思いのほか痛かった?
僕の家ではよほどのことがない限り家族全員で夕食を食べることになっています。
父ゼロス、母ヨシコ、男チャールズ、双子の兄グリー姉クラーラ、そして僕トラで家族全員で、ダイニングルームなる馬鹿でかい豪華な部屋で食事をとります。まさに中世まさにヨーロッパまさに貴族って感じのお部屋です。
チャールズ家のコックさんが作ってくれる料理は美味しいです、たぶん前世の西洋料理のフルコースのような感じで前菜、スープ、肉or魚料理、口休め、生野菜などなどといった感じで次から次へと出てきます。
いつも家族で会話しながらゆっくり夕食を楽しみます。
「チャールズどうした?さきほどからしきりに椅子を気にしているようだが・・?」
口に立派なカイゼル髭を蓄えたイケメンの父がチャールズに尋ねます。
「いえ、父様なんでもありません」
すぐに本当に何でもありませんアピールするチャールズ。
あぁ、木刀で叩きつけた尻が思いのほか痛いんだなぁと思いながら、知らぬふりをしながら夕食を食べます、このお肉美味しいです。
グリーとクラーラはニヤニヤしながらチャールズと僕の方を見てます。
前世の僕は日本人なのもあってナイフとフォーク使うの難しいです、とお肉を頬張りながら、チャールズの視線に全力で気づかないふりをします。
おっとりとした少々天然が入った母がニヤニヤしている双子の兄姉を見ながら何かいいことあったのねぇ~よかったわぁ、と微笑んでいらっしゃいます。微笑みの似合う素敵な母です。
チャールズそんなに双子の兄姉を睨まないで!そしてグリー&グラーラそろそろおちょくるの止めてあげてください!ほら、チャールズのこめかみに血管が浮かんでるから怒ってるから止めてあげてください。
そんなこんなで楽しい夕食を終えます。
グリー&グラーラは走らないように急ぎ足でダイニングルームから出て行き、それをチャールズが全力で追いかけていきました。
夜も段々と深くなってきて、眠くなってきました。
虫歯にならないように、きちんと歯を磨いてから眠らなきゃいけません、前世レベルの医療は発達していませんからね。
磨くといってもメイドさんに磨いてもらいます。
さぁ、トリー出番です。
膝枕してもらいながら口の中を隅々まで磨いてもらいます。
普通の子供は歯磨きを嫌がるそうですが、僕は嫌がらないので最初の頃に大変トリーに褒めてもらいました。
あとは眠るだけです。
僕が眠るまで、そばでトリーにお話ししてもらいます。
それが子守歌のように聞こえて、いつも気持ちよく寝付くことができます。
もっともっと話を聞きたかったが、いつの間にか意識が飛び、トラ・チャーチル3歳ここで眠る満月の夜。