな。」


後で聞いた話なのだが、シラユキに笛を吹いてもらうのは、身だしなみを整える時間が欲しいかららしい。


シラユキに嫌われたくないし、カッコいいと思われたいじゃろうが、と本気で言っているのには呆れた。



こうして何とか採集依頼をこなすのに必要なアイテムバックという装備を整えることができた俺たちは、シール爺と別れて町の外へ向かった。



ようやく、依頼をこなしに行きます。

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