おかしくなってしまった?
すがすがしい朝を迎えました。
なぜか顔に白い布がかかっていたので、それを払いのけてベットから体を起こします。
宝物庫探検を終えてから、急に体調が悪くなったようでしたが、ぐっすりと眠れたおかげなのか、
すこぶる体調が良いです、むしろ力がみなぎる感じです。
意識を失う直前、何かと慌ただしかったと思ったのですが、きっと夢だったんですかね。
夢でよかったよかった。
安心したところで、お腹が空きました、昨日の夕食は食べれませんでしたからね。
それにしても、いつもだったら目を覚ますとトリーがいるのに今日に限って居ません。
どうしたのでしょうか、風邪でもひいたのでしょうか、ちょっと心配です。
あれ、今気づきましたが、だれか椅子に座ってうつむいている男性がいます。
誰でしょうか、何やらブツブツと何かつぶやいています。ちょっと怖いです。
「救えなかった、救えなかった・・・」
よく見てみると、うちの家の主治医の先生でした。
何落ち込んでいるようですが、何か悲しいことでもあったのでしょうか。
しばらく見つめていると先生は一度こちらを見ました。
ひどい驚いた表情をしましたが、またうつむきました。
「あははっ、疲れすぎて幻覚まで見えてきたぜ・・・」
先生はだいぶお疲れのようでした、医者という仕事は人の命を預かる大変な仕事ですからね、
肉体的にも精神的にも疲れますよね。
まずは僕の部屋の椅子に座って休むのではなく、自分の家に帰って、
ゆっくりと休んだ方が良いと思います。
先生に近づいて肩を優しく叩きながら声をかけます。
「先生、休んだ方がいいよ」
またこちらを見て驚いた表情をして、固まります。
よく聞こえなかったのでしょうか、また声をかけます。
「先生、休んだ・」
途中で先生は自分の顔を自分のこぶしで殴り、おそるおそる僕の手を握ってきました。
突然の行動で僕はびっくりしていると、手首に指を当ててきました、
どうやら脈をとっているようでした。
先生鼻血出てますよ。
しばらく脈をとっていたと思ったら、急に震えだし涙目になってきました。
次にいきなり強く抱きしめてきました、先生ちょっと痛い痛い。
しばらく黙って抱きしめられていると、急に僕から離れて慌てるように部屋から出ていきました、
部屋の外から先生の雄叫びが聞こえたような気がしました。
先生には生まれた時からお世話になっていますが、あんなおかしい先生を見るのは初めてでした。
やはりこの世界の医者も過酷で、さらにほかの医者より腕が良いので、周りに酷使されてしまって、
先ほどのように、たまにおかしくならないとやってられない仕事なんだなと、
先生がとても可哀想で心配になりました、d是非ともゆっくりと休息をとっていただきたいものです。
トリー早く来てくれないかな、お腹が空きました。
こんなに、おかしくなるまで働かなきゃいけない医者という職にはつかないようにしようと強く誓った
トラ・チャーチル3歳、無事に復活する。