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死にかけてる?

大いに慌てて僕を抱き上げ、どこにそんな力があるんだと思うくらいの全速力で僕の部屋まで行きベットまで運んでくれるトリー。


すぐさま屋敷の使用人を集め、医者を呼ぶなどと適切な対応をとってくれたりてんやわんやしてました。

一度ふと意識を失いますが、再び意識が戻ります。

目を開けるのもしんどいのですが、ぽつりぽつりと声がきこえてきました。


「・・・原因不明です。・・・」


「・・・今夜が山です。・・・」


「そ、そんなっ!??・・・」


え、僕ってそんなに大変な状態なのですか。

これ以上起きていられることもできず、あっさりと僕は意識を失いました。



医者のターン


チャーチル家の担当主治医を務めている私の部屋にトリーがドアをぶち破ってあらわれた。


何事かと驚いたが、彼女の尋常ではない様子を見て、とにかく大変だということがわかり、急いで必要な物を持って彼女にひきづられながら、たどり着くとチャーチル家三男トラ坊ちゃまの部屋だった。

豪勢なベットの上には青白い顔をして横たわるトラ坊ちゃまがいた。

一目見てすぐに、これは非常にまずいと思い、すぐに診察に取り掛かる。


まず、体温が高い子供では考えられないほど体が冷えてしまっていてる、脈をとってみても弱い、声をかけてみても意識も無いようだった。

何度もいうようだが、これは非常にまずい。

とりあえず室内の温度を上げろ、チャーチル御夫妻に急いで連絡を取れ、自分と同じ流派の医師の救援通達、などメイド達に命令を出した。


治癒魔法も使ってみたが驚くほど効果がなかったが、少しでも良くなればと自分の気力の続く限り、必死で治癒魔法を使い続けた。


夜になると御夫妻が急いでやってきた。

トラ坊ちゃまにすがりついて泣き出す奥様、唖然としている旦那様。


どんな病気なのかまだ分からないので、本当は部屋に入れたくはなかったのだが、親子で会うことができるのがこれで最後になるかもしれないと御夫妻の強い要望で、少しの時間だけということを条件に面会を許可した。


トラ坊ちゃまの御兄弟達の面会は断った。次期跡取りであることもあるし、どうしても子供は免疫力が低く病気がうつってしまっては困るからだ。泣きながら会わせてくれという御兄弟達を断るのには心が痛んだがどうしようもなかった。



しばらくすると涙目の旦那様がベットからなかなか離れようとしない奥様の肩を抱いて部屋から出て行った。


それと同時に自分と同じ流派の医師たちが応援に駆けつけてくれた。

今まで一人だったので、これまでにないほど心強く思った。

とりあえず現在までの詳しい状況を説明しながら全力で治療にあたる。



トラ坊ちゃまのためにも、御家族を悲しませないためにも全力でやるしかない。




医師たちの長い夜がはじまった。

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