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第八話 初戦闘

 窓の外に広がるまるで映画のような光景に驚き、呆然とする光一。しかし、ふとこんなことが頭に浮かぶ、


 (今聞こえているこの足音、……まさか!)


 そこまで思考したところで、光一はトイレの個室に鍵をかけずに入り、急いでドアの後ろに隠れる。



「すまん、ちょっと用を足してくるから待っていてくれ」


「了解しました、隊長」


 サブマシンガンを持ち、防弾チョッキを着て武装した三人の男達がトイレの前で足を止める。そしてその内の一人がトイレに入り、残りの二人は、トイレの前でサブマシンガンを構え待機する。トイレに入った男は、もしかしたらトイレの中に誰かいるかもしれないと警戒したが、特に誰も見当たりはしない。個室も見たが、個室のドアは空いており、鍵も閉まっていない。男は、中には誰も居ないだろうと考え、用を足すために装備を置くと、ズボンに手をかける。


「!?」


 その時、男の背後からもう一人の男が音もなく現れ、男の後頭部を思い切り殴り付ける。男は僅かな抵抗すら出来ず、声にならない声をあげて崩れ落ちた。



「!! なんだ今の声は」


「隊長の声みたいでしたけれど」


「隊長に何かあったのかもしれない、俺が様子を見てこよう」


 トイレの外で待機していた二人の男は、トイレの中から聞こえてきた謎の声を聞き、異常事態と判断した男らの内、一人が中に入ろうとする。


  「よし、開けるぞ」


 男がトイレのドアに手をかけると勢いよくドアが開く。しかしそれは男が開けたのではない。中から誰かに思い切り開けられたのである。


  「グッ……!」


 ドアに手をかけていた男は、勢いよく開かれたドアに顔を打ち付け二、三歩後退りし、顔を押さえる。


  「な、!?」


 ドアの近くにいなかった方の男は、ドアに顔を打ち付けることは無かったがトイレから出てきた男に驚愕する。その隙をトイレから出てきた男は見逃さず、恐らく隊長と呼ばれていた男の装備であった、サブマシンガンの銃身の方を持ち男へと襲いかかる。


  「グッ……」


 男は、手に持ったサブマシンガンで襲いかかって来た男を撃とうとするが。安全装置を外そうとしている僅かな隙に、相手が手にしたサブマシンガンで直接顔を殴り付けられ意識を失う。


「クソッ! テメェは誰だ!」


 先ほどドアに顔を打ち付け、怯んでいた男がサブマシンガンの安全装置を外ながら叫ぶ。


「さあな」


 相手の男はそう短く呟くと、男に向かって襲いかかって来る。


(このタイミングなら俺のが速い!)


 男は安全装置を外し、後は引き金を引くだけといったサブマシンガンを構え、引き金を引く。普通ならこれで相手の男は銃弾を浴び、絶命するはずだった。……が


  「!!?」


 相手の男は絶命してはいなかった。それは、相手の男は男がサブマシンガンの引き金を引く瞬間に銃身を蹴りあげたため、銃身が上を向いてしまったからである。そしてその男は銃身を蹴りあげ、高く振り上げた足を男の顔面に向けて勢いよく振り下ろす。


「なんとかなったな」


 その男は、そう大きなため息と共に呟き、たった今倒した男から装備を奪い、その場を後にする



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