隣の席の王子様
放置していて、本当に申し訳ございません。
居心地が悪すぎる。
おかげで冷や汗も、脇汗もびしょびしょでございます。
隣に王子、それを囲むように高位の貴族のちびっ子達。
若めのイケメン担任の話を聞きながら思いました。
僕はどうしたらいいんだろう、もうおうちに帰りたいと。
そうこうしている間にイケメン担任の話が終わり、教室から出ていきました。
出て行った瞬間に王子の周りにはギュッと人が集まってきました。
「・・・様スピーチ最高でした!僕は・・・の嫡嗣の・・・」
「・・・様、ご機嫌うるわしゅう!私は・・・跡取りの・・・」
「・・・様、お初にお目にかかります!わたくしは・・・商会の・・・・」
「・・・様、同じクラスになれたことが、我が一族の誇りでございます、我が一族は・・・・」
etc,etc,etc,etc・・・・・・・・。
すごい勢いでクラスメイト達が王子様にアタックしかけてます。
この国の王子様となれば、お付き合いも大変なんだろうと思いました。
あまりのクラスメイト達&いつもにかほかのクラスからの集まり具合で、
僕は座っている席から、外へ外へ追い出されてしまいました。
色々あったせいか、オシッコに行きたくなった僕は、そのままトイレに行こうと思いました。
記念すべき、初めての授業の時に、先生、トイレに行きたいとです、と言わないために。
教室から半ば、追い出された間はありましたが、トイレに行って、オシッコを済ませてきました。
ちなみにおトイレはとてもキレイで何かいい匂いがしてるような素敵なトイレでした。
すっきりして教室に戻りました。
まだ王子の周りには取り巻き&ファンクラブの方々が集まっていました。
僕がトイレに行く時よりも、さらに人が増えている感じでした。
おかげで僕の席にも、見知らぬ人が座っていて、座れません。
自分の席に、座っている人に声をかける勇気もなく、遠目に王子&取り巻き&ファンクラブの方々を
廊下から眺めていました。
王子様は話しかけてくる人達の、話をうなずきながら聞いていました。
そのうちチャイムが鳴り、取り巻きetcは引いていきました。
おかげでようやく自分の席に座ることができました。
さきほど、休憩時間中に王子様と会話できたことが嬉しかったのか、
席の周りのちびっこ達からの圧力が減りとても快適になりそうです。
記念すべき、最初の授業の準備をしまじめました。
教科書、ノート、えんぴつ、消しゴム。
これでばっちりでございます。
あらかた準備して、横目で王子様を見ると、なぜかプルプルしていました。
どうした王子様。
チワワのように震える王子様を、見てしまった。
トラ・チャーチル6歳、一限目の時。