あれは何?
僕の名前はトラ・チャーチル、そこそこの位の貴族のチャーチル家の三男です。
近頃流行の不慮の事故にあって異世界で生まれ変わるということを自身の体を持って体験しています。
前世で生きていた場所とは違い、何かいきなり外国で生活しているような感じもあり、
風習や文字や言葉を覚えることには苦労しましたが、家族の力もあり何とかやっていけてます。
今も若い綺麗なメイドさんが僕の部屋に来て散歩のお誘いをしてくれています。
ちなみに僕は3歳。
「さあ、トラ様お外へ散歩にいきましょうか」
メイドさんの名前はトリー、彼女を含め、彼女の家は何世代前も前から僕の家を支えてくれています。
僕は外に出て散歩できる喜びを表し、天に向けて両手を上げ雄叫びをあげる。
「おおおおぉぉーーっ」
それをいつものように見てトリーは微笑みながら僕を抱き上げ、屋敷の外まで運んでくれます。
ずっと屋敷の中に居ても退屈なので外で散歩できるのはとても嬉しく楽しい。
さて、いつものように屋敷の周辺をトリーに手を引かれながら太陽を浴びながら一緒に散歩します。
「トリー、あれは何?」
「街ですよー」
「トリー、あれは?」
「山ですよー」
「トリー、あれは?」
「川ですよー」
「トリー、あれは?」
「王城ですよー、とても偉い王様が住んでいるところですよ」
「あれはー?」
「うちの王国で一番大きな商会、ヨウカドーですねー、お金をいっぱい持ってるところですねー」
「あれはー?」
「刑務所ですよ、悪い人ことをした人がいっぱいる怖いとこです。」
「あれは?」
「綺麗なおねーさんに、高い入浴料を払ってお風呂に入って色々と楽しいことをしてくれるところです」
「・・・・」
「トラ様がもっともっと大きくなるまでおあずけですよー」
「あr」
「トラ様がもっともっともっと大きくなるまでだめですよー」
子どもにありげなあれは何?これ何?などと気になった建物などを指さしながらトリーに質問しまくる。
最後のあたりは明らかにエッチな素敵なお店に違いない・・・いつ行けることになるのか
分からないけど絶対に絶対に覚えておこうと強く誓った、トラ・チャーチル3歳の春。