授業を抜け出す?
色々ありました、本当にごめんなさい。
そしてこんな作品を読んでくれている方々に、深く感謝を。
偉大な王の死後、発見された直筆の日記が発見された。
もう私は、限界だ。
記念すべき時に、失敗をしてしまった。
どうにもならない。
気を張りすぎてしまったのが原因か、もうわからない。
もう、体が震えてしまっている。
少しでも気を緩ませてしまったら、私は、終わってしまう。
この世に生を受けて初めてといっていい、危機だった。
どんなに我慢しようが、限界はくる。
もう諦めよう、無理だと思った。
そこに彼が現れた。
私を助けてくれた。
私は救われた。
本当に救われた。
ありがとう、トラ。
幼少の時とはいえ、王がここまで、感謝を表した人物はいない。
普通であれば、このことがきっかけで王の補佐までとはいわないが
のちに重要なポストを任されるはずであるが、その人物はそのポストについてはいない。
ここで書かれている、トラという人物は、おそらくトラ・チャーチルその人であると思われる。
彼は拷問官という役職の頂点までのぼりつめた人物である。
そんな彼と王との間に何らかの、目には見えないような絆があったと思われる。
私は王と彼との間に何があったのか引き続き調べ、後世の世に残したいと思う。
クレスト・サントリー。
どうしたんですか?
僕はあまりにも王子様のことが気になってしまっていて、気づいたら、そのように
話しかけていました、初めての王子様に話しかけてしまった時でした。
話しかけると王子様は目を大きく見開き、大きく呼吸をしました。
そしてプルプル震えながら、こちらに向かって返事をしました。
花を摘みにいきたい。
ん?お花を摘みに校庭に行きたいってことなんでしょうか?
お花のために、そんなにプルプルするなんて、王族の方は変わっているなと、ぶっちゃけ思いました。
プルプルしてまで校庭に行きたいなら、少しだけどお手伝いしてあげようと思いました。
気持ちよく授業をしているイケメン担任こと、ダブル先生に向かって右手を上げてみました。
「ダブル先生!」
気持ちよくしているところを邪魔されたはずなのに、優しく微笑んでくれたイケメン担任。
「はい、トラくん、どうしましたか?」
「校庭に行ってもいいですか?」
一瞬びっくりしたような顔を見せた先生でしたが、再び優しく微笑んでくれました。
「今、このとき、この瞬間じゃなければいけないんだね?」
許してくれるのかな・・・?と思いつつ元気よく答えました。
「はい!」
ダブル先生はウィンクしながら、
「それが君の選択する道ならば、僕は喜んで送り出すよ!」
と完全に許可してくれました、なぜかとびっきりの笑顔で。
「ありがとうございます、ダブル先生!」
と頭を下げ、プルプル震える王子様の手を握り、教室から抜け出しました。
校庭の花を摘むために。
王子様のご要望通りに、校庭に花を摘みにいったことが、
今後の人生を大きく狂わせることになるとは思っていない、
トラ・チャーチル6歳、となりで未だに王子様はプルプルしている。